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ログイン・・・可愛い天の声

書きだめしてたとかじゃなくて、さっき書き終えたやつです。ガチで勢いでやってます。それでは、どうぞ。


2019年5月11日少し読みやすくしました。内容に変更はありません

「アナザーワールド」にログインした俺は、キラキラしているのに、目が回ったり、頭が痛くなったりしない不思議な空間にいた。体はフワフワしていて、体験したことはないが、これが無重力というものではないかと思う。辺りを見渡すが、何もない。どうすれば良いかと考えていると、


「アナザーワールドの世界にようこそ!此方では、主にキャラメイキングを行います。質問があれば、どうぞ」


 突然可愛らしい声がこの辺な空間に響いた。その声が言うには、どうやらキャラメイキングを行うらしい。まぁ、質問もしていいらしいので、ちょっと聞いてみよう。


「プレイヤーの名前って、実名じゃなくていいんですよね?」


「はい、自由に考えた名前で構いません。ただし、人を傷つける様な名前はいけませんし、自分が恥ずかしくなる様な名前は付けることをオススメしません。」


「傷つける方は、分かるんですけど、恥ずかしい名前の方は何でですか?」


 実はVRMMOをやるのは初めてなので、ちょっと自分の名前を、厨二チックに仕上げてみようと思っていたのだ。記念的な感じで。


「此方のアナザーワールドだけでなく、VRMMOは全般そうなんですが、他のプレイヤーの名前が、表示される様になっています。ね、嫌でしょう」


 確かにそれは嫌だな。例えば俺が萌え萌え♡みたいなクソな名前をつけた場合、みんなの目には俺の名前が萌え萌え♡ってなってるんだろ。それはマズイ。もう恥ずかしくて遊べなくなるな。


 っていうか、AIが凄すぎる。質問っていっても、カテゴリーの中から選ぶ感じだと思ってたけど、本当に人と話しているかの様な雰囲気だ。ゲームの中には、実際にその中で生きているNPCがいるらしいけど、この感じならかなり期待できそうだ。


 …名前をもう一度練り返すことにしよう。今更だが、俺の名前は山田太郎だ。見本の名前じゃないんだぜ、これ。このままの実名でもいける気がするが、やっぱりかっこ悪い。だからといって、この名前をもじるのも特に思いつかない。ん〜。


「あの、名前が思いつかないのでしたら、先にキャラメイキングの方をしていただいてもいいですよ。」


 おお、ありがたい。しかし、俺は特に容姿をいじる予定はない。精々髪の毛の色を変えようかな?ぐらいのものだ。それでもそうしている間に思いつくかもしれない。そうさせてもらおう。


「お願いします」


「はい、分かりました。それでは目の前に現在の貴方の状態を映しますがよろしいですか?それとも一から作り直しますか?その場合、あまり体格はいじれないのですが...」


 俺の容姿は、よく言えば普通、悪く言えばありふれた見た目だ。あれ?なんかどっちもあまりうれしくないな。兎に角、容姿はいじらない。だって負けた気分になるじゃないか。だから、俺は意地でも見た目はいじらないぞ。髪の毛はあれだ、ちょっとくらい変化がないとつまんないだろ。


「いえ、目の前に映しちゃってください。ドーンとお願いします!」


「はい、了解しました。それではいきますよ。それっ!」


 かわいい声で、これまたかわいい掛け声とともに、俺の姿が目の前に現れた。ここで出てきたのがイケメンだったら映えたのに。……自虐ネタはやめよう。


 う~んどうすればいいんだろうか?操作の仕方が分からない。こういうのはVRMMOに慣れてるやつだったらパパっとやっちゃうんだろうけど、俺は初心者だ。聞くは一瞬の恥、聞かぬは一生の恥という。よし、聞こう。……声を聴きたいというのも多少ある。か、かわいい声なのが悪いんだ。声優さんでもいるのかな?


「せ、声優さんでもいるんですか?」


 ミスったーーー!!!やっちまった。聞きたいことはこれじゃないんだ。声だけなので、顔をうかがうこともできない。こんなこと言って、怒ってなければいいけど。いい人には優しく。悪い奴には厳しく。これが俺のモットー、ポリシーだ。この声の人?はまだ話し始めて少ししか経ってないけど、いい人だ。そんな人を傷つけたとしたら、俺は、俺は…


「いえいえ、私の声は最新の科学を使って作られたものですよ~言わば、ボーカロイドの最先端ですね。あ、ボーカロイドの声は人の声が元でしたか、失礼失礼。」


 あれ?怒ってない……


「お、怒ってないんですか?」


 ?「何を怒ることがあるんですか?」


「今、俺が声優さんって言ったし、侮蔑にも聞こえる言葉だから・・・」


 ボソッ(なんか変な人ですね。思い込みが激しいのかも。悪い人じゃなさそうだけど・・・)


「全然大丈夫ですよ。私が気に障ったように見えます?あ、声だけでしたね。うふふ」


 よかった、大丈夫そうだ。今回は大丈夫だったけど、次からはこういうミスをしないようにしないと。あれ?俺最初何聞こうとしてたんだっけ?……あ、そうだ、操作の仕方だ。


「あの、これどう操作したらいいんですかね?俺初心者だからよくわからなくて」


「あ、そういうことだったんですね。そうですね、まずどこをいじるつもりなんですか?」


「髪の毛の色です。他はこのままでいいかなって」


「それなら先ずは髪の毛の部分をタッチしてみてください」


 なるほど、変えたい部分をタッチすればいいのか。早速やってみよう。タッチしてみると、目の前に(髪形を変える)という項目と、(髪の毛の色を変える)という項目が現れた。俺の場合は(髪の毛の色を変える)の項目をタッチする。


 おお、かなりたくさんの色がある。同じ色の中でも、色の濃淡や明暗がたくさん用意されている。試しに金色を押してみる。まるでスーパーサ〇ヤ人みたいだが、日本人顔のせいで、致命的にあってない。もしかしたら俺だけかもしれないが。しばらく考えた後、俺はある色に決めた。よし、これでいい。


「なるほど、銀色にしましたか。なかなか似合ってますよ」


 そう、俺の髪の毛の色は、銀色に決定した。そして、名前もそれにあやかることにした。


「シルバー。この名前にします」


「はい、分かりました。シルバーで登録します……登録しました。これで、アナザーワールドに行けるようになりました。最後に何か質問はありますか?」


 そうだ、俺には聞いておきたいことがあったんだ。本当なら最初に聞いておくべきだったこと。それは…


「親切にしてくださってありがとうございます。貴方の名前を聞いてもいいですか?」


 ナンパのように聞こえるかもしれないが、これは俺の本心だ。こんな感じに嫌がりもせず優しく教えてくれる人なんて、ほとんどいない。機械だからと言われたらそこまでかもしれないが、そんな親切にしてくれた彼女に俺は名前を聞いておきたかったのだ。もしかしたら、もう会えない可能性だってあるので。


「そうですね……私には、名前という名前はありません。良ければ、シルバーさん。貴方に付けてもらえませんか?」


「え?俺でいいのか?」


「はい、お願いします」


 決めるとなるのなら、一生懸命考えよう。大事なものだ。俺の頭を限界まで働かせよう。……20分ほど考えただろうか。いいのを思いついた。


「貴方の名前は、アイリスです。虹を意味します。どうでしょうか?」


 しばらく、アイリス、アイリスと小さなかみしめる様な声が聞こえてきた。


「ありがとうございます。とてもいい名前で嬉しいです。感謝の気持ちとして、アナザーワールドに入ったら、ステータス確認してみて下さい。ステータスと声に出すと、確認できます。それでは、いってらっしゃい」


「えっ?ちょっ?あっ?」


 何が何だか分からないまま、俺は転移した。











「照れ隠しだってバレちゃったかな?シルバーさん。うふふ」



読んでくださってありがとうございます。

ブックマーク、評価をして下さると嬉しいです。


アイリスはまたいつか出てくると思います。


それではまた今度。

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