さぁ、行くぞ最下層へ!!
どうも!!
「良くやったな、シルバーよ。成長が感じられて儂も自分の事のように嬉しい。そして……その、なんだ、すまなかったな。年甲斐もなくはしゃいでしまい、思ったよりも強く投げてしまった」
勝利を噛み締めていた俺に、師匠が嬉しそうに、だけどどこか申し訳なさそうに話しかけて来た。
師匠も嬉しそうで俺も嬉しい。巨大ゴーレムを倒せた喜びと併せて、嬉しさ万倍だ。
そして申し訳なさそうにしてるのは、師匠が言っている通り、俺を強く投げ過ぎたことについてだな。俺としては、素直に勝利したことを喜んでくれたらそれで良いんだけどな。
確かに想像以上のスピードで投げられたから、ビックリしたのは間違いないが、それがどうしたというんだ。俺はこの通り無事なのだからそれで良いじゃないかと。
そのような内容の旨を伝えると、師匠は一瞬キョトンとした顔になったが、その後、朗らかに笑った。
「シルバーの様な若者にまで気を使わせてしまうとは、儂もまだまだだな……よし!」
パチンパチン!!
師匠は自らの頬を二回叩き、俺の方に向き直りこう言った。
「それでは、これより最下層に向かうとしよう。なに、お主の実力なら楽勝である。それでは行くぞ!」
おー!!
☆☆☆☆☆
ということでやってきました、最下層。正直に言ってさっきのゴーレムが滅茶苦茶ラスボスみたいな強さと見た目だったと思うんだが、アイツ以上にこのダンジョンのラスボスにふさわしい奴がいるのだろうか?
…お、最下層に下りてからしばらく歩いていたら、前にも見たことがあるような扉が見えてきたな。あれはダンジョンのボスがいる部屋へと通じる扉だ。
…そうだ、この扉とかの仕組みを忘れてしまった人がいるかもしれないから説明をさせてもらうとしよう。……べ、別にただおしゃべりがしたかったわけじゃないんだからね!勘違いしないでよね!
この扉はどのダンジョンにあるもので(今のところないダンジョンを見たことがないだけだが)、中に入ると閉じ込められる。その扉の中から脱出するには、ズバリ、ボスを倒すか、こちらが全滅するかの二択である。
扉を壊して脱出とかは出来ないらしいので、まさにダンジョンボスとの生死を掛けた争いになるわけだな。
ちなみにボスはこちらが部屋に入りきって扉が閉まってから出現するので、扉の外から魔法とかでボコボコにするといったズルは出来ないようになっているんだ。
流石運営。その辺りのズル対策はばっちりだな。
ゴゴゴゴゴゴゴ…!!
師匠とともに扉の前に立つと、中々威圧されそうな音を立てながら扉が開いた。
中はまたまた広そうだ。見た感じ、巨大ゴーレムが居た所と同じくらいだな。…まさかとは思うが、もう一回巨大ゴーレムが現れたりしないよな。
流石にダンジョンの魅せ場とも言えるボスを、道中の敵と同じにはしないだろう……あの質量を大量展開されていたら、ひっくり返るくらいのとんでもないインパクトにはなりそうだが。
ゴゴゴコゴゴゴ…!!
俺と師匠が部屋の中に入ると、もうここからは逃さないぜ!……とばかりに勢い良く閉まった。開いた時と音は一緒じゃ無かったかって?……こういうのは気分が大事なんだよ。
…扉が閉まったということは、ボスが出てくるということだ。どんなボスが出てきてもいいように、身構えておくとしよう。
俺の視線の先に、いつか見たような黒いモヤモヤが現れ、部屋の中央に集まり、収縮していく。それは徐々にヒトの形を取っていき……ソイツは現れた。
「おやおや、どうも。我が研究ラボへようこそ。私は二人を歓迎するよ……被験者としてだがな」
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