決着!VSピエロ
連続投稿!?
「そのと〜り!!わた〜しはクリティカルとミスを自在に出すことができるので〜す!いえ〜い!」
そんな馬鹿な!そんなの勝てるわけないじゃないか!
「とっとと諦めた方が楽なんじゃないですか〜?だって勝てないじゃないですか〜諦めなければ勝てるなんてのはラノベなんかの甘い話ですよ。ね?諦めた方が簡単でしょ?」
そういうピエロの顔はとても不気味で、そしてとても生き生きとしている様に見えた。…笑ってないのに。
それにしても、そうなのか?やっぱり俺じゃ勝てないのか?何か見逃してるものがあるんじゃないのか?
次元人との戦いの時だってそうだ。この運営は決して勝てないものを用意しなかった。チートかと思ったが、運営が止めていないならそれもない筈。何か弱点が…?
それにやたらとオスカーが降参や諦める事を促して来ていることも気になる。本当に俺の事を楽勝で勝てる様なスキルを持っているのなら、ピエロという目立ちたがりなところからも、俺に対して圧勝する方が性に合ってる筈だ。
という事はどこか裏がある筈だ。防御に特化すれば火力が出ない様に…スピードに特化すれば防御が脆くなる様に…
何処かが出れば、どこかが引っ込む。そうなっている筈だ。ボン、キュッ、ボンって事だ。…今のはなかったことにしてくれ。
何かないか?オスカーの発言、行動。全ての事に何か意味はある筈だ。思い出せ、思い出せ!何かないか何かないか何かないか何かないか!
『メタルなスライムを攻撃するのとと同じ。あなたの攻撃はミスしたんですよぉ〜!』
そうだ、メタルなスライムだ!コイツはあるゲームで有名な、倒すとたくさんの経験値を落とし、大量にレベルアップされる事からプレイヤーに狙われているモンスターだ。
その特徴は他にもあって、とんでもない防御力と、そして高い逃走率を誇っているモンスターなのだ。
メタルなスライムに攻撃した時、ほとんどの場合ダメージをゼロに抑えられる。だからと言って倒せない訳ではない。
そう、ほとんどなのである。偶に一ダメージ入るのだ。
それを繰り返しダメージを蓄積し、そして倒す。それがプレイヤーのメタルなスライムを倒す際の戦い方だ。もっとも、最近は素の攻撃力でメタルなスライムを倒す様な奴もいるらしいが。
もしオスカーがメタルなスライムと同じようなタイプだと仮定するならば、何回も攻撃すれば倒せるのではないだろうか。
勝手なポジティブシンキングかもしれない。が、希望が見えてきた。それで良いじゃないか。間違ってたとしたら、オスカーが強くて、俺が弱かった。そうなるだけだ。
恐れることがあるだろうか?いや、ない。
パチーン!!
「お、おお?一体どうしましたか?突然顔を叩いて。狂っちゃいましたか?…にしては随分顔つきが変わっちゃいましたね〜正直言って………嫌な顔です。」
思った以上に痛かったが、気合が入った。おっと、勿論ダメージは入ってないぜ。これでダメージ入ってたら馬鹿すぎるだろ?流石にそれはない。
「俺はまだ諦めない…行くぜ!」
俺は再び接近する。オスカーもナイフを次々と投げてくる…が、当たらない。オスカーが諦めるのを推していたのはこういう事だろう。
オスカーでは勝つ事が厳しいのだ。何故なら攻撃が当たらないから。先程攻撃を喰らったのは、攻撃がミスした事によって動揺していたからだ。
更にはその時ですら受け流そうと盾を構えられていたのだ。もうそうなる事が分かっているのだから、恐れる事はない。
兎に角接近は出来た。攻撃!俺は勢い良く剣を振る。
プルン!
音が鳴るが、俺は諦めない。動揺せず、そして回避しながらも、何度も何度も剣を振るう。
プルンプルンプルンプルンプルン!!
「ほら、当たらないでしょうが!…や、辞めろ!!辞めろおおお!!」
オスカーは最初余裕ぶっていようとしていたが、徐々に余裕が無くなってきた。
接近戦に切り替えてきたが、慣れていない様で、俺にあたる事はない。
プルンプルンプルンプルン!グサッ!プルンプルン!
当たった!当たったぞ!俺の考えは間違ってなかった!オスカーの顔は更にヤバイ顔へと変わっていく。ピエロの顔と合わさってかなり滑稽だ。この調子で喰らいやがれ!
プルンプルングサッ!プルンプルングサッ!プルンプルングサッ!プルンプルン…………
そして…
オスカーは倒れ、他に伏せた。…という事は?
「白熱の準決勝、勝者はシルバーだぁぁぁ!!!」
やったぁぁぁぁぁ!!!勝ったんだ!うおおおお!!俺の勝利だ!
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