雑魚は無視
完結に向けて一気に書いとります。公爵蜘蛛です。
本日で四日連続投稿ですな
「やぁ!せぃ!とぉ!」
「喰らいやがれですぅ!」
「うぉぉぉおおおりゃぁぁぁ!!!」
俺たち三人は突き進む。俺は剣、ルゥは薙刀、エミリーは魔法で雑魚を蹴散らしながら。
蹴散らしながら俺は思う。コイツら、かなり強いなと。……まぁ、魔王ちゃんやアイリスの補助魔法が無かったらの話だが。
補助魔法の関係で完全には把握出来ていないが、魔王の根城に出てくるモンスターよりは強いと思う。
……でも魔王ちゃんは魔王の根城とは別のもっと難易度の高いダンジョンを持ってるって言ってたし、魔王ちゃんの方が強いというのも見栄じゃなさそうだな。本人に言ったら怒りそうだが。
「ガガギギギ!!」
「鳴き声まで邪神をリスペクトなんてご苦労なこった!」
しかし、純粋な物量というのはやはり強い。質で勝てないてしたら二つ目に思いつくのは数で勝つことだからな。
ある程度無視して進んでいるとはいえ、邪神に延々と雑魚を生み出され続けられるのはかなり厄介だ。街の方はどうなっているのか気になるな。心配だしちょっと覗いてみようかな……?
「オーホッホッホッホ!!爽快で楽しいですわ!!もっと来なさい!もっと来なさい!わたくしが炎で焼き尽くして差し上げますわ〜!!」
杞憂だったか。多分……というかほとんど確信を持ってはいるが、ローラのあんなに元気な声が聞こえて来たんだ。覗かなくても大丈夫そうだな。
……っと!
「街の方は大丈夫そうだから安心して戦えるぜアターック!!」
「ガガガ!?」
また一匹、つまらぬ物を斬ってしまった……。
「シルバーさん!もう誰か邪神と戦ってるみたいです!」
ルゥの声に引き戻されたが、どうやら俺たちよりも速く邪神のところに辿り着いた先駆隊が居たようだ。もしかしたら待機位置が俺たちより近かったのかもな。
一番に辿り着いてヒーローになりたかった。そんな思いが無いと言えば嘘になってしまうが、でもこれは考えようによってはラッキーだ。
何故なら邪神の行動パターンを見ることが出来るからだ。その場に居て、直接戦ってこそ分かることというのは勿論あると思うが、外から冷静に見ることが出来るのは中々良い。
……おぉ!?
「う、腕が伸びましたぁ!?」
エミリーも思わず驚愕。俺もびっくりだ。なんと邪神の腕が伸びたのだ。びよーん!とまるでゴムの如く。
「「「うわぁぁぁぁぁぁ!!!?」」」
先駆隊がその腕に薙ぎ払われて消えていった。邪神の攻撃が余りにも予想外だったのでまともにガードが出来なかったのが原因だろうが、それでも一撃で倒すとはな。
邪神がかなりの攻撃力を持っているのは間違いないだろう。俺だったらガードして、それでもギリギリって所だろうか。出来れば受け止めたくないな。
でも、この情報を得られたのはデカいな。邪神に複数の腕や足があるのはこの攻撃をする為なのかもしれない。
伸ばして攻撃してくるのはさっきの腕一本だけではなく、全ての腕がそうしてくるものだと思っておくことにしよう。
『ゲゲゲゲゲ!!!ゲゴゴゴゴゴ!!!』
おっと、どうやら邪神は次の獲物を俺たちに決めたようだ。こちらを見据えて吠えやがった。
だがそれで逃げたり戦意を失うようなら、俺たちはそもそもこんな所まで来ていない。
街を、そして世界を滅ぼす?そんなことはさせない。させてまるかってんだ。逆に俺が叩き潰してやる。
キリが良いところで終わらせようとすると短くなってしまいます…