表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
128/187

魚さん?おーい

どうも!!

「「……」」


 俺とローラの沈黙が空間を支配する。腹が立っているとかそんなのじゃなくて、ただただ呆然としてしまっている。


 みんなだって突然あんな展開になったらこうなるに違いない。インパクトの押し売りだ、あんなの。本当にビックリした。


 というかこの湖には魚が居ないのか?長靴しか釣れてないけど。


「魚はどこなのです!!わたくし、長靴ではなく魚が釣りたいのですわー!!」


 ローラもまったく同じ気持ちらしい。これでは釣り人ではなく、ゴミ回収業者と間違われても仕方ない。まぁ、ゲームの世界を綺麗にしていくのは悪いことではないんだけどな。


 …そ、そうだ。俺たちは勝負をしていたが、一緒来たルゥとかエミリーが釣りをしていなかった訳じゃない(あとは冥途も)。


 俺たち二人だけじゃなくて、彼女たちにも釣りの成果を聞いてみるとしよう。みんなが釣れていないのなら、この湖には魚がいないのだろうと結論付けることができるからな。


「なぁ、ルゥとエミリー。魚は釣れたか?」


 俺がそう尋ねるとルゥとエミリーは、こっちまで微笑みたくなるような笑顔を顔に浮かべ、二人そろって右手を掲げた。よく見てみると、その手の中には、小さいながらも立派な魚が収められていた。


「はい、バッチリですよ!シルバーさん!!わたしのお魚は小さいですけど、エミリーちゃんと一緒にしっかりと釣れました!!」

「私も小さいですけどぉ、ルゥちゃんと一緒にちゃんと釣れましたよ!嬉しいですぅ!」


 何ということだ。二人とも見事なまでに魚を釣り上げているではないか。この湖にはちゃんと魚がいたということか。……俺とローラはなぜこんなことに?もう少し粘ってみた方がいいかもしれない。よし!


「ローラ!!もう一回魚釣り再開だ!今度こそ決着を付けようぜ!!」

「望むところですわ!!徹底的に叩き潰してやりますわよ!!」



 ☆☆☆☆☆


「釣れない」

「釣れませんわ」


 あれから一時間ぐらい経過したかな?……何故か釣れない。俺だけじゃない、ローラも釣れない。場所替えだってやってみたし、餌とかも、少しは変えてみたりした。……でもやっぱり釣れない。


 だがエミリーとルゥは、滅茶苦茶釣り上げている。もう二桁は釣り上げているだろう。つまり、魚が全滅しているわけではないんだ。なんでだ?もしかしたら俺とローラの日頃の行いが悪いのかもしれない。


「ふぉっふぉっふぉっ、お嬢様、そしてシルバー様。そろそろお時間でございます。ギルドハウスに戻って、ルゥ様やエミリー、そして私が釣り上げた魚を使って作った料理を食べましょう」


 くぅ~、タイムアップか。悔しいな。……冥途!?今、冥途自身も釣り上げたみたいなこと言ってなかったか!?そういえば冥途にはどのくらい釣り上げたかどうかの話を聞いてなかったぞ。どのくらい釣ったんだ?


「そういえばロバート。貴方釣りが趣味だったのよね?どのくらいの魚を釣り上げましたの?」


 え、冥途の趣味って魚釣りだったのか。意外だな。


「お嬢様、少々ここで出すのは骨が折れますので、ギルドハウスに戻ってからの楽しみといたしましょう」


 うぐぐ、話の回し方がうまいな。こんな言い方をされてしまえば、帰らざるを得ない。流石冥途、恐ろしい子!!


 冥途がどれほどの魚を釣ったのかも気になるし、帰るとするか!魚料理も食べたいし……釣ってもないのに魚料理を楽しみにするなんて、働いてないのにお小遣いだけで生きていこうとしてるニートみたいだな。……ちょっと違うか。


 まぁいいや、とりあえず・・帰宅!!



 ☆☆☆☆☆


 というわけで帰ってまいりました!!豪華なギルドハウス!!いやぁ、何回帰ってきても素晴らしいと思えるギルドハウスだな。


 そして今回は、キッチンを使います!!……ちょっと前に使うかどうかは分からないって言ってたけど、まさか早速使うことになるとは思わなかったな。これだから人生は面白い。


 で、冥途が釣り上げた魚だが、正直言ってビックリした。


 …え?なんでかって?それは……魚の見た目がどう考えてもマグロだったからだ。見た目がどう考えてもマグロなんだぞ!?そりゃびっくりするだろ!!


 俺だってマグロが湖に絶対にいるはずがないと思うんだけどな。居るものは仕方ない。だってゲームだもの。ゲームなんだから仕方ない。最高のご都合主義だけど、納得するしかない。だってゲームなんだもの(大事なことだから三回言った)。


「皆様、料理が出来ましたぞ。それでは召し上がれ」


 料理は主に冥途(アシスタントに一応エミリー)が作った。……うん、どれを見てもとてもおいしそうだ。ルゥとかエミリーが釣った小さめの魚は、主に天ぷらや煮物に。冥途が釣り上げたマグロは、刺身やたたき、あら汁になっている。


 どれから食べても……うん、美味い!!魚の味がしっかりしてるし、味付けもバッチリだ。やっぱり魚釣りは良いな!!……うん、出来れば自分でも釣りたかったけど。


 その辺のリベンジは大会ですることにして、とりあえず今は料理を楽しむとしよう!!!食うぞー!!

ブクマや評価をして下さった方、ありがとうございます!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ