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VS巨大ゴーレム

どうも、ゴールデンウィークらしくないゴールデンウィークですが、是非僕の小説でも読んで暇をつぶしてください

 とっても……硬くて大きいです。



 あ、巨大ゴーレムのことね。今まで俺は(だいたい)一撃で倒して来たが、ここに来て滅茶苦茶硬いくて大きなゴーレムが現れたんだ。


 攻撃は通るには通っているが、正直言って致命傷にはなっていない。


 …だが、どこかの伝説にあるような、ゴーレムの頭にある文字を一つ消して死を意味する言葉に変えると言った弱点があるようには見えない。


 恐らく、弱点とかは関係無く純粋に強いタイプのモンスターだ。だったら戦い方は一つ。バカ正直に斬り続けるしかない。


 …俺の頭がもっと回るのなら何かしら思いつくのかもしれないが、そんなに賢くないのだから仕方ない。愚直に頑張ろう。


 そうしてもう一度剣で斬ろうとした俺だったが、ゴーレムもそんなに馬鹿では無い。ダメージをこれ以上受けないようにする為に足を上げ、俺を踏み潰そうと勢い良く振り落とそうとして来た。


 このままでは危ないので、俺がこの場を離れようとしたその時、師匠の声が俺の耳に届いた。


「シルバー!!そのまま攻撃を続けよ!!」


 具体的に何をするのかという大事なところが何も示されていない言葉足らずな師匠な声だ。……だが、信じられる。師匠がそう言うのなら信じるしかないよな!



 なので俺は回避することをやめ、攻撃を続けることにした。


 …傍から見ればとんでもなく間抜けな絵面だっただろう。誰がどう見ても攻撃することに夢中になってしまい、相手から攻撃されそうなことに気づいていないおバカにしか見えないからな。


 だが、これが正解の筈だ。そう信じて攻撃し続ける…!


「見事!シルバーよ!!よくぞ儂の言葉を信じてくれた!!その勇ましき心に儂も応えようではないか!」


 師匠がそう言った瞬間、師匠の姿が消え失せた……と思ったら、今度は俺の真横に現れた。


 …さっきも言ったところだが、俺は今踏みつけられそうになっているところだ。常人なら近づこうとは到底思えないだろう。……というかなんだよ、俺もかなり強くなったはずなのに、まったく目で追えなかったぞ。速過ぎるだろ。


「はぁぁぁぁぁぁぁああああ!!!」


 師匠の力強い声が聞こえたかと思うと、師匠は自身の持つ盾を巨大ゴーレムの振り下ろしている途中の足に向かって構え、そのまま突撃した!!


 片や師匠の大きいとはとても言えない盾。片や見たこともないほどのとんでもなく大きなゴーレムの足。その二つが勢い良くぶつかり合った!



 …俺は目を疑った。信じていなかったわけではなかったのだが、俺の貧弱な想像力では、まさかそんなことになるとは思っていなかったのだ。


 とんでもない衝撃を立てて吹き飛んだのは、体格で負けている師匠ではなく、巨大ゴーレムの方だった。質量とか法則とかをすべてガン無視したみたいな、まるで漫画のような光景だ。


「大きい程度では、こうなるのは当然のことである」


 …っと、師匠がなんか凄いこと言ってるが、呆然としてちゃいけないな。折角師匠が隙……あそこまで行くと隙と言って良いのかも分からないが、攻撃するチャンスを作ってくれたのだ。これを活かさない手は無い。


 俺は吹き飛んで隙だらけのゴーレムに近づき、追撃を加えていく。俺もこれで倒しきれるとは思っていないが、ダメージとお金は稼げる時に稼ぐに限るからな。

 今はダメージを与えられるボーナスゲームみたいなもんだし、俺に出来る限界のダメージ効率で攻撃していこう。



 ガガガガガガガガガガガガガガッガガガガガガガッガ!!!



 ゴーレムだって、でくの坊じゃない。俺の攻撃を黙って受け止め続ける事は無いからな。起き上がって俺に向かって殴りかかってくる。


 今度の攻撃は躱す。攻撃の軌道を見極め、最小限の動きで。危険察知の力を借りれば、そう難しいことでもない。


 ここからはカウンターだ。……超巨大なゴーレムが俺を殴る為には、かなり屈まないといけないのは想像できるだろうか?


 分かりやすく言うと、体勢を崩してしまっているゴーレムは先ほどまでと比べて、上半身がかなり俺に近づいているのだ。これによってどうなるのか…。


 答えは……こうだ!!


 俺は隙が出来たゴーレムの胸のあたりまで飛び、勢いよく斬り付けた!!


 ゴゴゴゴゴゴゴ!!


 足を斬り付けていた今までと違い、ゴーレムが苦しんでいる!……ように見える。表情というものがないので何とも言えないが、人間と同じ構造をしている以上、足を斬り付けて居た頃よりは効いている筈だ。



 …さて、結構ダメージは与えている筈なので、そろそろ大きめの一撃をぶつけてやれば倒せると思うんだが、どうしようか。このまま地道に削っていっても良いんだが……ん?


「シルバー!儂の所に走ってこい!!」


 師匠が自分の盾を指さしつつ、俺のことを呼んでいる。……なるほど、分かったぞ!!そういうことか!これで痺れるような一撃が加えられるぞ!!


 俺は合図を確認した後、巨大ゴーレムに背を向け、勢い良く師匠の方に走り出した。戦いの途中に背を向けるな!!と言われてしまいそうだが、これも戦略なので仕方ない。


 巨大ゴーレムは俺が背を向けて走り出したのを確認し、大きな一歩で追いかけてきた。……ふふふ、戦っていた獲物が背を向ければ追いかけたくなる。熊などによくある習性だが、どうやらゴーレムも同じみたいだな。


 ゴーレムが追いつくよりも先に、俺は師匠の下に辿り着いた。


「分かっておるな?シルバーよ」


「はい!」


 俺は元気よく返事をした後、師匠の盾の上に片足を乗せた。


「うおおおおおぉぉぉぉ!!」


 そして師匠は盾の上に乗った俺を、ゴーレムの元へ勢い良く放り投げた!!届けぇぇぇ!!!

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