メイドは駄メイドで冥途は瀟洒なり
総合PV十万達成しました!本当にありがとうございます!
「助けて下さり感謝いたしますわ」
そう言ってきているのは、俺が先ほど助けに入ったパーティにいたお嬢様である。見た目から話し方までそうで、髪形はなんとツインドリルだ。すごく・・・うねってます・・・
ゴホンゴホン、ふざけるのも大概にしよう。感謝されているのだが、字面だけ見ると偉そうに聞こえるかもしれない。しかし、何故だか分からないが、不愉快には感じないのだ。明らかに年下なのにも関わらずだ。まるでそうあることが当然といったようにすら感じる。なんでだろうか。
取り敢えず感謝に対しては、必殺のこの一撃だ。
「どういたしまして」
ありがとう、どういたしまして、この一言ずつだけで人は幸せな気分になれる。とても良い魔法の言葉だ。人に嬉しいことをしてもらった時、ちょっと意識してありがとうと言ってみると良い。ありがとうと言われて、誇らしげにどういたしましてと言えば良い。それだけで自然と笑顔が出てくると俺は思う。まぁ、俺の自論と言われればそこまでだが。うぐぐ、ちょっと照れくさくなってきた。
話を戻そう。どういたしましてと返事をした俺は、今後どうするかという相談をすることにした。確かに俺は一人でやっていくとは言ったが、助けを求められたりするならば、その限りではない。え?決意が緩すぎる?ええやないか、えやないか。俺の自由である。何物にも俺を縛ることなどできんわ!
「それで、今戦闘を終えたわけですけど、これからどうしますか?帰りますか?」
さて、どうなるか。
「そのことなのですけれど、貴方、わたくしと共にこのダンジョンを攻略しませんこと?報酬は途中で手に入る素材すべてですわ。流石にボスを倒した後の宝に関してはそのときに相談となりますわ」
さて、この話は普通に考えれば悪くない話だ。ここからボスに行くまでに大量とはいかないが、そこそこの魔物と遭遇するはずだ。それを倒して手に入るすべての素材が俺のものとなるのなら、メリットしかない。敢えてデメリットというのなら、最後の手に入る宝が相談によってはどうなるかわからないというところぐらいだが、これはまったくもって普通のことだ。正直に言ってダンジョンに入る理由はレベルを上げるというものを除くのなら、素材が手に入るというものか、ボスを倒したりする事で手に入る宝ぐらいだろう。特に宝はここでしか手に入らないレアなもののはずだ。それまですべて差し出すと言われれば、流石に俺も相手を疑ってしまいそうになる。
それに、先ほども言ったが、助けを求められれば、それに応えたいと思うのが人である。なら、答えは一つ。
「いいですよ。その話、乗らせていただきます」
「あらためて感謝させていただきますわ。それでは、パーティ登録をしましょう」
パーティ登録とは、共に戦う者同士が行う仲間の証のようなものだ。これをしないと、経験値がその中で分配されず、揉めてしまうことになってしまう。それに、ボス部屋にはパーティ登録をしないと一緒に入ることができないらしい。因みにパーティの限界人数は4人だ。RPGあるあるな人数だな。ポ〇モンは6人?匹?だが。
ピロン♪パーティ登録が完了しました。
突然目の前にこの文字が表示されて少しビビった。どうやらちゃんと登録できたらしい。やったぜ。
「お嬢様、話がついたようで何よりです。それではこちらにある宝箱に関してはどうなさいますか?」
今話しかけてきたのは、バケモノ・・・じゃなかった、メイド服をきた冥途さんである。
それぞれの名前はお嬢様の名前がローラ、冥途さんはロバート、メイドさんはエミリーだそうだ。そう、皆さんお嬢様だけに注目していたが、海外の方のようだ。日本語は神級である。本名っぽいな。本当にそうかは聞かないけど。
そうだ、宝箱だ。ローラ(ゲームの中なので普通に呼び捨てでいいといわれた)と話していてすっかり忘れていたが、彼女たちが罠にはまっていたのはその宝箱が原因だった。ゴブリンが大量に襲ってきた騒ぎでローラも忘れていたようだったが、ロバート・・・もう冥途でいいや。心の中だけは冥途でいこう。冥途は意外なことに優秀な様だ。見た目以外は。何度見ても思う。なんでメイド服なんだと。
そしてその逆にエミリーは見た目は完璧なメイドだったが、メイドはメイドでも駄メイドだった様だ。自己紹介では舌を噛み、握手をしようと考えたのか、近づいてきた時には何も無いのに躓き、こちらに倒れかかってきた。しかもそれに慌てて、立ち直ろうとしてこちらを押し倒してしまっていた。顔を真っ赤にして謝っていたが、ローラに聞いてみると、メイドとしてはそこそこ仕事ができるのだが、とんでもないドジで、本人が気をつけていようが何をしていようが兎に角やらかしてしまうらしい。ドジっ娘は初めて見たわ。本当に絵に描いたような、いや小説に書いた様なドジっ娘だな。
つまりアレだな、一見ヤバそうな見た目をしている冥途さんが完璧で、普通のメイドさんはとんでもないドジっ娘。そしてそれを率いているのが、ドリルヘアーの金髪お嬢様という訳か。・・・混沌すぎだろ。
今週の投稿は終わりです。
来週もあまり投稿は多くないと思います。すいません。