さぁ、攻略を始めようではないか
感想返信は最近忙しいので・・・
先ずは宝箱を開けてみないと交渉もへったくれもないので、開けてみることにする。因みにこのゲームでは今の所こういうモンスターハウス以外の罠は見つかっていないようだ。なので開ける際に罠の心配をする必要はない。流石にゲームの中とはいえ罠の解除なんかしたことない人がほとんどだと思われるので、実装されていないのだろう。もしかしたら今後実装される可能性はあるけどな。
最初に見つけたのはローラのパーティなので、宝箱はローラに開けてもらうことになった。ゴマダレ~!という音楽が流れることもなく、普通にカチャッという音とともに宝箱は開いた。中に入っていたのはシンプルだが綺麗な銀の杖だった。宝箱は綺麗なので持って帰れるかな?というケチな考えをしていると、消えてしまった。どうやら俺の考えは運営からすると想定内のことのようだ。そうそううまくはいかないか、仕方ない。
ローラは手に持った杖を持って、俺に質問してきた。
「これ、どうなさいます?出来れば欲しいのですけれど」
そんなことを聞かれたが、俺は魔法を使うわけでもないし、鈍器として使うには恐らくメイスの方が有効だろう。現実世界ならどちらもあまり変わらないが、ここはゲームだ。俺が盾に攻撃力を付けてもらったように、装備にはそれぞれに対応したステータス値が増すようになっている。
恐らくこの杖は魔法に関する値が上がるようになっているだろう。MPとかINTとか。それなら俺には必要ないし、ローラかエミリーに使ってもらった方がいいだろう。因みに回復魔法は存在しているのだが、INTは魔法攻撃力だ。それなら回復量を上げるにはどうすればいいのか疑問に思った人もいるだろう。
正解はMPの使う量を増やすのが正解となる。それだと直ぐにMPが切れてしまいそうなものだが、俺が知らなかっただけだがどうやら割り振りポイントはHPやMPにも割り振ることができるらしい。1ポイントにつきHPは3ポイント、MPは2ポイント増えるらしい。
因みに攻撃魔法も同じ方法で攻撃力を伸ばせるらしいが、回復魔法と比べると上昇量は微々たるものらしいので、殆どその方法を使っている者はいないらしい。
おっと、話がずれてきたけど、言いたいことは俺にはその杖は必要ないということだ。そのことを伝えるとローラは感謝を伝えてきて、杖をエミリーに渡した。
エミリーは「い、いらないですよ~!お嬢様がお使いください!」と遠慮していたが、ローラの「あら、私に恥をかかせるのですの?」という一言で堕ちた。本当は欲しかったようで、受け取った後で嬉しそうな顔をしていた。こっちまで微笑ましくなるような素晴らしい笑顔だった。ロールプレイなのか現実でもそういう関係なのかは分からないが、仲がいいのは伝わってくる。いい主従だな。
よし、一段落したしいよいよ本格的にこのダンジョンを攻略するぜ!一時的にだが仲間も増えたし負ける気がしねぇ。出発だ野郎ども!・・・野郎はこのパーティでは俺と冥途しかいないんだった。
☆☆☆☆☆
俺は40秒で支度しな!と言えばよかったという微妙な後悔をしながら、2階層を4人で進んでいた。相変わらず出てくるのはゴブリンばかりで、時々スライムが出てくるぐらいだが、その程度なら余裕だった。
因みに俺はいつものように戦っていた。俺がパーティに入ったばかりで突然連携が取れるわけでもないからだ。それに俺がいなくてもゴブリン程度なら彼女達は余裕で対処する。よく考えてみると、彼女達は俺が来る前からゴブリン30体ほどを相手に一方的に負けることなくやりあっていたのだ。正直言ってこのゲームばかりやっている、所謂攻略組や廃人、テストプレイヤーにも負けるとも劣らない最強クラスなのではないだろうか。そう考えるとすごい人たちに見えてきた・・・キャラの濃さだけなら十分すごいけどな。
ん?おお、ここにきて新しいモンスターを確認した。ゴブリンと同じ二本足で歩き、鋭い目つきをしている。そして何よりも特徴的なのは身体が毛におおわれているという点だろう。撫でたくなってしまうようなフサフサでフワフワの毛・・・ではなく汚れているのかごわごわとしていて固そうである。ペットにしたいとは到底思えない見た目だ。動物らしく尖った牙が武器なのかと思いきや、手には錆びているナイフを持っている。恐らくあちらが武器だろう。そう、これだけ多くの特徴を持っているのなら、分かる。あれの正体は・・・
「コボルトですわね。ゴブリンより少し強い程度ですわ」
何故だ、何故俺より早く言ってしまうんだ!ちくしょう!そんなバカなことを考えているうちに、冥途がコボルトの攻撃を受け止め、手に持つ斧でコボルトをぶっ飛ばし、ローラが魔法でとどめを刺すという綺麗なコンボで戦いが終わった。エミリーは近接ができず(ドジなので)、攻撃魔法は弱い風魔法ならできるみたいだが、一応覚えておいた程度らしいので俺と一緒に戦いを見学していた。
☆☆☆☆☆
俺達は長い激闘(ゴブリン、スライム、コボルトなどなど)を乗り越え、遂に3階層への階段を見つけた。え?俺は全然戦ってなかったんじゃないかって?ソンナワケナイヨー、チャントタタカッテタサー・・・冗談はともかくちゃんと戦っていたのは事実だ。確かに相手の数が少ないときにはあまり俺は必要じゃなかったかもしれないけどな、MPは有限なので俺が途中からリードしていたのさ。ふっ、働かざるもの食うべからずって言うだろ。頑張ったさ。
よし、降りるか。ボスはいったい何だろうか。楽しみだな。
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