挑戦の前に
お久しぶりです。忙しかったりやりたい事があったりで更新が遅れました。
ハイ、皆さんどうもシルバーです。今日はみんなもご存じの通り師匠と一緒に魔王の根城に行こうと思うんだが、師匠と合流するその前に行きたいところがあるんだ。
と言っても俺の交友関係はあんまり広くない。……おいそこ!笑うんじゃない!!俺は居心地の良いメンバーと居られればそれでいいんだからな。決して負い目とかは感じていないぞ。
…話を戻すが、俺が寄るようなところなんてそもそもほとんど無いので予想がついている人もいるかもしれないな。
俺が寄るところ、それはティアの鍛冶屋だ。俺はこのゲームを始めたばかりの最初期の頃からここに通い詰めていた。今までも様々な装備や道具を作ってもらってきたし、みんなの知らないようなところでも時々装備をアップデートしてきた。俺はティアの鍛冶屋こそが最高の鍛冶屋だと自信を持って言えるぜ。
そんな事を話していたら、イイ感じのタイミングでティアの鍛冶屋に到着したな。よし、さっそく中に入っていくとするか……って、ん?
「がーっはっはっは!よく来やがったなシルバー!!もしかしなくてもティアに会いに来たんだろ?わかるわかる、ティアはかわいいもんな!だがな、シルバー。俺だって一人の娘の父親なんだ。言いたいことは分かるよな?そうだ!娘が欲しくば私を……!?ぐわーーーー!!!!」
俺が店に入ろうとすると、店の中から見知らぬおっちゃんが出てきた。……冗談だよ、冗談。彼は元気なおっちゃんでティアの父親だ。
「もう!お父さん!!シルバーさんに変なこと言わないでよ!」
おっちゃんが俺にマシンガントークをぶっぱなしてきていた訳だが、そんな奮闘も虚しく、おっちゃんは背後から現れたティアの無情な一撃により地に伏した。決まり手は張り手だったな。良い一撃だった。世界を取れそうな美しさも感じたぞ。
それはそうと少し照れてるティアは可愛いな。ここだけはおっちゃんの言っていることにも共感できる。キモがられたりしたら嫌だから直接は言わないけど。
「がーっはっはっは!!すまんすまん。でもな?世界一ティアを愛しているお父さんとしてもティアのことを思ってだな…」
張り手のダメージをまるでなかったことの様にして復活し、そして起き上がったおっちゃんが明るく元気にティアに話しかける。……ティアの次の言葉を聞くまでは。
「お父さん、キモいよ…」
ガチーン!!ガーン!!そんな擬音が聞こえてきてもおかしくないといった様子で、おっちゃんがまるでバジリスクにでも睨まれたかのように石化した……じゃなかった、固まってしまった。
にしてもとんでもないインパクトの言葉を言われてしまったな。俺が仮に娘を持っていたとして、こんな言葉を言われようモノなら、その場で命を絶ってしまうかもしれないな。
…娘居ないけど。それどころか彼女とか妻もいないけど。完全独身独り身ハッピ-男だけど。……やっぱり消えようかな。
とまぁ、冗談はさておき。おっちゃん大丈夫だろうか。心の傷は深いように見えるが。
「シルバーさん、お父さんがごめんなさい。お父さん、結構シルバーさんの事が気に入ってるみたいで、ああやって絡んじゃうの」
ティアがおっちゃんを置いておいて俺に話し掛けてくる。苦笑いしているので本気で怒っていた訳では無いと思うが、出来ればアフターサービスをしっかりしてあげて欲しいな。
「あ、さっきの言葉ですか?アレは近所のおばちゃんにああ言えば大人しくなるって言われたから言ってみたんですけど……ちょっと効きすぎちゃったみたいだから後で励ましておくね。気遣ってくれてありがとう。先に中に入っておいて下さい」
ああ、それなら良かった良かった。俺が来たせいで親子の仲が悪くなったら流石に後味が悪いからな。
ティアもおっちゃんと仲直り?してくれるみたいだし、ティアのパワーでおっちゃんならすぐに復活することだろう。
俺が居たら邪魔になるかもしれないから、遠慮なく鍛冶屋に入るとしよう。ここに来たのだって一応目的がある訳だからな。ティアが戻ってきたらそれをこなすとしよう。
30万字突破しました(たぶん)
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