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師匠はどこー!?

どうも公爵蜘蛛でやんす

 師匠。それが誰か分からない、もしくは思い出せない人の為に説明すると、俺がこの世界に来て最初に戦い方を教えてくれた人だ。もし仮に俺が一人で出鱈目に強くなろうと奮闘したとしても、今のように強くなることはできなかっただろう。


 ちなみにだが、前回戦った時は惨敗した。そりゃ、今の俺と比べればその時の俺はかなり弱かったわけだが、それでも結構強かったはずだ。スキルだって全開で使っていたんだぜ?師匠と戦うわけだし、油断なんてしていなかった。……でも負けたんだ。とんでもない実力差だったと思う。


 まだまだ師匠の話を続ける訳だが、師匠は結構なおじいちゃんだ。元冒険者で、その時のランクはAだったらしい。……と言っても、俺たち次元人からしたらその基準はよく分からない感じになっちゃうけどな。


 それに、師匠はまだ成長期だ。は?と思ったかもしれないが、ガチである。これがリアルだ。師匠自身、最初に俺が戦い方を教わった時より強くなったと言っていた。


 長年戦っているから技術もあるし、まだ成長しているから身体能力も凄い。……チートじゃん。主人公でも全然おかしくないな。


 兎に角、俺はアップデートで追加されたそこに、師匠と一緒に行ってみたいんだ。勿論、断られる可能性はある。その時は、大人しく一人で行くとしよう。



 ☆☆☆☆☆


 さて、やって参りました、冒険者ギルド。ここには次元人(プレイヤーだよ)も現地人(NPCとも言う)も沢山いる。


 プレイヤーはアップデートで遊べなかった分を取り戻すかのように、凄まじい熱気を放っている。みんなやる気十分だな。


 さて、見渡すのは結構楽しいが、それも程々にしておいて、俺も用事を終わらせるとしよう。俺はたくさんの人が連なっている列に並び、待つことにした。


 そう、俺は師匠の家を知らないのだ。だから、こうしてギルドに伺いを立てて、師匠の居場所を知る他ない。プレイヤー同士みたいにフレンド申請とかも無いからな。メッセージを送ることも出来ない。


 まぁ、こうして並ぶのも別に嫌いというわけじゃ無い。のんびり待つとしよう。


 ・

 ・

 ・


「冒険者ギルドへようこそ!本日はどのようなご用件でしょうか?」


 お、ようやく俺の番が回ってきたみたいだ。……にしても、このセリフは何回聞いても胸が熱くなるな。


 …え?なんでかって?だってこんなセリフ、普通に生きてたら絶対聞く機会が無いと思わないか?少なくとも、アニメとか特別なイベント以外では絶対聞かないし、言われないだろう。


 つまり、このゲームを始めたおかげって訳だ。ゲームって自分には出来ないことを体験出来るからこそ面白い訳だが……うん、最高だな。見事なまでに楽しい体験が沢山出来ている。ありがてぇ。開発者の人には感謝してもしきれないな。


 …おっと、このまま回想に潜り込んでいたら、受付嬢さんが困惑してしまう。要件を伝えないと。


「元Aランク冒険者のエドワードさんはいらっしゃいますでしょうか?」


 師匠の名前はエドワードだ。渋くてとてもカッコイイよな。……勿論、俺のシルバーだって負けてないとは思うが。シンプルで良い名前だろ?


「エドワードさんですか……少々お待ちください」


 どうやら師匠が居るのかどうか確認しに行ってくれるようだ。「無理です」と言われるのが一番辛かったから、ありがたい。


「…お持たせしました。はい、エドワードさんの所在を確認して来ましたが、どうやら今現在はギルドにいらっしゃられないようです」


 な、なんですとー!?……失礼、昔のギャグ漫画みたいな反応をしてしまった。なんと師匠はギルドにいないようだ。


 …なんというか、師匠はずっと冒険者ギルドにいるようなイメージが俺の中に勝手にあった訳だが、そりゃそうだよな。師匠だって生活がある。俺がおいしいモノ巡りをする時があるように、師匠だって仕事以外のことをすることはあるだろう。だって、人間だもの。


「今エドワードさんはダンジョンに向かわれているようですね」


 なんと、流石師匠。例え仕事をしない休みの時でも修行を欠かしていないようだ。シルバーの尊敬ポイントが上がった!(意味がない)


 …にしてもどうすればいいだろうか。このままでは師匠に会うことができないので俺の目的を果たすことができない。うーむ、現時点でとれる選択肢は二つだな。


 一つ目はこのままここの冒険者ギルドで師匠が帰って来るのを待つというものだな。……うん、大変普通だ。考えなくとも普通に出てきそうな簡単な案である。


 だがしかし、問題はある。ここで師匠の帰還待つのは一見悪くはない選択肢のように思えるが、いつ帰ってくるかどうか分からないという問題があるのである。無いとは思うが、師匠が平然と徹夜でダンジョンでの修行を続けて、それを俺が待ち続けた場合、とても暇だ。もしかしなくても暇を通り越して虚無を感じてしまうだろう。


 そう、だからこその二つ目の選択肢。


「エドワードさんがどこのダンジョンに居るのか教えて頂くことは可能でしょうか?」


 こういうことだ。行動あるのみ!




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