魔王ちゃん
どうも。二日連続更新は偉すぎてエラが生えてきたわね
「よくぞここまでやって来た!この魔王の根城に挑みし愚かな挑戦者よ!!だがしかし!妾はそんな愚かなお前たちを歓迎しようではないか!!」
やぁ、俺、シルバー。今、魔王の根城にいるの。……メリーさん風に喋っても違和感しかないな。
とまぁ、そんなどうでもいい事は放っておいて、今の状況を簡単に説明しておこう。
鍛冶屋で新装備ゲットだぜ!→師匠と合流いぇーい!!→魔王の根城に突入だ!武器を捨てろ(適当)→魔王?に遭遇(今ココ)
中に入ったら、突然幼女が俺と師匠に話し掛けて来たんだ。ルゥも幼く見える方だが、魔王はその上を行くキングオブ幼女だな。
仮に二人が仲良く並んでいたとして、俺がそこに近づこうものなら、イエスロリータノータッチなロリコンに殺られちゃいそうだし、警察には御用されてしまいそうだ。
…ここまで色々考えていたが、よくよく考えてみたら魔王じゃない可能性もあるか?ほぼほぼ魔王で確定だとは思うが、こんなに序盤から出てくるのは変じゃないか?
雰囲気とか喋り方とか、その辺をそれっぽくしただけの幼女……では流石にないと思うが、ちょっと聞いてみよう。疑問に思ったら聞く!!聞くは一瞬の恥、聞かぬは一生の恥だからな。
「あの、もしかして魔王様ですか?」
ゲームとか異世界の幼女は強い。俺はそれを義務教育で習ったから、一応相手を敬う姿勢で話しかける。
「ふむ、それは儂も気になっておった。噂や伝承で伝え聞く魔王の風貌であるようだが、お主からはそこまでの力を感じぬ。何者であるか?」
え、師匠が言うなら間違いないんだろうけど、魔王の見た目ってガチで幼女なのか。というか力を感じないってどういう事だ?見た目だけ似せた偽物?でもそんなの魔王の根城に居たら潰されそうなものだけど。
「おお、説明する前に気付くとは中々やるのぅ、そこのダンディーな男。その通り、妾は魔王本人では無い」
わお、マジか。師匠の観察眼ヤバ過ぎるだろ。俺は純粋に魔王かどうか疑ってただけなのに、師匠は力の有無なんてところに注視していたとは。スカ○ター標準装備ですか?
というか俺もそこのダンディーな男とか言われてみてぇなぁ!!渋くて落ち着いた声で「何者であるか?」とか言えば認められるのか?……無理だけど。俺にそんな落ち着きは無い。
「この身体はお前たちの様なこのダンジョンの挑戦者を案内するために創られた分身。戦闘能力などの余分な部分は削ってある。故にその眼には弱く見えたのであろうな。じゃが妾の言葉は本物の魔王と同じであると捉えよ」
ほー、なるほど。分身なのか。人格的な意味ではこの分身と本体に大した違いはないんだろうな。……今更ながら一つ一つの所作に気品があるような気がしてきた。本当に今更だし、たぶん気分的なモノだろうけど。
「そして妾のことは魔王様……などというお高く纏まった呼び方ではなく、気軽に魔王ちゃんと呼ぶがよいぞ」
おお、可愛い……じゃないや、めちゃんこカワユス……みたいなキモい言い方でもない。親近感が出てくる呼び名だな。
…ここまで魔王ちゃんと話しててちょっと思ったんだが、魔王ちゃんって全然悪い感じがしないな。こう、なんて言うんだ?普通に考えたら魔王って悪い奴だよな?魔の王って書くぐらいだし。
でも話しててそんな雰囲気はゼロだ。本当に根っからの良い奴なのかそれとも…?
「このままここで話し続けても仕方あるまい。これからこのダンジョンについて説明をするからそれを聞いたらダンジョンに挑戦するがよいぞ。まぁ、攻略で出来るかどうかは別であるがな。クックック」
まぁいいや。考えても分からないことを考え続けても仕方ない。魔王ちゃんの説明を聞いて、師匠と一緒にドキドキのダンジョンアタックをするとしよう。
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