表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
45/187

VS笑わないピエロ

早めの投稿、頑張りました。日間ランキングのってて嬉しかったんです

 危険、危険、と俺の頭の中で突然警報が鳴り響く。驚く事ではない。この警報に俺は何度も助けられて来た。お馴染みの危険察知である。


 問題はどうしてこれがなっているかという事だが…兎に角俺は直感とスキルに従い、後ろに勢い良く飛んだ。


 …刹那俺のいたところにどこから飛んで来たのか、ナイフが次々と突き刺さった!もし俺があのまま突っ立っていたなら、今頃俺の紙耐久では耐え切ることなどできず、呆気なくピチュっていた事だろう。


 あまりにも呆気ない負け。そうならないで良かった。


「お?おやおやおや?躱した、躱した、躱しましたね!流石ですねぇ銀の守護者(シルバーガーディアン)さん。名前と装備的に耐久型の戦士なのかと思っていましたが、まさかそれを回避できるとは!いやはや、流石です」


 笑わない。ん?突然何を言ってるかって?実は今の戯けた感じでオスカーは喋っていたけど、顔は一切笑っていなかった。戦闘が始まる前にはピエロらしい笑いを浮かべていたのに。


 余りにも不気味。人に言う感想じゃないかもしれないが、不気味で薄気味悪い。何を考えているか分からない、俺の苦手なタイプだ。


「ですが…それもいつまで続く事でしょうかねぇ?刃物は踊り狂う(サーカス)はまだ始まったばかりですよ〜フフフフフ…」


 言い終えるとまたナイフが飛んで来た。今回はちゃんと手から投げている上に、正面なのでよく分かる。これなら躱せ…!?!!


 DANGER!!DANGER!!DANGER!!


 うおおおお!


 カッコ悪いかもしれないが、今度は横に向かって思いっきり跳んだ。転がる様に着地した俺が見たものは、先程正面から飛んで来たナイフとは別のナイフが、俺のいた場所の真上から刺さった瞬間だった。


 しかしまだ警報は鳴り続けている。俺はまたもう一回転して回避する。するとそこにもまたナイフが突き刺さった。いったいどうやって!しかもどんだけナイフ持ってるんだよ!


「おお!?それすらも躱しますか!これは何かそういうスキルを持っていると見て間違いないでしょうね〜でもどうやって対策すればいいんでしょうか、およよよよ何も考えない道化の頭では分からないですねぇ」


 話し方は凄くやばい奴だが、実力は確かな様で俺のオンリーワンスキルを見破って来やがった。確かにシンプルな効果だし、見破るのもそう難しい事ではないと思うが、まさかこんなに早いとは。


 これは早く俺も相手の戦い方を見破らないと厳しい相手だな。


 何故か自分に当たる直前まで見えないナイフ。そして投げても投げても無くならないナイフ。……無くならないナイフ?


 俺はふと先程まで立っていた場所を見た。…何も無い。ん?もしかして。しかしまだ確信が足りない。これが是か否かでかなり戦い方が変わってくるんだが…どうだろうか。


 是だった場合、苦しい戦いになりそうだな。


「ホイ!ホイ!ホイホイ!」


 軽快なステップを踏みながらオスカーは更なるナイフを投げて来た。投げるタイミングをずらし、出来るだけ俺の逃げ場が無いようにと。


 だが、甘い。今回は危険察知が鳴っていないことから、恐らくあの見えないナイフは使っていないのだろう。ならいける!俺を舐めるな!


 集中する。深く深く。そして世界は動きを緩めた。本当はそうではないのだが、俺にとって今世界はゆっくりと動いている。


 そしてナイフをよく観察する…見つけた!沢山の弾幕の様に俺のところへ飛んで来ているナイフ。その面での攻撃の合間に小さな点を見つけた。それも幾つも。


 なら後は簡単なこと。点と点を結ぶ様に走り、躱し、突破する!グレイズ!紙一重の回避だが、確かに俺には当たっていない。


 そして俺に当たらず通り過ぎたナイフは…跡形もなく消えていた。


「ナイフを増やす…いや、物を増やすスキルを持ってるのか」


 それを聞いたオスカーは大袈裟な身振りを取りながらこう言った。


「おお!気付かれてしまいました!!なんという事!これではわたしが勝つことが出来ない…なんて事はないですよね。あなたのスキルと同じ、分かっていても対策の施しようの無いスキルなんですから」


 その通り、結局それを知ったところで増やすのを防ぐとかは出来ないので、対策出来ない。俺のオンリーワンスキルと同じだ。


「めんどくさいですね〜不意をついた一撃は躱されますし、弾幕みたいにナイフを放っても当たらないですし〜今までの相手ならこれでやって来られたのに、やっぱり大会上位まで来ますと実力が違いますね〜残念です〜」


 成る程。確かに俺みたいな見えない攻撃を捉えて回避する事が出来る奴はそういないだろう。てか居たら困る。俺のオンリーワンスキルなのに。


 それでも疑問に思う事はある。俺が紙みたいな防御性能だから脅威なのであって、防御力が高いゴツゴツの鎧を着た戦士などには、あまり大した一撃にはならない気がする。


 もしかして、まだ何か隠しているのか?



読んでくださりありがとうございます!


ブクマ、評価して下さると、大変嬉しいです。


特にブクマはいつ投稿したか分かる様になりますので、お願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ