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VS海賊じゃないロジャーさん

こ、これは!?連続投稿になるのか!?

「因みにロジャーさんはCランクパーティに所属されている冒険者です」


 なるほど。これが何かのヒントにならないか?うーん、どうだろうか。・・・いや、こうすればいけるか?


「それでは、私の話ばかりではそろそろ飽きて来られたところだと思いますので、試合を開始したいと思います!」


 お、そろそろ試合が始まりそうだ。双剣を持っているので、ロジャーさんは恐らくスピードと手数で圧倒するタイプだ。マッスル程攻撃力は高くないだろうし、取り敢えず今回は盾で受け流していくのを戦闘指針としておこうか。


「両者試合開始位置について下さい。…着きましたね?それでは…試合開始ッ!」


 試合が開始したが、やっぱりどちらも動かない。彼らは俺たちプレイヤーとは違い、普通に死んでしまえばそれで終わりなのだ。なので、先ずは情報を得ようとする。まぁ、そこは俺も同じだが。


 何が言いたいかというと、現地人である彼は死んでしまえば復活することはない。本当の死だ。それは彼がこの世界から消滅する事を意味する。誰だって死ぬことは恐ろしい。


 そして、死んでも大丈夫と考えている俺達と、死なない様に文字通り死に物狂いで戦いに来る相手なら、気迫からまず違う。今回は死なないのだとしてもだ。


 今俺はロジャーさんの目の前に立っているわけだが、殺気?らしきものを感じる。俺なりに強くなってきているので動けないっていうことはないが、なんとなく動くのが辛い感じだ。恐らくこの慣れない感じのせいで、いつもの調子を出すことができず、一回戦の人は負けてしまったのだろう。


 それをどう解決するかって?・・・気合いだ。アニマルな誰かじゃないが、ここは精神論以外はないと俺は思ってる。


 俺が今感じているものだって、よくよく考えてみたら、相手の死にたくない。戦いで勝ちたい。という思いに押されているのと同義だ。精神の力で押されているのなら、精神の力で押し返すしかないだろう。


「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」


 叫んで、俺のクヨクヨとした気分を吹き飛ばす。そして叫ぶという行為は、野生動物も行うことである。彼らの目的は、天敵を追い返す。つまり、驚かして追い払うのだ。戦闘に集中しているとはいえ、突然叫んだということにより、ロジャーさんが驚いてその身体が少し委縮してしまう。本当にわずかな時間だが、それは俺に与えられたチャンスだ。ここで掴まなくては話にならない。


 俺は駆け出す。ロジャーさんは慌てて、俺から距離をとろうとする。


 そう、ここで俺が勝つことができるであろう、有利な条件があるのだ。それは、彼が普段はパーティを組んでいるであろうということだ。恐らく彼が普段戦うときには、ヘイトを集めてくれるタンクがいて、回復してくれるヒーラーがいて、バランスが取れたチームなのだろう。そして、そこで彼は自らの役目に従事する。


 なので、彼はある意味特化型の人間なのだ。勿論、他のことも並み以上にはできるだろうが、一番力を発揮できるのはやはりパーティを組んでいる時なのだ。つまり、そこにつけ込めばいい。


 今の状況を察するなら、彼はいつもの通りならある程度自分の方にくる攻撃を捌きながら攻撃に集中することができたのだろう。分かりやすく言うなら、集中攻撃されることに慣れていないのだ。


 よく考えてみると、いくらステータス差があるとはいえ、こちらを指導しながら攻撃を捌き、こちらを攻撃してきていた師匠はやっぱりすごい人だったんだな。伊達に元Aランクなだけはある。今これの相手が師匠だったなら、勝つことは難しいだろう。しかし、逆に言えば彼になら勝つことができる!


 ロジャーさんは俺から距離をとり、一度立て直そうとしている。が、それを俺は許さない。相手のペースに持ち込ませないことが俺の勝利への道となるのだ。


 ロジャーさんは諦めずに回避を繰り返しているが、俺が離れるつもりはさらさらない。幸いこちらの方が素早いようで、ロジャーさんに距離をとられる事は無い。


 ロジャーさんは回避を続けている。それは先ほどから変わる事は無いのだが、その合間合間にこちらを鋭く観察している。フムフム、なるほど。・・・ニヤリ。


 そして、急に立ち止まったかと思うと、こちらが振り下ろした剣に合わせて、双剣のうちの片割れで俺の攻撃を受け止めた!


「隙あり!うおりゃあああああああああああ!!」


 うわああああああああ、やられるうううううううう・・・とでも思っていたのか?


 確かにこの距離で回避をするのは難しいだろう。確かに盾で防いでも、そこからならロジャーさんの実力でどうとでもできるだろう。でも、俺の盾はただの盾じゃない。俺の盾はティアさんの力を借りて、改造済みだ。


 俺は念じる・・・アタックモード!


 そう念じた途端、俺の盾は変貌する。先ほどまでは全く見られなかったトゲがびっしりと生えていて、恐ろしさすら感じる。


 さぁ、今から俺はとんでもないことをする。ロジャーさんの顔が絶望に包まれる。ロジャーさんにそんな顔をされるとやりづらくなってしまうが、俺は無慈悲にも決行する。


 腕を振り、攻撃ができないと思っていて、隙だらけのロジャーさんの顔にこの盾を叩き込む!


 どっしゃあああああああああああああ!!!


 ドカッ!


 鈍い音を立てて、ロジャーさんがぶっ飛んでいく。体力は・・・ゼロになっていた。俺の勝ちだ!







読んでくださりありがとうございます。


ブックマークがいよいよ持って千人に近づいて参りました。どうか、ご協力お願いします!


ランキング上位に乗れば更に読んでもらえる様になるかと思います。なのでどうか評価もして下さると、嬉しいです。


よろしくお願いします!

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