表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
世界ランク・ワースト  作者: Shira
第1章 堕界したのは最悪最高の世界
8/12

7 目指すはダンジョン立ちはだかるはヌシ

今まで以上に読みづらいかもしれませんすいません(:3_ヽ)_

岸からも大分離れたところ。

向こう岸まで1/3を超えた辺り。

オート機能に操舵を任せ、俺はエリーとだべっていた。

エリーがスキルについて聞いてきてうるさかったからだ。

聞いたところによると俺が持つスキルはどれも習得が困難なものばかりで数にしてもエリーに優っているという。

だが俺もこんなものを習った記憶もないし船など現物を見たことすらないのだ。

自分でも驚いている。

エリーは不機嫌そうに船の先端に行った。

あんな不機嫌な表情を浮かべられると心が痛む。

別に俺が悪い訳じゃないはずなんだが。

仕方あるまい、と俺は自分のスキルの一つから知りうる限り、最高の小説を具現化させ操舵室で読むことにした。


このノベルはジャンルで言うと兄妹ラブコメなのだが展開が他とは違って素晴らしい。

普通ならば兄妹というものは血の繋がりという形で結ばれることはない。

一緒に暮らしたり等でハッピーエンドとするものだ。


だがこれは違う。

血の繋がりをも超えた愛が血の繋がりを断つのだ!

そうして無事結婚出来た兄妹は子供を持ち次の世代のラブコメへと移り変わっていく。

この兄妹ラブコメにおける世代交代とは言葉の重みが凄い。


おっと、あまりに愛しているが故、熱く語ってしまった。

俺は兄妹がお互いに愛を打ち明けた素晴らしいシーンで栞を挟むとエリーの機嫌を確認しに外に出た。



がーーんッッ!!!

という音とともに止まる船。

岩礁にでも乗り上げたのかと走って前を確認しにいく。

と、すんでのところでエリーと鉢合わせる。

どうやら彼女から聞いた方が早そうだ。


「今の衝撃はなんだ?前はどうなっている!」


慌ててしまい早口で聞く。

しまったと思い深呼吸をする。

こういう時こそ冷静に……冷静……。

冷静を保とうと心を鎮めていた俺にエリーはこう告げたのであった。


「湖の……ヌシよ!!!

ヌシが出たの!30mはあるわ!」


ふぅ……。なんだ?ヌシ?

ヌシ……そう……ヌシね……。

んっ……?


「はぁぁぁぁ!!??

嘘だろッッッ!!?ヌシィィ!!!?」


しかも30mって……。

どんだけおっきいんだよ!

よく船壊れなかったな!

とにかく俺自身が視認するためにも船首に出る。

すると確かに大きな影があった。

サイズは10m程。

さすがに大袈裟だったか。と安堵の息を漏らす。

とは言っても充分なサイズだ。

心して戦闘せねば。


俺は剣を抜き身構える。

………が、未だに出てこない。

影はみるみるうちに近づいてくるのがわかる。

おかしい。先ほどと影の大きさが段違いではないか。

まるで太鼓のように大きな水を切る音が水面から聞こえ周囲に雨が降り注ぐ。


と同時に大きさにして30m、先ほどの影の3倍以上のサイズの水龍が現れた。

大袈裟なんかじゃねぇぇ。

マジだった。


怖気付いてなんかいられない。

俺は体勢を立て直す。

耳をつんざくような咆哮に耐え、勢い良く奴に飛びかかった。

こういうのは先手必勝と相場が決まっているのだ。

予想通り奴から見たら豆粒同然の俺を視認することは難儀なようだった。

俺は水龍の背中に着地しすぐさま頭部へ駆ける。

ちなみにこの跳躍力や体幹はステータスが関係しているらしい。


水龍は体の違和感に気づき始めたらしく暴れ始めた。

俺は振り落とされないようにしがみつき呪文を唱える。


「《死の鎖(デス・ジャッジ)》!!!」


これは右手を向けた方向の生物を一定期間拘束する、というもの。

ぶっつけ本番だったので使えるか不安ではあったが無事成功し動きを止めることが出来た。

この期間を無駄にはできない!

俺は全力で頭頂まで上り詰め渾身の剣技を一角に叩き込んだ。

龍といえば角は弱点。定番だ。


案の定角を叩かれた水龍は力を失くし水面に倒れ込んだ。

俺は咄嗟に船に飛び移り難を逃れる。

もう少しで凄まじい勢いの水弾を受けるところだった。


何はともあれ湖のヌシ、【水龍】を撃破したのだった。

これが俺の初戦闘である。

エリーはただただ口を大きく開け固まっていた。

驚きの連続でもはや動くことは無い。


昔やったゲームの容量で少々痛々しいが水龍の鱗を数枚剥ぎ取った。

その代わりケアとして角を修復した。

水龍も喜んでいたみたいだし驚かせたお礼とも言っていたので大丈夫だろう。

何はともあれこれでダンジョンまでの道はもう終わりに近づいているはずだ。


鱗は俺のスキルでとある装備品に加工したがこれはまだエリーに秘密である。

ちょっとしたプレゼントってやつだ。



岸に付き船旅を終えた俺達は船から降り前にある巨大な洞窟を見上げる。

エリーは未だに心ここにあらずって感じだ。

洞窟の入口、その横に小さな、というと語弊がある。

人サイズ(・・・・)の看板があった。

そこにはよく見慣れた文字でこう書かれている。



『泣く子も消える上級ダンジョン!

制覇した君は伝説の勇者の素質あり!?

〝アンクルガルの洞窟〟へようこそ〜♪』



日本語だ……。死ぬ前嫌という程みた……。

どうして……。

その謎が解けることはなかった。

だが、


「上級ダンジョンって……ほんとに大丈夫なのかしら……。」


意識を取り戻したエリーはこう言った。

そのことに俺は一つ合点がいったのだ。




彼女は……








元・人間 であると。

次回予告ー!

次回はついにダンジョン潜入!

隠されし主人公の秘密が明らかに!!!?



なりませーん!!すいません!

その代わり忘れ去られているかもしれないクエストはきちんと出てきます!

安心してください!

ではまた!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ