咄嗟の思いつきって結構大事だよ
シルバーたんINしたお。という訳で、再びログインしました、アナザーワールド!今回は街の方を自由にぶらり旅していこうと思います!
まだこの街は冒険者ギルドと図書館とポーション買う為に道具屋に寄ったぐらいしか歩いてないしな。一回街の方を堪能したいと思ったんだ。まず最初に辿り着いたのは武器屋だ。
いや、最初は冒険者ギルドに行って、いっぱい手に入れた素材を売ってお金にして来ようかなって思ってたんだ。でも、もし、もしだぜ、このゲームでもモンスターの素材を使ってモ◯ハンみたいにオリジナルの武器を造ってもらえるとしたら・・・って考えたから、売らずにここに来たんだ。別にかさばる訳でもないしな。
よし、入ろう。暖簾を分けて、中に入ると、そこには沢山の種類の武器が所狭しと置かれていた。俺も使っている剣、他にも槍、斧、杖、弓、グローブまであるのか!品揃えは豊富だな。取り敢えず、素材で武器を造ったりしてもらえるか聞いてみるか。
「あの、ここで武器を造ったりしてもらう事って出来ますか?」
すると、店主らしき人が困った顔をして、
「申し訳ありません、お客様。ここは武器屋でこざいまして、その、武器は鍛冶屋で創られているのです。ですので、武器を造られたいのでしたら、鍛冶屋に行ってもらえますでしょうか?」
あ・・・そう言えば職人ギルドで道具を創って、それを商人ギルドが売ってるって話を聞いた気がする。これは武器屋さんに申し訳ないな。
「すいません。間違えたみたいです。何も買わないのにここに来てしまって申し訳ないです」
俺が店主さんに謝ると、店主さんはニッコリ笑って、
「いえいえ、全然構いませんよ。次は是非ともここに買いに来てくださいね」
ウインクもいただいた。カッコいい。師匠とはまた別のカッコ良さがある。これが商売一筋で生きている者のカッコ良さか。惚れてまうやろ!おじさんだけど。ほ、ホモじゃねぇし。
☆☆☆☆☆
武器屋の店主に鍛冶屋の場所を教えてもらい、無事到着した。流石にゲームが始まってすぐということもあり、プレイヤーの鍛冶屋はないらしい。ということで、今回は現地人の鍛冶屋だ。異世界なら中で鍛冶をしているのはドワーフと相場は決まっているが、今のところドワーフやエルフといった他種族は見ていない。もしかしたら今後出てくるかもしれないけど。
中に入ると、少し熱く感じた。一応接客スペースにいるはずなのだが、熱気がここまで伝わってくる。これは期待できるな。今見える範囲に人はいないが、熱いということは、誰かしら人はいるはずだ。ということで、呼んでみよう。
「すいません!どなたかいらっしゃいませんか?」
すると、「はい、すぐ向かいます!」という若い女性の声が聞こえてきた。ドタバタという慌ててこっちに来る音が聞こえ、そして姿を現した。か、可愛い。赤い髪の毛をした彼女は、火に引火しないようにだろうか、綺麗に結い上げられ、それがまた可愛さ、いや、彼女の場合は綺麗さといった方がいいだろうか?とにかくそれが際立っている。
少し見つめすぎたからだろうか、彼女は少し頬を赤らめた。
「お、お客様、そんなに見つめられると照れます」
「あ、す、すみません。余りにも綺麗だったもので」
な、何言ってんだこいつ。あ、俺か。やばいやばい、完全に軟派男じゃないか。こういうのはさわやか系イケメンがやるから意味があるんだよ。わきまえろよ俺えええええ!彼女の顔が真っ赤になってるじゃないか。きっとカンカンに怒ってるぞ。もう鍛冶屋に立ち入り禁止とか言われたらどうしよう。
「ご、ごめんなさい!調子に乗りました!」
即謝罪!なんか俺、最近謝ってばっかだな。
「いえいえ!だ、大丈夫ですよ!そ、それよりも本日はどのようなご用件でしょうか!」
まだ顔が赤い彼女だが、気を使ってくれているのか、大丈夫と言ってくれている。取り敢えず用件を伝えるか。
「素材を使って武器とかを造ってもらうことってできますかね?」
思わず一番いいものを頼むと言いそうになったが、何とか踏ん張った。というより、普通に返されて終わりそうだ。
「大丈夫ですよ。ちなみにどんな素材をお持ちでしょうか?素材によってはできないこともございますので」
なるほど、確かにその通りだ。モンスターの、というより俺が持ってるウサギのフワフワの皮で剣を造れるといわれたら、俺の方がびっくりするわ。ネタ武器としてならできるかもしれないが。
「ホーンラビットのツノです。1本しかないですけど。それで・・・どうでしょうか?俺としては剣を造ってほしいのですが」
言ってるうちに不安になってきた。槍ならまだしもツノでどうやって剣を造るというのだろうか。案の定彼女はこう言った。
「そ、その・・・大変いい辛いのですが、ホーンラビットのツノで剣を造るのは無理だと思います。申し訳ございません」
これは彼女は悪くない。しかし、俺はやけくそだったのか、普通ならあり得ないことを思いつき、彼女に言った。
「それなら、この盾にホーンラビットのツノを付けることはできませんか?」
「そ、それはどういうことでしょうか?」
俺がやけくそ気味に思いついたこと、それは盾に攻撃力を付けられないかということだ。俺の盾の使い方は、相手の攻撃を受け流すか、盾で相手を殴るかの2択である。しかし、このゲームというより、普通のゲームでは盾には攻撃力なんてものは存在しない。つまり、今は良いが、最終的にはステータス値分の攻撃力だけで相手を殴ることになってしまうのだ。それは避けたい。ということで、この考えだ。案外いい考えだと思う。この事を彼女に説明した。
「なるほど!恐らくですが出来ると思います。なにしろ初めての試みなので恐らくとついてしまいますが。それでも私にできる全力は尽くします!」
「よろしくお願いします!」
俺は彼女に盾とツノと言われた分の金額を支払った。初心者用の盾を加工するとのことで安くなっているとの話だったが、それでも少しギリギリだった。
盾よ!しばらくの別れだが、必ず私は迎えに来るからな!生まれ変わった姿を楽しみにしているぞ!
・・・そう思っていたら、1時間ほどでできるらしい。言葉にはしていないが、とても恥ずかしかった。
読んでくださりありがとうございます!
忙しいですが、間を縫って執筆しています。誤字などがあればすいません。
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