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インテリアの存在を覚えていますか?

百二十話目ですね。中々書けてきましたよ!!

「お父さん!?どうしてここに!?」


 え!?お父様ですか!?おっちゃんが!?ティアの!?似てねぇぇぇぇぇ!!!!


 このおっちゃんがティアのお父様ってマジか……何回も言うけど、本当に似てない。ワイルド系のおっちゃんと、綺麗で可愛らしいティアだからな。


 いや、待てよ?よくよく見たら髪の毛の色は同じだな。二人とも、綺麗な赤い髪色をしている。……でも

 これ以外は全然似てない。娘さんがお母様の方に似て良かったですね。と言いたくなってしまうなこれは。……絶対に言うつもりはないぞ!フラグじゃないからな!


「ま、まぁなんだ、偶には様子を見に来ないとな?父親として心配というかな?独り立ちした娘を見に行くのも父親の仕事なんじゃないか?だよな?だよな?……兄ちゃんもそう思うよな?」


 え!?そこで俺に話を振るの!?……ま、まぁ間違ってはないと思うし、父親が娘の心配をするのは当然だろうから、ここは擁護しておくか。


 じ~


 な、なんかティアにジト目で見られてるぞ!?……ま、まずい!!これは、気まずくなってしまうあるある話第三九二項の『別に嫌いじゃない二人が正反対の意見で口論になっていて、しかもどちらにも筋が通っているのに、どちらが正しいかのジャッジを委ねられてしまった友人の誰かさん』問題じゃないのか!?


 うぐぐぐぐぐ……どちらの味方をすべきか。俺の心情的にはおっちゃんの意見に賛同してあげたいんだよな。

 そ、そうだ。俺は周りからの圧力なんかで意見を変えてしまうような軟弱な男ではない!待ってろおっちゃん!今助けに行くからな!


「まぁ、娘からしたら、父親に突然来られると困るよな」


「な!?兄ちゃん!!!!」


 おっちゃんは捨てられた子猫のような瞳で、こちらを見てきた。


 …ごめんおっちゃん!!女の子の視線には勝てなかったよ……だって無理だろ!!どうやったら女の子のジト目に勝てるって言うんだ。

 あと、俺は女の子のジト目には負けてもおっさんの子猫のような瞳には負けないからな。ギャップ萌えは俺には通用しない。覚えておいてくれ。だから、おっちゃん……安心して天に昇ってくれ…。


「まぁ、お父さんのことは良いです。こんな話は別に後からでも出来ますからね。……それよりもまずはシルバーさんに感謝を。シルバーさんが素材を手に入れてきてくれたおかげで、無事に新たなるハンマーを創り上げることができました。シルバーさんは私の恩人です!私にできることなら何でも言ってください。私、頑張りますから」


「だから兄ちゃんはあのダンジョンに潜ろうとしていたのか……ありがとな、兄ちゃん。ティアの恩人ならそれは俺の恩人でもある。もし頼みたいこととかがあるなら、俺を頼りにしてくれてもいいんだぜ?もっとも、俺は武器とかじゃなくて道具の方が創るのが得意だけどな」


 え?急にそんな真面目な感じに……でも、感謝してくれてるのは、やっぱり嬉しいなぁ。この瞬間が、一番報われていると思う。この時のために俺は人にやさしくするんだよなぁ。やめられない、とまらない。みんなハッピーで最高過ぎる。


 それにしてもお礼の内容か……ん?そもそも、俺はなんでティアの所に来たんだっけ?冷やかしに来た……訳じゃない。ティアに会いに来た……間違っては無いけど、これが一番の目的ではなかったはず。


 …そうだった!俺はギルドハウスのインテリアを作れないかどうかを聞きに来たんだった。なんか色々あったせいで、すっかり忘れていた。早速頼むとしよう。


「インテリアを作れないですか?最近ギルドハウスを手に入れたから、その内装に使いたいんです。……どうでしょうか?」


 俺がそう言うと、ティアとおっちゃんは力強く頷いた。それを見て安心した俺は、みんなで話し合って事前に決めていた資料を見せて、あることを尋ねる。


「料金はどれくらいになりますかね?」


「「お金はいらない!」」


 親子らしく息を揃えて、俺がお金を払う必要がないことを訴えかけてきたが、そうはいかない。大変魅力的な提案だが、これにはこれでデメリットがあるのだ。


 それは、ティアの店からお金が無くなってしまうことだ。他のゲームと違って、この世界の住人は真の意味で生きている。生きていくためにはお金を必要とするし、無から何かを創り出すことだって出来ないのだ。


 つまり、ティアからお金が無くなってしまえば大変なことになる。あとはそうだな、向こうが俺に感謝してるのと同じくらい俺も感謝してるからかな。筋は通しておきたいと思ってしまうんだ。


 だが、このままでは堂々巡りになってしまうのが目に見えてる。なにか落としどころはないか?俺も向こうも満足できるような形に落とし込めるような何かが…。


 ピロン♪


 その時、このゲームをそこそこやりこんでいる者なら聞きなれている音が聞こえてきた。運営からの何かしらのメッセージが届いたときに鳴る音だが、さてはて、いったいどんな内容なのだろうか。


 軽くお知らせを見渡してみた俺の表情には、思わず笑みが浮かんできてしまっていた。そこに書かれていた内容は、現状を打破するためのキーとなりうる内容だったのだ。


 だから俺は運営からのメッセージを見て思いついたことを、そのまま彼らに提案した。そしてその提案は彼らにとっても納得できるものだったのか、無事に交渉は成立した。さぁ、楽しくなってきたぞ!!

次は久しぶりに掲示板回になりそうです。最後の方の運営からのメッセージについては、そこで言及されることになりそうです。

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