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こ、この声は!

ブックマーク増えてますね。笑いが止まりませんな。(*≧∀≦*)

 少し用事があったので数日空いてしまい、今日は久しぶりのログインだ。え?用事の中身が気になる?ヒントは俺は社会人って事だ。俺だってずっとゲームしていたいが、遊んでいるだけじゃ生活出来ない。世知辛いよな。


 まぁ、当然の義務とも言えなくもないけど。いや、むしろその通りだけど、気持ち的な問題だよな。頑張ったおかげで遊べると考えたら結構頑張れる気もするけどな。みんなも辛い時は楽しい先の事を考えようぜ!・・・それを人は現実逃避とも言う。


 そしてこの現実逃避をしている俺の目の前には俺を待っている人がいる。この言い方なら甘酸っぱい恋っぽいものを想像した人がいたかもしれない。でも、現実はそう甘くない。


 俺の目の前にいるのは、前におばちゃんのお店で絡んでいたチンピラと、その兄貴と思わしき人物である。確実にそうだと思うが。だってまず第一に雰囲気がどちらも下っ端。二つ目にもう俺を襲おうという気を隠してすらいない。見ず知らずの人に恨まれるような事はしていないつもりなので、たぶん合ってるだろう。俺はちょっと街を出て外の世界をぶらぶらする予定だったんだ。何故こうなった。


 あれ?またなんか顔を赤くしたチンピラがいる。ご丁寧に兄貴の方まで。なんでだ?


「テメェまた馬鹿にしやがって!しかも俺だけじゃなく兄貴まで!・・・え?兄貴?」


 兄貴と呼ばれている男がチンピラを差し置いて何か言うつもりのようだ。真っ赤に成って今にも怒りそうなのをギリギリで抑えて。ちなみにさっきまで俺も兄貴と言っていたが、その言い方だと俺もチンピラになったみたいでなんか嫌だと思ったから辞めた。


 ちょっと痩せた感じのチンピラと、ちょっと小太りな感じの男。そうだな・・・ワ◯オとかどうだろうか。駄目か。じゃあ適当にチンピラ2号でいいか。実力差はあるみたいだけど、それでいいだろ。


「・・・だ。分かったか?」


 あ・・・話聞いてなかった。なんかチンピラ2号の方がどうだ!って感じでこっちにドヤ顔してる。聞いてなかったって言い出し辛いなこれ。


「あー、えーと。話聞いてなかった。テヘッ」


 男のテヘッなんて誰得だろうか。もう一度言おう。誰得だろうか。誤魔化すにしてももう少しいい方法が有っただろ、俺。案の定せっかく抑えたイライラが復活したようで、2号の顔が再び真っ赤になった。


「お前、さっきからこっちが下に出てたからって調子に乗りやがって!!良い思いをお前にもさせてやろうと思ってたのによぉ!もういいさ、俺達だけでやってやる」


 ん?良い思い?別に話に乗る気はないが、内容が気になる。


「あ?内容を教えろだぁ?さっきから言ってるじゃねぇか、俺の部下のこいつをコケにしやがったババァのやってる店ってのを叩き潰しに行くんだよ。俺の部下の話じゃあ、お前強いらしいじゃねぇか。俺の部下の邪魔をした事を流してやろうと、俺の下につく事を示してやったのに蹴ったのはお前だぜぇ。しょうがねぇからお前を潰してからあの店に行くとするか。俺は賢いからな。邪魔になりそうな奴を排除してから行くんだ」


「さっすが兄貴!兄貴の頭脳に脱帽だぜ!」


 ・・・おばちゃんの店を潰す?あの気の良いおばちゃんを?自分達の勝手でか。


「きっとあの店の商品も兄貴に使ってもらう方が嬉しいに決まってるぜ」


 何勝手なこと言ってるんだ。こいつら頭おか◯◯だろ、この◯◯野郎ども。・・・ハッ!ちょっと今気が触れていたな。自主規制させてもらった。不快に思った人は、すまない。


 それにしても許せないな。勝手な持論ばかり並びたてて人のことを困らせる。ゲームだから好き勝手にやっていいって考えているのか。この世界で遊んでいるのなら分かるだろうに、この世界にいる所謂NPCと呼ばれる彼らにも自我があり、人のことを思ったり傷ついたりする心があるってことに。


『・・・か?・・・ます・・・聴こえますか?』


 うひゃっ!ビックリした。何の声だ?目の前にいる二人の反応を見る限り俺にしか聴こえていないみたいだが。それにしてもどこかで聴いたことのある可愛い声だな。


『私は今、あなたの脳に直接語り掛けています。私が誰かお分かりですか?返事は声を出されなくても念じるだけで結構です』


 この透き通るような可愛らしい声!丁寧な話し方!分かる、分かるぞ!この声の主は・・・アイリスだな!


『正解です。そんなにいろいろ言われると恥ずかしいですよ、シルバーさん。私はこの世界に来てからも変わらず優しくいられているシルバーさんを見て安心しました。始め、この世界に来る前はおどおどしていた人が、この世界では強気になったり、物腰のよさそうだった人がこの世界の住人に対しては強く当たってしまう人がいたりと、シルバーさんもそうなってしまわないか心配だったんです。勿論全員が全員そうなってしまってるわけじゃないんですけどね』


 なるほど。確かにそういう人もいるかもしれないな。ネット上では強気になれる人とかたまにいるしな。アイリスもそういう心配をしてくれていたようだ。俺は現地の人々に心があることを確認してしまったので、そんな事は命令されてもやらないけどな。


『私はそんな変わらず優しいシルバーさんにお願いしたいことがあって今話しかけているんです。話を聞いてもらえるでしょうか?』


 先ほどまでの楽しそうな雰囲気から一変、話を聞いてもらえるかどうかで、本当に不安そうな声をしている。俺が人の頼みを断るわけないじゃないか。何でも解決してやる!と言えるほど傲慢じゃないが、出来るだけ人に頼られたときは応えたいんだ。やれるだけ頑張らせてもらおう。・・・まだ内容も聞いてないけどな。


『ありがとうございます!それで、私の頼みを聞いて下さるということで、スキルを一つ差し上げます!』


 え?スキル?

チンピラ「あれ?なんかあいつ笑ってますね、兄貴」


2号「頭がおかしくなっちまったんだな。どうする?」


チンピラ達に頭おかしい扱いをされるシルバーってww(わざわざチンピラ視点を作る必要はないと思ったので、ちょっとだけ書きました)

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