よし、頑張ろう
140話目!!ひゃっほう!!
「魔王の根城か。聞いたことがあるな。最近出来たダンジョンらしいではないか。」
そう、魔王の根城。これが、俺の挑みたかったダンジョンだ。なんと!あの情報を出したがらない運営が、まさかの告知をして発表したダンジョンが、その魔王の根城だ。
気になるよな?気にならない方がおかしいよな?……というか、師匠は知っているのか。意外と、俺たち次元人しか知らなそうな情報でも、現地の人に伝わってるものなんだな。師匠が情報通なだけの可能性もあるけど。
「そうです。そして、魔王の名を語るだけあって、その難易度もかなりの物だそうですね」
今言ったところだが、実は、かなりの物というのは少し控えめな表現だ。情報によると、魔王の根城は難易度がえげつないらしい。
先ず、クリア前提の難易度ではないと聞いた。……は?と言いたくなってしまうな。クリア出来ない難易度とはなんなんだ!と。
でもでもでも!……そのぐらい難しいダンジョンなら、クリアしてみたいと思うのが漢じゃないのか?少なくとも俺はそう思う。
「ふむ、なるほど。話が読めてきたぞ。つまり、シルバー、お主は儂と共にそこに挑みたいのだな?」
イグザクトリー!!その通りです師匠!!……流石師匠だな、話が早い。出来る男は違うなぁ。
それで……どうだろうか。断られたら一人で行くことになるが…。
「…何心配そうな顔をしておるのだ、シルバーよ。儂も、丁度実力を試したいと思っておった所よ」
…!!ということは!
「うむ、儂も共に挑んでやろうではないか」
「ありがとうございます!!師匠!!」
よっしゃぁ!!これは楽しくなってきたぞ!!それじゃあ、早速行きますか、師匠?
「うむ……いや、少し待て」
ほえ?どうしたのだろうか?待てと言われればいつまでも待つが。……いやまぁ、いつまでもは言い過ぎだが。
「わざわざこのダンジョンにやって来たのだから、折角ならこのダンジョンを攻略してから行けばよいのではないか?魔王の根城に行くのはそれからでも遅くはないのではないか、シルバーよ」
確かに、俺は師匠を探しにこのダンジョンにやって来たわけだが、それとは別にしてもダンジョン攻略は好きだ。そして、このダンジョンは一階層目を少し彷徨いただけで、全く攻略出来てない。
このまま移動するには少し勿体ないな。……いや、確実に勿体ない。これは師匠の言う通り、ここを攻略してから行った方が良い気がしてきたな。うん、そうしよう。
「確かにそうですね。そうしましょう!!」
「うむ、決まりだな」
☆☆☆☆☆
さぁ、やってまいりました二階層!!今回はなんとスペシャルゲストの師匠ことエドワードさんが一緒です!!
…とまぁ、こうやって盛り上げてみたわけだけど、実際ワクワクするな。誰かとダンジョン攻略するのは本当に久しぶりだ。ゲームを始めて少し経った時にローラ達と冒険した時以来じゃないか?……ガチで久しぶりだな。
ん?一階層はどうしたのかって?……一階層は最初に石でできたゴーレムが居た以外は本当に何もなくて、ちょっと進んだらすぐに二階層への階段が在ったんだ。挑戦者の実力チェックをするための一階層だったんだろうな。
…そういえば師匠ってどうして一階層に居たんだろうな。出会えたことが嬉しくてそんなに深く考えていなかったが、普通に考えたら俺より先に出発しておきながら一階層にいるのは、師匠の実力と併せて考えると遅すぎる。
よし、聞いてみよう。
「ぬ?儂が何故一階層に居たのかだと?それは、儂が既にこのダンジョンをクリアしておるからだ」
なるほど。師匠は既にこのダンジョンをクリアしていたから、入口近くに居たのか。そして、俺とあのおじさんが戦っているのを感じ取って、俺の所に来てくれた訳だ。これで、謎は全て解けたな。
…お、しばらく歩いていたら、また一階層にあったような小部屋が見えて来たな。恐らく、このダンジョンは全部この仕組みなのだろう。きっとあの中に入ったら、ゴーレムが襲いかかって来るに違いない。
さぁ、今から始まるのは、魔王の根城に行く前の肩慣らし。これくらい楽に突破して、師匠に良い所を見せようじゃないか。よし、頑張ろう。
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