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世界ランク・ワースト  作者: Shira
第1章 堕界したのは最悪最高の世界
5/12

4 装備は見た目重視?

殺し合いを見るのも精神的に参ってきたところで、


「着いたわよ!」


とエリーの声がした。

そこは今までの店とは違い、

中に入って売買するようであった。

店の外見は極めてシンプル。

クリーム色の壁に

茶色のレンガでできた屋根。

店だと分かるのは広い入口と看板があるからだ。

看板に書かれているのは見たことのない文字だが、意味だけは何故か頭にすんなり入ってきた。

万事屋(よろずや)





「……はっ?」


店に入って素っ頓狂(とんきょう)な声を上げたのはもちろん俺だ。

何故ならレジ以外に並んでいたのはショーケースのみだったからだ。

しかもショーケースの中にはミニチュアの装備品のようなものばかり。


「なぁ、装備品を揃えてくれるんだったよな?

おもちゃを買いに来たんじゃないよな?」


あまりに不安に思ったのでエリーに問う。

確かに精巧でかっこよくて強そうではあるがサイズがミニチュアでは溜まったものではない。

……店主から睨まれた気がするが、

気のせいとしておこう。


「…………あんた店主に殺されたいの?

ショーケースの武器指さしてごらんなさい。」


どうやら割と危なかったらしい。

俺は言われた通りに一番カッコいいものを指差す。

するとそのままサイズ50倍くらいのものが目の前に現れた。


「すげぇ!どういう原理だこれ!?

指さしただけで巨大化した!?

てかショーケース割れてないし!

魔法なのか!?魔法(マジック)なのかぁぁぁ!」


興奮のあまりエリーに飛びついてしまった。

最後に見たのは彼女の鋭利な槍だった。




「全く……急に飛び込んでこないでよねっ。

びっくりして殺害(・・)しちゃったのは謝るけど……。」


彼女の槍に突き刺されて数分、意識を取り戻した俺は3度目(・・・)の心臓の痛みにも慣れ、感覚を確かめる。

仮死(・・)の後は血液が流れないせいか動きにくくて困る。


「ところでシロー。金はあるの?見方は分かる?」


この娘はなんて優しいのか。

こんなに初級冒険者(仮)に優しいのは

かの有名RPGの説明書くらいなものだ。

俺は首を横に振り、教えを乞う。


「だと思った。じゃあ今から教えるわね。

まず左手をピースの形にして宙にあげて?

そのまま待機してるとウィンドウが出てくるから、そしたら人差し指で左に払うの。」


言われた通りに左手でピースを作った。

少し恥ずかしい。

だがそう感じたのも(つか)の間、左手の少し前辺りにウィンドウのようなモノが現れたのだ。

すごいっ。まるでアニメのようだ。

そのままエリーの通りにウィンドウを左に払う。

すると現れたのは人型のモデルイラストとSTATUS(ステータス)の文字。


「……出来たみたいね。そしたら右下の方に

Gol(ゴル)と書いてあるでしょう?

それがシローの今の所持金。どう?」


どうやら自分にしか見えてないらしい。

どんな技術なんだ一体……。

俺は言われた通りに所持金を確認する。

一、十、百、千、万、十万、百万、千万、億、十億…………。

30億Gol…………。


「な、なぁ……一般的にはどんくらい持ってるもんなんだ……?」


不安になり恐る恐る問う。

もしかしたら、と淡い期待を込めて。

だが、そんな期待はすぐに打ち砕かれた。


「んー、大体来たばっかのあんたくらいの人は300万くらいかしらねー。そんなに少なかった?」


逆なんだよおおおおお!!

多すぎだわっ!どうすりゃいいんだ!

とりあえず俺は一般的だったと告げ肩を落とす。

バレたら殺されるのかもしれない……。

死にはしないけどもっ。


「大金持ちかと期待しちゃったのかな?

可愛いとこあるわね。まぁ肩を落とさないで?

装備はきちんと揃えられるわ。

それと、ウィンドウには色んな情報が載ってるから後で確認しておきなさい。」


確かにステータスや魔法、スキル、ジョブなど気になる項目はたくさんあった。

後で見ておこう。

まるで異世界みたいだ……。

ってここは異・世界か。字のごとく。


「さて、装備だけど、大抵の人は見た目重視で買うわね。

特にあんたが出した剣なんかその見た目で攻撃力1よ。」


えっ。


「あとそこにある某勇者の鎧みたいなやつも守備力0ね。一番人気だけど。」


………………。


現実って厳しいっ。

見た目と性能は両立できないのねっ。



こうして俺は所持金を偽り、

見た目より性能重視で【鉄の剣】攻撃力503

と【旅人の服】守備力420を買ったのだ。


所持金300万Gol→240万Gol

(実所持金30億Gol→大差なし

実際には30億Golと少量持っていたので大差なしとなっております。

為替レートは人間界の日本円×約100として相続による過剰と見てください。

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