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知識披露する系ナルシスト

新年、あけましておめでとうございます。

今年も宜しくお願い致します。

 早速森の中に入ってみると、全身でマイナスイオンを感じることが出来た。うん、この辺のクオリティは流石って感じがする。そこいらのVRゲームではここまで再現出来ないだろうからな。


 アオーン……ガオー……アインアインアイン…。


 獣らしい遠吠えが聴こえてくる。やはり、こういう森に居るモンスターは動物がモチーフのモンスターなのかもしれない。


 生身なら絶対に入りたくない凶暴であろう動物達がいる森だが、この身体なら勝てる筈だ。映画でも出れそうな程の身体能力だからな。それに、今回は仲間もいるから安心パックだ。保険に入る必要もない。


 ザクザク……ザクザク……


 足を踏み出すと、耳障りの良い音が響く。この音が嫌いな人はあんまり居ないだろうな。何処がいいの?と聞かれるとちょっと答えられないが。




 !!


「危険察知が反応した!位置は……右側!!複数体居るぞ!!」


 俺のスキルである危険察知に、何かが反応した。近づいてくる雰囲気的にPKプレイヤーではなく、モンスターのようだ。


 そして、俺の声に反応してみんなは一斉に戦う姿勢になった。準備はバッチリ。俺が居る限り、不意打ちは許さない。危険察知は強いスキルだ。地味だなんて言わせないぞ。


「ガウガウ!!!」


 少し待つと、モンスターは姿を現した。数は三匹、見た目は二足歩行で筋肉マッチョな犬という、現実ではまずいない生き物だった。……うん、強そう。筋肉があるだけでとんでもなく強そう。


「あれは拳犬です!見た目からも分かるかと思いますが、肉弾戦が得意なモンスターです!物理はあまり通らないですが、多分シルバーさんとかロバートさんクラスの攻撃なら通ると思います!魔法が弱点で、魔法なら全般効きますから、ローラさんとエミリーちゃんはよろしくお願いします!!」


「分かりましたわ!良い一撃を喰らわせてやりますわよ!!」


「分かりましたよ!ルゥちゃん!」


 モンスターを確認すると、ルゥがモンスターの知識を披露した。ルゥは知識の量がとても豊富だ。攻略本とかをしっかりと読み込むタイプなんだろうな。俺もその知識には助けられてきた。


 今回の敵は俺や冥途では相性が悪い様だ。俺一人なら苦労しただろうが、今回は仲間が居る。俺達が引き付けている間に倒してもらおう。


「ふむ、お嬢様方の所まで行きたくば、私を倒してゆくことですな。シルバー様、こちらの二匹はお任せ下さい。そちらの一匹はよろしくお願いします。それ、『挑発』」


 冥途が三匹中二匹を担当してくれるようだ。俺みたいにソロでやっていたわけではなく、チームで、しかもたった一人で後衛二人を見事に守り続けていただけあって、モンスターの注意を引くことに関しては俺よりもかなり上ということだな。


 兎に角俺は、そんな冥途が任せてくれた一匹に全力で対処するとしよう。なに、一人で倒す必要はないんだ。相性が悪いとはいえ行けるはずだ。


「ガウ~!!」


 おうおう、威嚇しているな。俺の方が強いことを理解しているようだが、やはり逃げる様子は無い。流石モンスターだ。さすもんさすもん。


「ガウガウ!!ガウ!!」


 俺と見つめ合うのが耐えきれなくなったのか、拳犬が飛び掛ってきた。耐えきれないなんて恋愛初心者か?……この言葉は俺にも刺さるから止めておこう。危険だ。


 拳犬は思い切り拳を振りかぶって殴りかかってきた。うん、中々良いストレート。と言っても俺はボクシングとかの格闘技全然分かんないけど。多分良いパンチなんじゃないかな。


 ……ただ、弱い。俺レベルと比べたら、弱い!弱すぎるぞ!!受け流すまでもないな。というか盾で受け止める必要も無い。躱せるぜ。


 俺の顔を狙っているようだから、やってみたいことをやってみよう。


 殴られるタイミングで!首を……曲げる!!


「ガウ!?」


 今の拳犬はこう思っている筈だ。『攻撃を見切られた!?』と。


 カッコよくない?マンガとかアニメの強キャラがこんなこと言ってるの見るの滅茶苦茶好きなんだが。俺も近づけたかな?


 …え?無理?……そうですか。


 …兎に角、俺が攻撃を見切ったことにより、拳犬は今大変驚いていて、隙だらけだ。俺の攻撃があまり通らないとはいえ、数発は喰らわせておこう。オラ!オラ!オラ!(スペイン語でこんにちはをオラという)(完璧な豆知識)(天才シルバー)


 数発斬り付けてみたが、確かにあまりダメージが通った気がしないな。少しはダメージがありそうだけど、俺一人で倒そうと思ったら中々苦労しそうだ。勿論、倒せないとは言わないが。


 ちらりと冥途の方を見てみたが、拳犬をしっかりと引き付けつつ、大盾で二体の攻撃をしっかりと防いでいた。流石だ。俺にはあの戦い方はできないからな。


「魔法の準備ができましたわ!当たらないように避けて下さいまし!『メガフレア』!!」


「いきますよぉ!『ウインドブレイク』!!」


 ローラの『メガフレア』は冥途が引き付けていた二匹に。エミリーの『ウインドブレイク』は俺が引き付けていた一匹に、それぞれ見事に命中した。


 本当に魔法に弱かったようで、拳犬たちは一瞬で消え失せた。


 …うん、なかなかいいコンビネーションじゃないか?俺がモンスターの接近を察知して、ルゥが知識を伝えつつ全体をカバー。ローラとエミリーで魔法攻撃。……控えめに言って完璧だ。


 よし、この調子で行くぞ!!



お年玉替わりにブクマ、評価いただけると嬉しいです。

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