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これが最強の戦い方……?

書いてる途中で頭が少しおかしくなりました。

 めちゃくちゃ情けないが、このままでは偽物に……負ける。


 戦い方は同じ。しかし俺の偽物にステータス面で敗北している。字で書き並べたら分かりやすいが、正直言って勝てる要素が無い。


 ここは大人しくやられて退散し、一度どうやって勝つか考えるべきか……?いやしかし、でも……。


 ギリギリで剣を防ぎつつ、思考を加速させる。防ぐだけなら何とかって所か。戦い方が同じなのが防御的な意味ではありがたい。


 もし仮に魔王ちゃんが俺の様子を見ているとしたら、きっとにやにやしている事だろう。誰が見たってドツボに嵌ってるからな。


 ……だが、少し待て。諦めるにはまだ早いか?

 このダンジョンは確かにクリアさせる気がないと言われる程の、俗に言うクソダンジョンだが、今までだってクリア出来ないものは用意されてなかった。


 というかなんで諦めそうになってんだよ。俺ってそういうタイプじゃないだろ。

 どちらかと言えば……そう、見映えはしないけどジメジメでねっとりとしたしつこい攻略をしていく方だろ!……なんか言ってて悲しくなってくるな。人に見られたらと思うと少し恥ずかしい。


 ……よし、シルバー、エネルギーをチャージしましたであります!!


 師匠なら自分よりちょっと強いだけの自分の偽物なんて簡単に倒してしまっていることだろう。だったらその師匠に戦い方を教わった俺が負けちゃいけないよなぁ!!


 というわけで俺もちゃっちゃと片付けて師匠と合流するとしますか!よし、勝つために相手をより分析するとしよう!俺らしくな!


 ……まず相手の取る行動についてだが、これは俺に準じている。そこまでは確定と見て間違いないだろう。最初は攻撃を仕掛けてこなかったのに、俺が話しかけたら攻撃をして来たのは、俺が近づいてきたのを攻撃とみなしたからに違いない。


 問題は事前にインプットした情報だけで戦っているのか、それとも今現在もこちらの行動を見て学習しているのかどうかだが……。


 しかしここから先はあまりにも情報が少ない。考えてみても応えは見つからない。そして受け身のままじりじりと剣を合わせ続けていてもこのままだとジリ貧だ。ならば……。


 後ろに下がってサイドステップ!そのまま後転して再度サイドステップ!(激うまギャグ)


「俺はシルバーだよろしく……?」


 ……お、なんだか少し困惑しているような気がするぞ!たぶん!これは効いているとみていいんじゃないのか?


 戦闘用AIと学習用のAIが優秀過ぎて、逆に俺の非効率でまったく意味の無いサイドステップのせいで、最適解が導き出せずに混乱しているのか。こ、これは行けるぞ!!


 この瞬間から知らない人が見たらとんでもなく頭がおかしく見えるかもしれない。でも……これで終わってもいい。だから、ありったけを……行くぜ!!


「……俺はシルバーだよろしく」


 困惑気味で最初ほどの勢いが感じられない偽物の攻撃を華麗に(自己申告)躱し、もう一度サイドステップ……からの右腕を上に挙げて決めポーズ!!


「いぇあ!!」


 決まった。完全に決まった。


「……」


 よしよしよし、完全に困惑している。動きが止まった。トドメの……押し込みダンスだ!!


 フォウ!イェイ!アチョー!フレイムザブトン!チェイ!!


「……???」


 回転して……回転して……スキップしてスキップして……自然な感じで近づいて。ステップ踏んで、前転して、再び回転してジャンプして……。


 もっと近づく……と見せ掛けて後ろにジャンプして回転しながら側転、ロンダートから……!!くたばれ偽物不意打ちアターック!!


 俺がふざけに巫山戯まくった後に放った一撃は、意味不明な行動のせいで完全に思考を停止してしまった偽物の脳天に直撃した!


 俺の攻撃力に対して俺の防御力。耐えられる道理は無い。俺の偽物は……地に伏した。つまり……。


「俺の勝利だ!!……って、眩し!?」


 俺が勝利に余韻に浸る間もなく、部屋が光に包まれた。

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