決勝前の一時の休息
連続投稿!?いつもはこんな感じじゃないです。凄いな、この筆者
ムツアシさんの勝利宣言が終わると、オスカーが立ち上がった。
「いや〜負けちゃいました〜やっぱりお強いですね〜シルバーさん」
!!
今、初めてオスカーが俺の名前を呼んだ気がする。何だか距離感が近づいてきた気がする…
ん?よく見たらオスカーってどこか可愛い様な……!危ない所だった。何でホモルートに行こうとしてるんだ俺は!
おい、そこの俺のことを見て「滾るわ!」と言っているそこの腐腐腐って笑いそうな女子!俺はホモではない。ホントだからな!
あっ、別に俺はホモを批判する訳ではないが、俺はそうじゃないって事を言ってるだけだからな。またまた〜って反応をするんじゃないぞ!
「俺だってオスカーにどうやって勝つか必死だったさ。あと一つでもどこか違っていたら、負けてたのは俺だった。良い勝負だったな、オスカー」
さっきまでの事はすっかり忘れ、俺はオスカーに対して右手を差し出した。俺の中での最早恒例とも言える握手だ。
オスカーは少し戸惑った様だったが、何をしようとしているか分かると、爽やかな笑顔で右手を差し出してきた。その笑顔は一瞬ではあったが、ピエロとしてのオスカーではない、本当の素だった様な気がする…
「凄まじく、そして熱い戦いを魅せてくれた二人の選手に皆さま!拍手をお願いします!」
パチパチパチパチパチパチパチパチパチパチ…
☆☆☆☆☆
試合を終えた俺は、先程まで戦っていたステージを出て控え室へと戻って来ていた。今まで通りならここで少しの休憩を挟み、直ぐに次の試合へと続いていくのだが、次の試合は闘技大会の決勝戦だ。
今まで頑張って来た選手の為、少し長めの休憩時間を用意してくれたらしい。ありがたく利用させてもらおう。
今回の大会では、試合をより楽しめる様に出店の様なものまで出店しているらしい。祭りで十分に楽しめた様な気もするが、祭りには用事があって行けなかった人もいる。こういう気遣いができる運営は良い運営だよな。
俺は行けたが、それでも祭りとは少し違った物もある様だし、俺も行ってみようと思う。が、自分で言うのも恥ずかしい訳だが、俺は決勝戦まで駒を進めた有名人だ。
分かり易い格好で行ってしまうと、まともに楽しめない可能性がある。しかし気の利く運営は、そんな俺のためにちょっとしたアイテムをくれた。
テッテレ〜!身バレ防止〜
…名前に捻りが無さすぎだろ!まぁ、効果が分かりやすくて助かるといえば助かるのだが。
見た目は只のネックレスで、細かな効果を言うと顔が別の顔に見え、格好はあまり目立たないものに見える様になるらしい。
効果は運営のお墨付きだし、休憩時間が終わったら勝手に消滅するらしいので遠慮なく使わせてもらおう。
☆☆☆☆☆
さて、お店ゾーンまでやって来たぞ!思ったよりも店の種類があって楽しい。お!あれ美味そうだな、行ってみよ!
「あの、すいません。このサクサク食べれる虹の素!ってやつ下さい」
あいよ!という掛け声とともに、虹の素がショーケースから飛び出し、キラキラしながら容器の中へと入っていく。これ自体がパフォーマンスの一環な訳だな。面白い!
なんだかトルコアイスを思い出すな。取ろうとしても、なかなか取らせてもらえないトルコアイスだが、あれもパフォーマンスで面白い。食った事ない人は行ってみると良いよ。
案外虹の素は値段が安かった。持ってみると軽い。ぽいっと口の中に入れてみると、確かに商品名通りサクサクで、そしてふんわりと甘くて美味しい!甘いと言ってもしつこい甘さではなく優しい甘さなので、甘過ぎるのが苦手な人でもどんどん食べられそうだ。
気づくとあっという間になくなってしまっていた。腹が一杯になる事もないので、食い過ぎて動けない…なんて事は起こらない。安心して飲み食いできるだろ。
次に見つけたのは何やら金ぴかに光っているかき氷だった。金ピカと言っても、別に金箔が乗ってる訳じゃない。氷が光ってるんだ。最早美味いとかそんなの関係なく、食ってみたい。
挑戦してみるしかねぇだろ!俺は直ぐ様列に並び、そして手に入れた。話によると溶けない様に加工しているらしい。凄いな。
スプーンで恐る恐るかき氷を掬い、そして口へ運んだ。
ウマーイ!!!!
なんとも言えない。俺のボキャブラリーに無いというか、俺の知ってる味じゃない。でも美味い。兎に角美味い。
そんなこんなで、俺は一時の休憩も全力で楽しむのだった…
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