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しかし、MPが足りない!?

 ん?魔法使いはこちらを見据えたまま固まっている。いったいどうした…!!


「うおおおお!」


 思い切り、俺に出せる最大の力で横に飛んだ。直後、


 ドッカーンッッッッッ!!


 俺のいた場所が爆発を起こした。炎が轟々と燃え盛っている。そして、炎は一夜の夢のように消えていった。幻想的だ・・・じゃない!


 これは、ローラも使っていた大爆発(バーニング)か!あのボスだったゴブリンの体力を一気に吹き飛ばす威力の魔法だ。魔法防御も低い俺が受けてはまず生きてはいまい。


 あれ?俺ってもしかして一撃で死ぬ(オワタ式)なのか。でも流石に相手が魔法攻撃力の極振りじゃない限り、一番弱いボール系の魔法なら死なないとは思う。・・・極振りじゃないよね?


 取り敢えず状況を整理しようか。先ず最初に俺は魔法使いはこちらを見たまま固まっているのだと思っていた。でも、それは間違いだった(まぁ、よく考えれば戦いの最中にそんなことするはずがないと分かる事なんだけれども)。


 こちらを見ていたのは確かだったが、彼女は小声で詠唱していたのだ。確かに大声でわざわざ聴こえるように詠唱する必要は無い。


 俺が後もう少し気づくのが遅れていれば、俺がもし素早さにそれ程割り振っていなかったら、俺は今粒子となって消えてしまっていただろう。恐ろしい話だ。躱せたから良かったけどな。


 俺は態勢を整えると、すぐさま相手に切りかかった。相手に時間を与えても、良いことなんて一つもないからだ。無詠唱も、魔法を使うのに詠唱が必要な以上、存在はするだろうが、今の所手に入れた人は居ないはずだ。


 詠唱させなければ魔法使いはただの人。俺の剣の錆と消えてもらうぜ!フハハハハ!(*注意 彼は主人公です)ってうひゃあ!(反り返るように倒れた時に出た声)


 あ、危ねぇ!詠唱には結構時間がかかると思って居たのに、思ったよりも短い詠唱で撃たれたからヤバかった。


 だから今も…クッ!(殺せとは言わないよ。)


 再び魔法が飛んでくるので、横に飛んで躱した。繰り返すようだが、想像以上に詠唱が短い。威力はそれに応じては低いようだが、俺にとってはどれも死に直結のエレベーターだ。


 どうする。魔法は当たった瞬間に爆発する火系統を使用しているようなので、受け流せない。(そもそも魔法を使用している相手と戦ったのは初めてなので、受け流せるかどうか分からない。負けたら終わりなので、試すには不安がある。)


 どうするべきだろうか………ん?魔法使い?そうだ!


 俺の思いついたことはこうだ。相手のMP切れを待つ!天才じゃね?・・・え?もっと凄い作戦だと思ったって?確かにそうかもしれないが、この戦いにはアイテムを持ち込むことができない。つまり、魔力ポーションを使うことができないのだ。


 今思ったけど、これ結構魔法使いに不利なルールだな。まぁ、魔法に限らずMPを使用するスキルを主力にしてる人はそうだけどな。まぁ、連発してたら直ぐに枯渇するし、魔力ポーションを戦闘中に飲むのも難しいから、必殺技的な感じで使ってる人が多いみたいだから大丈夫かもしれないが。


 という訳で、回避だ!因みにMPは少しずつだが自動回復する。しかし、戦闘中にそれをアテにできるほど、使用するMPを節約するのは難しい。


 現実世界でも倹約家というのは素晴らしい。偶にドケチだと言われる人もいる。それは流石にやり過ぎはどうかと思うが、程々ならそれはとても良いことだと思う。そういえばこの前、同僚がうちの嫁は節約が上手くて料理は上手で良妻賢母とかなんとか言っていたような・・・うっ、頭が。


 まぁ、いい。作戦開始だ!そう言えば俺は盾を持っているくせに、結構短期決戦狙いばっかりなんだよな。これを機にいい練習だと思って頑張らせてもらおう!・・・別に現実逃避した訳じゃないんだからね!勘違いしないでよね!


 先ずは、相手の行動を理解することが大事だ。流石にゲームでよくある行動パターンの様に、この様に行動すれば安定して倒せる!みたいなのは存在しないけど、相手の基本的な戦い方を理解するのが勝利への道だ。


 だからって一人でやるゲームみたいに、何回も挑戦して見極めたりするゾンビアタックは出来ないし、今更レベルを上げ直すこともできない。一発勝負だが、やってやろうじゃねぇか。


 相手の魔法使いは火系統の魔法を使用している。因みに魔法は基本属性として、火、地、風、水が有り、その他として能力を上げる補助魔法と、エミリーも使用していた回復魔法がある。恐らくまだ見つかっていないか、情報が出回っていないだけで、他にも魔法はあると思われるが。


 相手は詠唱の短い魔法を中心に連発している。まぁ、当然だ。俺は魔法を使用しない戦士タイプだ。そこまで距離がある訳でもないし、長い詠唱をしようものなら、俺は直ぐにその隙を突き、簡単に倒せるだろう。逆にそんな何も考えていない火力馬鹿みたいな楽な相手だったら良かったんだけどな。


 しかし、俺はもう回避を中心に立ち振る舞っている。動体視力も良くなっているので、比較的簡単に躱せる。気をぬくと直ぐにやられそうだけどな。


 躱す!躱す!躱す!躱す!躱す!躱す!躱す!躱す!


 相手は詠唱を止めると俺に斬られるのが分かっているので、MPが無くなっているのが分かっていても、止めることができない。やめられない♪止まらない♪・・・麻薬みたいだな。麻薬、ダメ、絶対。


 あっ、相手の表情が苦しくなってる。MPもうすぐ切れるんじゃないか?結構な数撃っているしな。・・・どうやら完全に切れた様だ。杖を構えている。どうやら鈍器の様に戦うつもりらしい。最期まで諦めない姿は天晴れだ!っていうかこれじゃ俺が悪役みたいだな。・・・勝者だけが正義だ!


 スピードも速くない。近接で戦い慣れていないのがわかる。せめて一発で終わらせてやろう。


 一閃!


 悔しそうな顔をして、魔法使いは消えていった。・・・よっしゃああああああ!勝ったァァァァァァ!






読んでくださりありがとうございます!

ツイッターから来てくださった方々もどうもです。

ツイッターも公爵蜘蛛の名前でやってます!アイコンが軍服着たフランちゃんのやつです!そちらも覗いてくださると嬉しいです。

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