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VSジジイ(こう書くとヤバいやつ感が否めない)

お久しぶりです!やっほー!!

 俺とマンティコアは対峙する。なんとか卑怯な戦法を喰らいつつも生きている俺だが、厳しい状況なのは変わりない。


 回復したいところだが、回復しようものならその隙を突かれてやられてしまう気がする。実力が離れている訳ではなく、寧ろ拮抗していそうだからな。


「ホホホ、ホホホ、ホホホホホホ……グルゥアァァァァァ!!」


 そうして身構えていた俺に向かって余裕の表情で笑っていたマンティコアは、俺に向かって炎のブレスを吐きかけてきた。


 うおぉぉぉ!!


 絶対臭い、絶対ヤバい、絶対死ぬ。ジジイのブレスなんて喰らったが最期な感じがぷんぷんしてる。やっぱり臭ってる。


 きっと臭いガスに火をつけてるんだろうな。最悪だ。絶対に喰らいたくなかったので、全力で回避した。


 あ、別に年寄りを差別してる訳じゃないからな、勘違いしないでくれよ。飽くまでもこの性格がひん曲がって捻れまくってる性悪ジジイ限定だ。



 …ん?待てよ?今、俺は躱していたよな?……いやいや、別にボケた訳じゃないぞ。ボケるのは目の前にいるおじいちゃん一匹で十分だ。


 ちょっと臭いのを我慢して、あの炎を跳ね返してみてはどうだろうか。あのトカゲのブレスも跳ね返す事が出来たのだから、あのジジイのブレスを跳ね返すことが出来ないということは無いだろう。というか、跳ね返すことが出来ると思いたい。


 そうだそうだ、結構良い考えじゃないか。別にこのジジイが俺の技を知ってる訳じゃないんだから、対策なんて出来るわけがない。


 トカゲみたいに驚いて固まった所を倒してやる。


 さぁ、炎を吐いてこい。さぁ!さぁ!


「ホホホ、なにやら覚悟を決めた……いや、勝利を確信した顔をしておるの。だがしかし、ホホホ、負けぬ訳にはいかぬ。ここはひとつ、ワシが武の高みにいるということでも思い知らせてやるとするかの」


 そう言うと、ジジイは化け物の姿であるにも関わらず、拳をこちらに向けて顔をキリッと引き締めた。


 …は?いやいやいや、ちょっと待てよ!なんでさっきまでブレス吐いたりする感じで戦って来てたのに、俺が作戦を思いついた途端に違う戦い方にするんだよ!おかしいだろ!?


「ホホホ、生き残って見せろ!」


 そう言い切るまでもなく、ジジイは俺に向かって殴りかかってきた……いや、違う!


 盾で受け流そうとしていたが、よく見たらジジイは俺の方を見ていない。見ているのは、上?……そうか!このジジイが性格通り行動を取るはずがないんだ。


 何が武の高みだ。コイツがとる行動は、短い間しか知らない俺でもわかるぐらい一貫している。そう、不意打ちだ。


「ホホホ……ホホ!?」


 へへ、馬鹿め。俺は確かに騙されやすくてちょろく見えたかもしれないがな、一応ここに来るまでも結構強い奴とやりあってきてるんだ。なめてんじゃねぇぞ。


 奴は俺が正面から受けようとする読みの、天井を使った三角跳びをした後に俺の背を爪で引き裂こうとしていたようだが、そこは読み切った俺の勝ちだ。

 相手の動きに合わせて上を向いた俺は、ジジイに向かって剣を両手で持ち、思い切り振り上げた。


 普段はあまりしない動きではあるが、威力はかなりなもののはずだ。もっとも、思い切り振り下ろすのと比べて、どちらの方が威力が出るのかまでは分からないが。検証したわけではないからな、仕方ない。


「うおおおおおおおおおおおおお!!」


 デュクシッッッ!!!


 小さな子供が戦いごっこをする際に鳴りそうな音を立てながら、ジジイの体に見事な一撃を加えることに成功した。そのまま追撃したいところだったが、思っていたよりも体勢を崩してしまい、うまくいかなかった。ちくしょう。


 まぁ、さっきの分の仕返しができたので良しとする。これでいったん仕切り直しだ。というか、この不意打ちが効かなかったのだから、今度こそブレスを吐いてくれるんじゃないか?


「ホホホ、やるではないか。だが、そう何度もうまくはいかなグルゥアァァァァァ!!」


 うおっ!?マジかよ、このブレスって溜めなしで撃てるのか。最初に撃つ際には少し間をあけていたのはブラフだったってことかよ。とんでもない策士だな。なんとかしてその調子で策に溺れてくれないものかなぁ。


 …ってことで行くぞ!


 俺は、さっき決めていた通りにブレスを跳ね返すために、盾をしっかりと構えてスキルを発動する。


「『反射する一撃ミラーインパクト!!』」


 幸いなことに、スキルはきちんと発動し、炎はジジイのほうに返っていった。それを見た俺は、その結果がどうなったかなんて確認すらせずに、ジジイに向かって走った。それはもう全力で。


 立ち直らせる時間を与えてはいけない。俺の頭はそれで一杯だった。おそらくこの機会を逃すと、俺の勝利を決定づけることはできない。俺の直感はそう言っていたからな。必死だった。


 そしてその判断は正しかった。危険は大いに孕んで居たが、俺は賭けに勝ったのだ。


 ジジイが……いや、マンティコアが幾ら狡賢くても、想定外のことにまでは対処しきれなかったのだろう。マンティコアは怯んでいて、その弱点であろう首を無防備に晒していた。


 俺は、マンティコアに剣を振り下ろした。クリティカルだったその一撃は、見事にマンティコアを仕留めた。


「見事じゃ!ワシの負けである!!……ホホホ、やりおったの、若いのがのう。完敗じゃ」


 そう言い残し、マンティコアは消え去った。つまり、俺の勝ちである……なんか喜べないけど、勝ちは勝ちだ!よし!テンション上げていこう!これでティアの願いも叶えられるんだからな!!

シルバー君もちょっとテンションが下がっちゃってますね、これは…まぁ、すぐに元気になります、シルバー君は。良くも悪くも純粋で素直でちょろいんですから(誰得)

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