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TASは無理でもRTAなら・・・

今回投稿が遅かったですが、今週と来週は投稿の数がとても少なくなりそうです。取り敢えず今週は出来て後一回ぐらいです。すいません。

 TASとは、ツール アシステッド スピードランの略称である。エミュレーターという機能を使い、乱数調整やスローにする事でゲームの最速を目指すというものである。TASさんと呼ばせてもらうが、TASさんが行うプレイ動画は理論上は可能という、普通に行うには不可能と言ってもいいだろう。ゲームキャラが正しく人外という動きをし、時にバグでさえも利用するという速さへの貪欲さだ。さすがの俺もそんな動きができるかといえば、即答で無理だと答える。


 なら、RTAはどうだろうか?RTAはリアル タイム アタックの略称である。こちらはTASとは違い、実際に人が実機でプレイしているものだ。乱数調整も出来ず、スローにすることもできないので、完全にプレイヤースキルによるものである。それでも一般人からするととんでもないことになっているのだが。そして今の俺なら、まぁ正確にはこのゲームではRTAとはいえないのかもしれないが、それらしい動きができるのではないかと睨んでいる。というわけで行くぜ!俺的スピードラン!


 先ずは初心者用ダンジョンに挑戦しようとしている俺の状況をお伝えしよう。俺は先程ティアさんによって強化されて帰ってきた盾を手に入れたが、そのせいでお金がない。ポーションを一個買えるだけの金があったので、それは買ったが、それのせいで無一文なのだ。つまり今回のダンジョンアタックでは攻撃を受けないというのが必要条件だ。


 攻撃を受けずに相手と戦い、しかもソロだ。なかなか厳しいものになるだろうが、俺は逆に燃えていた。やっぱりゲームって楽しいな。童心に返るって言うか、なんと言うか気持ちも若々しくなってる気がする。別に現実でもそんなに歳をとってるわけじゃないけどな。



 ☆☆☆☆☆


 よし、入り口に到着したぞ。相変わらず人がそこそこいるな。いや、ちょっと減ってるかな?俺みたいにソロでいるやつは見た感じゼロだ。なんか周りからの視線が痛いな。おい、そこ!今ボッチって小声で言ったの聞こえてるからな!結構そういう言葉って傷つく人多いから気をつけろよな。ま、俺はそんなんじゃ傷付かないけどな。平気そうに見える人ほど意外と大丈夫じゃなかったりするからな、対応は間違えないようにしないといけないぞ。みんなも気をつけろよ。


 中に入る。相変わらず不思議な力で眩しくなく、暗くない程度に明るい。LEDかな?というくらい目に優しそうだ。ま、まあ前も来たから知ってるんだけどな。取り敢えずは奥に進むか。


 このダンジョンは初心者用という事もあって3階しか無いらしく、しかも3階層目はボス部屋オンリーらしい。つまり実質2階層しかない。一階層にいるのはご存知ホーンラビットとスライムだ。よし、出発!


 俺がまあまあなスピードで駆けていると(このゲームでは肉体的な疲れはあまり感じないようになっている、痛みは軽度だが感じる)スライムがあらわれた。俺はもう慌てることはない。スライムの体当たりを受け流し、アタックモードにして、殴る!地面に叩きつけて隙ができたところを剣で斬る!スライムは粒子になって消えた。確認はしていないがおそらくストレージにアイテムが一つ増えたことだろう。


 一回層に現れるホーンラビットとスライムは動くスピードこそ違うが、動きはよく似たものだ。だからこそ対処は余裕だ。貴様の動きは見切った!という奴だな。金ヅルならぬ経験値ツルといったところかもしれないな。素材を売れば金にもなるので、あながち金ヅルでも間違ってないのかもしれないが。


 走る、見つける、斬る!走る、また見つける、殴る!斬る!キル!殴る!キル!・・・



 ☆☆☆☆☆



 流石に同じような戦闘を繰り返しているのを見せてもつまらないだろうし、カットだ!


 俺は無事ニ階層への階段にたどり着いた。ノーダメだぜ!レベルが上がったのもあるけど、やっぱり盾が強化されたのがでかいな。それはそうと、階段の見た目は古そうな石でできた階段だ。いかにもって雰囲気のあるいい階段だ。歩いてみるとカツカツっと良い音がする。おっと、油断はいけないな。ゲームだからこういう階段のところは安全かもしれないと思っていたけど、襲われないなんて誰も言ってなかったしな。


 ・・・結局何も襲ってこなかった。残念がってないからな!俺は戦闘狂じゃないからな。



 辺りを見渡してみる。あんまり見た目は一回層に変わりない気がする。


 今の俺の状況はここまで来るのにノーダメだった事でポーションの使用こそ抑えられているが、元々の数が一個しか無いので、状況の悪さはあまり変わっていない。普通ならここで引き返すのが正解なんだろう。でも、なぜだろうか、俺はこの不利な状況でも先に進みたくて仕方ない。社会に抑圧されがちな現代世界から一時的に解放されているこのゲームの中では、死ぬというのは現実世界とは意味も重みも違う。だからこそ踏み出せるこの一歩。死ぬまで抵抗(チャレンジ)させてもらおう!







 ・・・死なないのが一番だけどな。




読んでくださりありがとうございます!


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