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取り繕えば大丈夫。そう思っていた時期が私にもありました

投稿ペース落ちるというのは本当です。ただ、今回は偶々投稿できそうだったからしただけです。すいません。

 さて、もう少しでトーナメントが始まる。緊張して来たな。まぁ、ガチガチになる程じゃないが。たまに新入社員とかで、緊張のせいで普段なら絶対しないであろうミスをしてしまう人がいる。


 確かに普段ならやらない事、若しくは今の俺みたいに何かの大会に出るような大きな事をする場合、緊張をしてしまうのは仕方ないだろう。現に俺だって今そうなっているし。


 でも、自分のコンディションを乱して、いつも通りの自分が出せないのは良くない事だ。


 俺的には、方法はなんだって良い。音楽を聴くというのもよし、ベタだが、人という字を書いて飲み込むという意味のわからない事をしてもよし。兎に角、深みにハマりさえしなければ良いのだ。元から出来るのなら必要ない事だけどな。



 よし、行くか。因みに先程説明を聞いたが、あまり大したことは話していなかった。


 トーナメントは、こちらが完全に抽選で選ぶので、試合が始まる直前まで分からないということ。


 もう一つは、賭けの倍率は賭けられた総金額によって変化するという事。人気がない人ほど倍率が高くなるという事だな。こちらもどうなっているのか賭けの締め切りがある試合開始まで分からない。俺は自分に少しだけ賭けたぞ。


 要は今のところ何も分かっちゃいないのだ。分からない事を分かっているとも言えるが。


 あ、でももう一つ分かる事があったな。それは試合中はお互いの残りHPが自分達にも、観客にも見えるようになるという事だ。これで、お互い技を選びながら戦うことができるようになる。戦いやすくなるわけだな。


「シルバーさん。そろそろ試合の時間なので、ステージの方に、お願いします」


 おっと、誰か来たようだ。こんな夜更けに何の用だろうか・・・じゃない、そもそも夜じゃないし、俺は死にたくないしな。実際は係の人が来た。いよいよ試合だ。


 俺は控え室から出て、通路を歩く。


 かつ…かつ…かつ…かつ…


 通路には心地よい静寂があり、足音だけが響く。そして自らの足音を聴くたびに精神が研ぎ澄まされているかの様な錯覚を覚える。


 歩き続けていると、出口が見えてきた。この先では戦いを直接見たいというプレイヤーがぎっしりと客席に座ってまだかまだかと待ちわびているのだろう。


 いや、それだけじゃない。これから行われる戦いは、インフォメーションの機能により、ゲーム内ならどこででも見られるし、現実世界でもネットで生中継されている。


 注目度は、途轍もなく高いだろう。


 すぅー、はぁー、すぅー、はぁー……


 だが!それがどうしたというんだ!そんなつまらないことが、俺がゲームを楽しみきれない理由には断じてならない!


 ゲームは楽しいものだ。いっぱい楽しませてもらおうじゃないか!・・・そんな事言って、直ぐに負けたら滅茶苦茶カッコ悪いけどな。


「・・・大丈夫ですか?なんか色々口にしてましたけど」


 ・・・・・・・・・・・あああああああああああああああ!!人がいたああああああああああ!!


 しかも無意識の内に声に出してたのを聞かれてたああああああ!!


 れ、冷静になれ、俺!今取り繕えばなんとかなる!


「俺の勇姿を見ていてくれ(爽やかスマイル)」


 ちょっと待って!何言ってんだ俺!全然取り繕えてない!


 おいおい、色々とおかしいだろ!!お前男だろ(係の人のこと)!なんでちょっと顔赤くなってんだよ!


 そんなカオスな状況に、俺はその場から逃げる様に通路から駆け出した。・・・カッコ悪すぎる。



 ☆☆☆☆☆



「さて、両者準備は整った様です!先に出てきたのは…西コーナー!シルバァァァァァァ!!」


 やはりああいう実況みたいなものもヤツアシさんが行う様だ。拍手と、「お前に賭けたんだ!勝ってくれよ!」という様な声が聞こえてくる。俺にも賭けてくれる人がいたのか。嬉しいな。取り敢えず手を観客席に振ってみると、より拍手が大きくなった。なんか楽しいな。


「シルバーは、この大会が始まるまで、ほとんど知名度の無かったプレイヤーだ!情報も、バトルロワイヤルでの戦いぐらいしかない!しかし、ここで情報を伝えるのは野暮というもの。代わりに二つ名を紹介しよう!」


 ん?二つ名?俺にそんなのがあるのか?


「彼の二つ名は銀の守護者(シルバーガーディアン)だ!」


 直球な様な気がするけど、なかなか悪く無い。でもなんか照れ臭いな。周りに自分の黒歴史をばらまかれたみたいで。ま、俺にそんな黒歴史は無いけどな。


「彼の活躍に期待しよう…おっと、次に出てきたのは…東コーナーマッスルだァァァァァァ!」


 歩いて来たのは、筋肉マッチョの男だった。恐らくあれは現実のものだろう。不自然な感じがないからな。


「彼の二つ名は豪盾(フィジカルシールド)だ!」


 もうなんか、二つ名からして強烈なんだが、それよりも恐ろしくて仕方ない事がある。それは彼の装備がブーメランパンツだけだということだ。


 防御力の事を考えれば、装備はしないと、勿体無いというよりも、防御力が足りなくなってしまう。強い敵なら尚更だろう。それでも尚その姿だという事に、驚愕を隠せない。


「守護者と盾。お互いが守るものという意味を持つ二つ名の持ち主同士の対決。これは見逃せませんね!」


 いや、本当に相手その二つ名で合ってるの?盾装備してないんだけど。


「両者試合開始位置に着きましたね。それでは…試合開始ッ!」

読んでくださりありがとうございます!


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