ハロウィンフォォォォォ!!
今日はハロウィン!!……ではないですが、閑話としてハロウィンのイベントを楽しむシルバー君の物語です。それではどうぞ。
『飴♪チョコ♪グミにクッキー♪甘いお菓子が欲しいのなら♪言ってごらんよ♪魔法の言葉♪』
『トリックオアトリート♪トリックオアトリート♪幸せ呼ぶ魔法の言葉♪いい子もいたずらっ子も♪今日は楽しく、お菓子をねだって♪トリックオアトリート♪』
心地の良い歌が聴こえる。トリックオアトリートという単語を聞いて、みんなが思い浮かべるのはたった一つではないだろうか?
そう、ハロウィンだ。どのくらい昔からあるのかも知らないし、なんでこんなイベントが行われるようになったのかも知らないが、みんなにとっても結構身近なイベントなのではないだろうか?
正直言って、楽しければそれでいいというのが俺の考えだし、案外共感してくれる人もいるんじゃないか?まぁ、はしゃぎ過ぎはよくないが。何事も程々に……の精神が大事というわけだ。
本当に、最近のニュースとかを見ていると日本人が謙虚って聞くと、噓だろ!?って気分になる。もちろん謙虚な人がいるのは事実だが、良い面よりやっぱり悪い面が目立ってしまうからな。取り敢えず自分だけでも清く正しく生きたいと思うこの頃だ。
ちなみにこの歌はCMで聴いているのではない(確かにそれっぽい雰囲気はあったが)。ここはゲームの中である。そう、俺がいつもプレイしている「アナザーワールド」でハロウィンイベントが開催されたのだ。
このイベントを開催されたときの売り文句は、『ハロウィンがやってきた!!食べまくっても太らないし虫歯にもならない世界を全力で楽しもう!!』だ。
確かに素晴らしいことだ。味覚までもがとんでもないレベルで再現されているこのゲームにおいて、おいしいものが食べられるというのは他のゲームとの大きな差異になるからな。俺も楽しみにしていたんだ。さっそく楽しんでいこう。
まず周りを見渡してみると、ハロウィンらしく、仮装をした人々であふれている。かくいう俺も、実はハロウィンを楽しみにしていたので、事前に仮装を手に入れていたのだ。俺はヴァンパイアの格好をしている。銀髪も映えるし、結構似合っているんじゃないか?
というか次元人じゃないこっちの人たちも、ハロウィンを楽しんでいるんだな。遠慮せずに済むから諸手を挙げて喜ぶべきことだが。
…よし、先ずはこの店から入ってみることにしよう。ここではかぼちゃパイが売っているらしい。
「おや、カッコイイヴァンパイアのお兄さん、かぼちゃパイをご注文かい?」
お兄さんだなんて、ここの店のおばちゃんは商売上手だなぁ。
「二つください」
「あいよ、はい、特製ハロウィンかぼちゃパイだ」
つい二つ買ってしまった……これもハロウィンの魔力という奴か?恐るべしハロウィン。取り敢えず店から出て、このかぼちゃパイをさっそく頂くとしよう。
適当な場所に落ち着いた俺は、ゴソゴソと袋を開ける。中からは、可愛くデフォルメされたかぼちゃの形をしたかぼちゃパイが出てきた。……かぼちゃの形をしたかぼちゃパイってそれは普通のかぼちゃパイ?……良く分からなくなってきた。ゲシュタルト崩壊ってやつか?
まぁ、大事なのは味だ。頂きます。
サクサクッッ!
齧り付いてみると、パイ生地がサクサクで食感から楽しい。パイ生地であるあるな、湿気てしまって残念な食感ということもなく、しっかりとパイ生地である意味というものを、俺に教えてくれている。
食感だけではない、味も素晴らしい。甘すぎず、それでいてしっかりと俺の舌に甘さを訴えかけてくれているのだ。……うまい!!
ハロウィンというだけで安易にかぼちゃパイに手を出したのではないということが、俺に確かに伝わってくる。文句なしの星五つだ。見た目の可愛さもかなりのものだったし、今時話題のSNS映え?というものも十分だろう。女子高生だって喜ぶはずだ。
気づくと俺は、一瞬のうちに二つ目のかぼちゃパイに手を出してしまっていた。……こんなことをしても、虫歯にもならないし脂肪も増えないんだよな?最高過ぎる。現実世界の方だったら、かぼちゃパイを二つなんて絶対無理だ。
というか、お財布的にも厳しいかもしれない。俺は現実世界で金持ちというわけではないからな。でもここでなら、モンスターとかを狩ることで手に入れたお金が沢山ある。そう、幸いなことに、俺にはここいらのお店の商品を滅茶苦茶買ってもまだまだ有り余るくらいのお金が沢山あるのだ(大事なことなので倍プッシュ)。
しかもだ、俺が二つのかぼちゃパイを食べたところで、お腹はいっぱいにならない。……おっと、決して俺が大食漢なわけではないぞ。このゲームの中では、どれだけ食べてもお腹がいっぱいにならないのだ。まさに、食べるのも娯楽の一部というわけだな。これが目的でこのゲームを始める人の気持ちが分かった気がする。
…食べ終わった俺が周りを今一度見渡してみると、そこにはまだまだ美味しそうなお店が沢山所狭しと並んでいた。そのお店一つ一つが、俺に「いらっしゃい」と言っているような気すらしてくる。
よし、決めたぞ。全力でこのハロウィンを楽しませてもらおうじゃないか。まだまだ今日という日は長いからな…
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