表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
161/187

師匠が人間か疑わしい

どうも。私は元気です。

分かる人には伝わると思いますが、箱イベなるものをやってました

 目を開けると、そこは見知らぬ天井だった。いや、嘘だ。恐らく今までと同じ魔王の根城の中だろう。


 ただ、今まで来たことが無い所なのは間違いない。……というかこれで入り口とかに飛ばされていたら酷すぎる。


 っと、隣を見てみるとそこには師匠がいた。先程俺の偽物が出てきたんだ。一応本物かどうかは確認しておこう。……雰囲気的に本物だと思うけどな。


「本物の師匠……ですよね?」


「うむ、儂は本物である。」


 いやちょっと偽物っぽい発言をしないでいただきたい。ほんと、師匠のステータスをそのまま持った敵とかヤバ過ぎて笑えないから頼むぞ……。


 そうだ、偽物をどうやって倒したのか聞いてみよう。それによって本物かどうか分かるはずだ。


「師匠の方にも自分の偽物が出ませんでしたか?」


 俺がそう尋ねると、師匠は頷いた。やはり自分の偽物と戦うのが先ほどの部屋のコンセプトだったらしいな。割とよくある展開だったが、いざ自分で体験するとそのしんどさを味わうことになった。


 自分の偽物を、師匠はどうやって倒したのだろうか。自分と同じ戦い方。そして自分よりも強いステータス。正直言って俺みたいにふざけた方法でなければ倒せる気がしない。どのようにやったのか。目の前にいる師匠が本物かどうか見極める目的以外でも大変気になる。


「師匠はどうやって自分の偽物を倒したんですか?」


 さて、返答は如何に。もし目の前にいる師匠が偽物なら……俺の必殺技(仮)が火を噴くことになるが。


「うむ、奴は儂よりも強靭な体をしておった。そして同じような戦い方をしてきおった。……しかし、言ってみればそれだけだ」


 え……それだけ?師匠の言う『それだけ』に俺、滅茶苦茶苦しめられたんだけど!?


「そもそもモンスターとは儂らのような人間なんぞよりステータスの高いものも多い……と言うよりほとんどがそうだ」


 それはまぁ、その通りと言えばその通りなんだけども……。なんか納得いかない、というより師匠がそれ言って良いの?感が半端ないな。


 だって師匠一人と命をかけた戦いをするぐらいなら、俺ならモンスターの群れに突っ込むもんな。それぐらい強い。実はプレイヤーとか言う展開無いよね?


「しかし儂ら人間は数々のモンスターを屠ってきている。それはなぜか。それは儂らが奴らを狩る際に様々な手法を用いているからだ」


 ちょっと授業的な雰囲気になってきたが、確かにその通りだ。俺だってモンスターを倒す際はいろいろ創意工夫が必要だしな。


 だが!今回に関してはどのようにやったのか、それが分からない。俺にも思いつかないようなとんでもない方法で倒したのだろうか?


「だが、そう、シルバーよ。お主の言うように儂の偽物には中々作戦が通用せんかった」


 うんうん。


「だから儂は、読んだ」


 うんう……ん?


「奴が儂の体、それも少しステータスが高い身体を使い、似たような戦い方をしてくるのなら、先を読めばいいと考えたのだ」


 ちょっと何言ってるか分かりません。


「しかし先ほども言ったが奴が使っているのは儂の体。当然先読みしてくることを先読みしてそう行動してくる」


 え?は?う?ぬ?ほへぇ?


「だから儂は先読みの先読みの先読みをしたのだ。そうすれば攻撃が当たるのは必至。ステータスで上回れようと勝つのは造作もないことだ」


 ??????


「しかしアレはなかなか良い鍛錬になった。今度から通ってもいいかもしれんな」


 師匠、本当に人間ですか?言ってることが異次元過ぎて、人間かどうか疑わしいんだが。


 というか運営さん、師匠のバランス調整間違ってませんか?最後に倒すべきラスボスがいるとしても、師匠が一人でボコボコにしちゃう未来が見えるんですが。


「まぁ良い。そんなことより、早く先に進むとしよう」


「あ、はい」


 拝啓、皆様。師匠がいる限り、どこに行っても問題なく勝てるような気がしてきました。

ブクマや評価をくださると嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ