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この俺が……雑魚!?

180話目です。ここまで来るなんてね。

「これです。ワタアメキングゴッドエンペラードラゴンのコア。やりましたね!」


 ワタアメキングゴッドエンペラードラゴンが可哀想な程ボコボコにされて消滅した後、残った石のようなものを掲げてアイリスがそう言った。


 綺麗な上に大きなコアだ。これは邪神にもしっかり効きそうですね(適当)。


 ……というかそんなことはどうでもいい。いや、どうでもよくはないんだけどそれよりも聞きたいことがある。


「強くない?アイリス強くない?」


 ちょっとみんな思ったでしょ。明らかに俺が霞む強さだった。アイリスが後方支援しかできないかもしれないから俺が頑張らないと……なんて少しでも考えていた自分が恥ずかしいよ。


 明らかに雑魚は俺だった。俺だけならあのワタアメキングゴッドエンペラードラゴンに勝つことが出来たかといわれるとかなり厳しい。アイテムとか全部使って後は野となれ山となれの気持ちで行けば何とかなるかもしれないが、それは勝利といえないだろう。


「それは勿論、弱くないとみんなを見守ったりすることなんてできませんからね!まだまだシルバーさんには負けませんよ~」


 それはまぁ、確かに。そうなのかもしれないが……なんか釈然としないな。俺ももっと精進しないといけないってことか。


「それじゃあチャチャっと次に行くとしましょう!長引いて取り返しのつかないことになったら大変ですものね!……ピララ、ピラニア、カピバラ♪」


 またこれかー!!と言う間もなくまたワープすることになってしまった。……アイリスが可愛いから許されてるけど、呪文のセンスだけは小一時間は問い詰めたい。



 ☆☆☆☆☆


「サイコッロ――!!!??」

「どっせーーーいい!!!!あちょー!!!」


 膝を抱えて空を見る。美しい空。邪魔をする文明の光はそこになく、ただありのままの姿でそこに存在している。


「サイコロ―――!!!!」

「甘いですよ!!っせい!!!やぁ!!とぉーー!!」


 大地に触れる。大地はいつも俺たちを優しく受け止めてくれる。母なる大地、大いなる大地、ありがとう。


「サイコー――ローーー!!!」

「そこで六を出しますか!?でも、その程度じゃやられません!!えーーーーい!!!」


 ゆっくりと呼吸をしてみる。良い空気だ。呼吸をしたただそれだけなのに透き通るような心地良さを感じる。


「サイコロ……」

「これでトドメです!!」


 ……。


「やりましたよシルバーさん!二つ目の素材ゲットです!!今助けますね!!」


 ……俺とアイリスは、二つ目の素材を手に入れるため、二体目の強敵、ギャンブルサイコーサイコロポンポンと戦いを始めた……のだが、俺はなんとも無様なことに始まって数秒で奴が創り出した結界に囚われ、何も出来なくなってしまったのだ。


 本来は囚われたら何も出来ず、奴にボコボコにされるのだろう。しかし、俺にはとんでもなくめちゃくちゃに頼れる相棒がいたのだ。


 ギャンブルサイコーサイコロポンポンは俺にトドメを刺すより先にアイリスとの真っ向勝負を始め、アイリスもそれに応えた。


 ……つまり、俺はほぼずっと何も出来ずにそれを眺めていたのだ。


 ……あぁ、言いたいことは分かってる。脱出しようとしたのかについてだろ?もちろん俺だって何とか結界を破ろうと頑張った。


 でも全然割れなかったし、それどころかこちらからの声は聴こえないらしく応援すら出来なかった。こっちに声は聞こえているのにだ。


 情けなさ過ぎる。そこからはそうだ、何も出来ないのだから少しぼーっとしていたのさ。


 ……分かったことが一つある。これ、俺まだ推奨レベルに達して無いわ。


 よく良く考えれば邪神と戦うことになったのも一部のプレイヤーが悪さをしたからであって、俺たち自身は本来はまだ戦うはずの強さに達していなかった。(その為魔王ちゃんやアイリスの手助けがあったと後から聞いた)


 つまり、イベントが前倒しに行われたという事になる。そしてこれが、そのイベントの後始末的なイベントだとしたら……。


 俺はとんでもない事に首を突っ込んでしまったことになる。……もしかしたらアイリスがここに居てくれているのはそのカバーなのかもしれない。


 この化け物たちを本来なら自分たちの力だけでやることになっていたのかもしれない……なんてことは考えただけでも恐ろしいが、そうならなかった事に安堵しておこう。


 ……あ、もう次行きますかそうですか。ぶおーん。おれはもっとつよくなるぞー。


ゲームでも良くありますよね、ラスボスを倒したはずなのに、その後の物語でラスボスより強いヤツが大量に出てくる現象。燃える展開ですが当事者からは中々ね

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