おはようございます
四日連続更新を経て私は世界の覇者となりました
「クックック、目覚めの時間じゃぞ?どうじゃどうじゃ?驚いたであろう?悔しいじゃろう?意気込んで挑んで一瞬で負けたのじゃから」
「…ん~むにゃむにゃ。あと五分……いや、あと十分。……いやいやいや、あと一時間だけ眠らせて」
「ほう、妾の前で狸寝入りとは良い度胸じゃのう。妾を放置してする狸寝入りはさぞや心地良いじゃろうなぁ」
「すやすや~」
「ほう、まだ起きぬか。中々の覚悟と見た。よし、いいじゃろう。妾との耐久戦がお望みなのじゃな?」
「zzz」
「ゼットゼットゼットと言いながら眠るやつがおるか!」
「あ、おはようございます魔王ちゃん」
流石にそろそろ怒られそうなので起きることにする。仏の顔は三度までと言うが、魔王ちゃんの顔は何度目まで許されるか分からないからな。
…にしても手酷くやられてしまったな。俺はこのゲームの中でもそこそこ強い自信はあったんだけど、その自信を嘲笑うかの如く一瞬でやられてしまった。難易度が高いとは事前に聞いていた訳だけど、まさかここまでとは思っていなかった。
「ふむ、起きたかシルバーよ」
こ、この声は師匠!!流石の師匠といえどもやられてしまったのか。
「うむ、やられてしまった。儂もまだまだだと実感させられたな。しかしこれが復活か。良いモノではないが、あまり経験できることでもあるまい、良い経験なったと思っておこう」
師匠は前向きだなぁ。この直向さが若々しく居られて、しかも実力が高い理由なのかもしれない。見習っておかないとな。そうだ、これを聞いてみよう。
「師匠、俺がやられてしまった原因が何かわかりますか?」
これが分からないと次も対応できるか怪しい。逆に言えば、これさえ分かれば対処することはあまり難しいことではない……はず。少なくとも今の未熟な俺でも一矢報いられるはず。
「うむ、あれはサルであった」
サル?それってあれだよな。「うっきー!!」って鳴くバナナ大好きってイメージのある動物だよな。……本当にどうでもいいことだけど、歌でよく聞くアイアイは滅茶苦茶怖いの知ってるか?目がでっかいこと限りなしなんだ。知らない人は検索してみるといいかもな。閲覧注意だけど。
「ばなな?が好きかどうかは分からぬが、あれはサルであった。俊敏な動きで後手に回り、シルバーがやられてしまったのは確実に儂のミスであった。すまなかったな」
いやいや、俺がやられたのは師匠のミスではないだろ。……それにしてもサルかぁ。確かに動きが素早いイメージがあるよな。後はずる賢いイメージも。不意打ちしてきたのはその辺の……ん?アレ?言い方的に師匠ってもしかしてサルにやられてない?
「うむ、儂がやられてしまったのはその後のことである」
マジか。アレを一人で突破するのやばすぎるだろ。というかその後の師匠を倒した奴が居るの怖すぎる。実はそいつがこのダンジョンのボスだったなんてオチ無いですか?……ないですよね。
「む、あのサル共を初見で突破するとはなかなかやるではないか。それを出来る者はそうはおらんぞ。妾も見直さざるを得ないな。……こっちの狸寝入り男はダメだったようじゃがな」
うっきー!!……じゃなかった、むっきー!!魔王ちゃんが言葉の後ろに(笑)でも付いていそうな喋り方をしやがる。……が、事実なので言い返せない。ちくしょうめぇ!!
…こうなったら!
「師匠!もう一回挑戦しましょう!次こそは頑張りますので!」
もう一度挑戦するしかないよなぁ!!負けっぱなしじゃ終われない。もう一回、もう一回だ!!……なんかギャンブル依存症みたいな雰囲気だけど違うからな。
「うむ、儂もそう考えていた。もう一度挑むとしよう」
よっし、師匠も乗り気だ。
「クックック、意見は固まったようじゃな。それでは行くがよい。妾は何度でも待っておるからの」
うおおおおおおおお!!魔王ちゃんに笑われてばかりじゃいけねぇ!俺は行くぞ!!俺は勝つぞ!!
世界の覇者となった私に出来ればブクマと評価を恵んでくださいお願いします