笑わないピエロも係員も怖い
お久しぶりです。しかし、投稿ペースは亀みたいにゆっくりです。申し訳ないです。
さて、冥途から死にそうになりながらも逃げ出した俺だが、最早何度目なのか分からないくらいには警戒している係員タイムがやって来ている。
…まぁ、分かりやすく言うと準決勝の試合時間になりそうなのだ。今までならコソコソとまるで泥棒の様に動きながら、係員を警戒していた。しかしだ!準決勝にまで勝ち残って来た俺がその様にしていて良いのか!答えは否である。
そうじゃないと俺の今までの対戦相手が泥棒みたいな小物に負けた残念な奴…みたいなことになってしまうからな。俺はみんなの期待を背負っているのだ(それと賭け金)。
どれ、一歩踏み出すぜ。コツ…コツ…コツ…コツ…誰も出て来ないな。いや、来るとしたらあの係員なのは分かってるんだけどな。俺の危険察知すら乗り越えて来る恐ろしさがあるからな。反応しない理由は別に害するつもりも無いみたいだからという訳だな。ある意味魔物よりも厄介だな。
なんか苦手なんだよなぁ。別に悪い事だってしてないし、悪口とか悪意を持って接してきてるわけじゃない。それどころか好意すら持ってるんじゃないか?でも…苦手なんだよなぁ。
ってアレ?もう出口だ。もうちょっと進んだらもうステージに着く。今回は居なかったのか?まぁ、それならそれで別に良かっt「あれ?もしかしてシルバーさん、私のことを考えて居ましたか?」
…あああああああああああああああ!!なんだこのデジャブ感んんん!?!?なんで?ここ一方通行だろ?もう横にドアがある場所はとうに通り過ぎてる。
もう何を言ってるか分からねぇかもしれねぇが、俺も何を言ってるか分かry
「シルバーさん、もう試合なんですから落ち着きましょう!」
だ、誰のせいだと思って…
「それでは、いってらっしゃい!」
え、もう?ちょちょまっ!心の準備がぁぁぁ!!
☆☆☆☆☆
「さぁ、準決勝の始まりだぁぁ!!皆さん、拍手!!」
パチパチパチパチパチパチパチパチパチパチ…
「さぁ、入場は先ず西コーナー!この男、守って良しの攻めて良し、万能の護り手。二つ名銀の守護者ことシルバーだぁぁぁ!!」
うぉおぉぉぉおおおお!!!
よし、さっきまでのは忘れて頑張るとするぜ!さて、相手はどんな奴だ?
「続いて東コーナー!闘う姿はまさに理不尽。前までの試合は一方的な蹂躙で度肝を抜いて来たこの男!二つ名は理不尽な道化師こと、オスカーだ!」
うぉおぉぉぉおおおお!!!
分からん。どういう戦い方をするのかが全く分からない。見た目の方に関しては、姿を現したが正直言ってあまり趣味がいいとは言えない。ピエロと言った方が正しいかもしれないな。
武器がどこにあるのかすら分からない。もしかしたら魔法を使うタイプなのかも知れないが、それだと杖がないことが気になる。
一応杖がなくても使えるらしいが、わざわざ威力に補正の掛かる杖を使わない理由が分からない。…という事は、魔法ではないのかもしれないな。
もっとも、俺みたいに見え見えに武器を持ち込むのではなく、どこかに隠し持っているのかも知れないな。姿のインパクトに目を取られそうだが、その可能性が高そうだ。
「両者試合開始位置について下さい…それでは、試合開始!」
………どちらも一切動かない。いや、オスカーは余裕そうな笑みを浮かべて此方を見ている。
「いやいやいや、来ないんですか?銀の守護者さん?わた〜し弱いですよ?およよよよ」
ふざけた動作でタスケテ〜と言ってくるオスカーだが、その目は笑っておらず、こちらのことをよく観察している。
それでも動じないでいると、オスカーは笑みを取り払った。
「はぁ〜動じないですか〜仕方ないですね〜…私から、行きますよ」
その途端、俺をとんでもない寒気が襲った。
DANGER!!DANGER!!DANGER!!
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