主人公が一番キャラ薄いってマジですか?
タイトルはシルバー君の切実な思いかもしれませんね……まぁ、どうすることもできないですけどね!
「オーッホッホッホ!!素晴らしい完成度ですわね。わたくしの想像していた通り。良くやりましたわ!!オーッホッホッホ!!!」
この分かりやすい特徴的な笑い声。キャラクターとして安定している話し方。ま、間違いない。こいつ……出来る!!
あ、勿論みんなはこの声の主が誰だか分かっているよな?……そう、ローラだ。
みんなが考えた王道お嬢様!!!みたいな彼女だが、このゲームにおいて、かなりの実力者なのである。それに、俺と同じ個人ギルドのメンバーだ。
…おいそこ!シルバー君キャラ負けしてない?……じゃないよ!!逆に勝てるわけないだろ!!髪の毛なんかアニメでしか見た事ないようなドリルだぞ!ドリル!!どうやって、保ってるんだ!!
「シルバー様。とても良い職人を見つけなさったのですね。流石でございます」
そしてこちらもまた個性の塊な冥途さんではありませんか!!
…忘れた人もいるかもしれないので説明しよう!!彼はローラの執事をしているおじ様だ!!!……って説明したかったんだが、本当は違う。
彼は……メイド服を着ているんだ。似合っているのなら良いんだぜ?最近は男の娘?とかいうのも流行ってるらしいからな。
でも、彼は、その……致命的に似合ってないんだ。しかも、本人はそれを分かってる節がある。強い、強過ぎる。このゲームにおける二つ名が精神破壊者である事からも分かるとは思うがキャラが凄い。
ちなみに、冥途は見た人が冥土送りになりそうだからという理由で俺が付けた渾名だ。
仕事は何を与えても完璧にクリアしてみせるらしいし、気遣いも出来る。まぁ、完璧超人の類いなのかな。闘技大会でも勝ち残る程の実力者だ。
「凄いですぅ、流石シルバーさん!」
こうやって褒めてくれているのは、癒し枠エミリーだ。彼女は正統派のメイドである。ただ、致命的にドジなだけで。
可愛いことに、彼女はメイドとしての働きはあまり出来ていない。ドジっ娘だからな。メイドとしては冥途の方が上なのだ。……なんだこの世界は…
戦闘では風魔法と回復魔法を使用する後衛だ。あまり得意ではないらしいが、冥途とローラが強すぎるから問題ないだろう。
「キレイですね、シルバーさん!わたしもこんな所に所属出来て嬉しいです!」
そしてこんな感じに幼い雰囲気を纏っている……というか見た目が完全に幼い彼女は、ルゥだ。これでも大人ぶっている方で、偶にガチ幼女になるときがある。
…年齢は詳しく聞いていないが、成人済みではあるらしい。身体に賢者の石でも埋め込んでんのかい!!……そこ!合法ロリとか言うな!
…普段は行商人をやっているらしい。……というか、行商人ができるように俺が手助けしたんだけどな。
…え?何を手助けしたのかって?……さてはお主、シルバーさん初心者だな?オーケーオーケー。教えてあげちゃおうじゃないか。
この世界はモンスターであふれているだろ?だから、戦闘力のない彼女では行商人をやるのは厳しかった。ならどうすればいいか。そう、鍛えればいい。
細かいことは省くが、鍛えたことによって、ルゥは薙刀を振り回し、並のモンスターなら余裕で下せるようになったのだ。しかも、薙刀だけでは勝てない時にはアイテムを使って何とかするのだ。強い。
さて、みんなの紹介を終えたところで、早速話を切り出すとしよう。
「なぁ、イベントのおしらせをみんな見たと思うんだけど、みんなで釣りに行かないか?」
俺がそう言いだすと、みんなはすぐに頷いてくれた。しかも、みんな既にそれぞれのマイ釣り竿を持っているらしい。完璧じゃないか!
ん?ああ、そうだそうだ、俺も釣り竿を持ってるぞ。ティアとかとお金の相談をしている時に、追加注文をさせてもらったんだ。向こうはそれなら……と納得していたが、どっちにしろ得をしたのは俺な気がする。本当に優しいな、あの人達。俺も見習わないと。
だが一つ、問題がある。パーティは四人までしか組めないということだ。……まぁ、経験値が分配できなかったり、ダンジョンのボス部屋に入れなかったりするだけなので、最悪俺だけボッチでも構わないんだが……いやまぁ、寂しいし悲しいことには変わりないけど。
俺がそう言うと、ルゥが疑問符を浮かべたような顔をしながら口を開いた。
「あれ?知らなかったんですか、シルバーさん。個人ギルドの開設とともに、パーティの人数制限が四人から六人になったんですよ?まるでポ〇モンみたいですよね」
な、なんだと!?普段一人でしかこのゲーム遊んでないから知らなかった。これが、ボッチプレイヤーの弊害か……まぁ、元々一人で冒険するメリットなんて手に入るアイテムを独り占めできるぐらいしかないんだがな。
と、兎も角、パーティが六人で組めるようになったのなら俺の懸念材料は消えたと言っても過言ではない。運営さんも気が利くなぁ!
事前に釣りポイントは調べておいたから、さっそくみんなでそこに向かうとしよう!楽しくなってきたぞ!!!
細かい話を省くことによって、ルゥの師匠が自分であるかのように紹介するなんて( ^ω^)・・・