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世界ランク・ワースト  作者: Shira
第1章 堕界したのは最悪最高の世界
11/12

10 ダンジョン攻略の最終局面?

今回長めです

自分の書きたいことが上手く書けていません。

文章がいつも以上に下手くそかもしれません。

注意して、でもブラウザバックせず読んでくださいまし♪

「うわぁぁぁぁぁ!!!?



………お、おにんぎょう?」


情けない声をあげたのは当然俺である。

覚悟はしていたものの突然の不意打ちに驚いてしまった。

エリーはやれやれと言った表情で人形に歩み寄る。

こんな所に人形なんてあるものなのか?

まさかこれは、友達ってやつなのか?

はぁ……。


そんなことを考えながら眺めていると上から何かが垂れてきていることに気づく。

ん…………?

液体状の少し粘っとした何かはまるで何かの唾液のように思えた。

そして俺はあることに合点がいった。


「エリー!!!

下がれ!!上に何かがいるぞ!!!」


動くより早く口がそう叫んでいた。

だがそれはあまりに安直で愚行なことだった。

俺の声に気づいたエリーは好奇心によるものか堪らず上を向いてしまう。

と同時に上にいた何かはものすごい勢いで飛び降りてきた。


瞬間まるでトラウマを抉るような地響き。

俺は咄嗟に頭を抱えしゃがみ込んでしまう。

しばらくして、揺れが収まってきて顔を上げ立ち上がる。


目の前には何も存在していなかった。

いや、人形だけがこちらを嘲笑うかのようにビー玉のような目で見つめていた。



「うそ……だろ……?」


俺はあまりのショックに言葉をうまく紡げない。

エリーは……俺のせいで……。

だめ……なのか……?

俺はこの世界でも……迷惑しか掛けられないのか……?

力はあっても……。

ネガティブ思考が俺を襲っていたその時、一縷の希望が文字通り降ってきた。


ごつん。


俺の頭の上に降ってきたモノはエリーの靴。

相当な痛みに頭を抑えながら上を振り向くとそこにエリーはいた。

小さくて見づらいが恐らく生きているはず。

というのも先ほどの化け物が掴んで飛んでいるのだ。

天井をいくつも突き破った上空で。

あの状態だとあまり時間はない。

だが、この靴が神からのプレゼントだと信じている。


行ってこい、救ってこい、と人形も微笑んでいた気がした。


「お前も一緒に、行くぞっ!」


だから、俺は人形を掴みジャンプする。

階段を登ってたんじゃ間に合わないと考え、奴がぶち壊した天井を越えてく作戦にした。

一気に登るのは無理だが1階層ずつなら飛べる。

1階層下まで来たところで骸骨剣士が突然斬りかかってくる!

俺は咄嗟に逆に飛ぶがそちらにはゴブリンが待ち構えていた。


「こんな……とこでぇぇぇ!!」


使ったことのない魔法だが今まで成功してきた。

敵との戦いじゃあまりいい思い出はないが負けるわけにはいかない。

迷惑は、掛けない。


「《フリーーーズド》!!!」


俺は人形を持つ手と反対の手をゴブリンに向け叫ぶ。

するとゴブリンは急速に氷漬けになった。

成功だ。

俺はその氷を足場に奴のとこまで飛ぶ。


勢いあまってやつの足の前まで飛んでしまった。

エリーが目の前で気を失っている。

俺は堪らず腰の剣を抜き、足に斬りかかった。

が、すんでのところで届かず俺は地面に着地する。


「くそっ……。頼む間に合ってくれ……。」


人形を壁に寄っかからせて奴に振り返る。

俺の存在には気づいてないようだ。

今なら、やれる。

俺は、できる。

弱っちくてなんにも出来なくて迷惑掛けてばっかりだった獅郎とは、もう違う。

今の俺は…シローだ。


走り出す。いつもよりも身体が軽い。

奴が気づく前に助け出す!

エリーは時々苦悶の表情を見せている。

俺は飛びつきたくなる欲を抑えギリギリまで近づく。

まだだ……あと少し……。


そして……。


「おっらぁぁぁぁぁ!!!!」


俺は奴らに負けぬくらい大きな咆哮をあげ足に斬りかかる。

今度は、仕留める!


はたしてその斬撃はヒットする。

だがまだ足りない。

そのまま空中で2連撃。

エリーを傷つけないように慎重かつ重く。

化け物もさすがにダメージを受け反撃に掛かる。


それこそが、俺の狙い。

攻撃していたのは実は逆の足であった。

生物ってのは反撃する時逆を使いたがるもんな。

無駄な知識が役に立った。

エリーは解放され自由落下を始める。

だがそれと同時に今までエリーを掴んでいた足が反撃をしてきた。


「邪魔、すんじゃねぇ!」


俺は両足の付け根に向かって重い斬撃を飛ばす。

その斬撃は化け物の足を捉えると両足を切り落とした。

よしっ。


それを見届けすぐさまエリーを救いにいく。

既に地面間近まで迫っていた。


「くそっ……。」


俺は自身の落下速度を上げる。

エリーが落下する前に地面に降り立つ。

いくら耐性があるとはいえ足へのダメージは相当なものだ。


もしかしたら……ひび入っちまったかもな……。

だが、休んでいる暇などない。

俺はすぐさまエリーの下に駆けつける。


「滑り込みセーッッぐえッッ!!?」


ヘッドスライディングをかまし間に合ったことを確信した俺を襲ったのは凄まじいまでの腹部の痛みだった。





「ばっっっかじゃないの!?

なんでそこまでするの!?

最初に教えたわよね!!?

この世界じゃ死なないの!!

こんな無理して助けたってそんなにいいことなんてないのよ!?

結局あんた死んでたじゃない!!!」


目が覚めて最初に聞こえたのはそんな罵倒だった。

俺……死んじゃってたのか……。

今まで刺されたことしかなかったから実感がない。

正直二度と味わいたくないような痛みではあったが。

って……。


「よかった……。助けられたのか……。」


俺はミッション成功に安堵する。

確かに死んだところで死ねないのだから、なんで助けようと必死になったのか。

今になっても謎である。


「ただ、気づいたら身体が動いてた。

助けなきゃって……思ったんだ。」


俺は、そのまま真実を告げる。

すると今まで大声で罵倒し続けていたエリーの声が止まる。

その不自然さにどうしたのかと顔を上げると目の前に真っ赤なエリーの顔があった。


………………。

思わず見とれてしまう。

こいつ、時々なんでこんな顔……。

くそっ……。これだ、助けたくなった理由……。


俺は、エリーに恋をしていた。






「ぐおおおおおお!!!」


そんなラブコメ的なことをやっていた(?)らキレたかのように化け物が咆哮をあげる。

完全に存在を忘れていた。

奴は相当キレている。

そりゃそうか。

足を2本切られ挙句こんなにも無視されていたのだから。

元々4本足であったであろう足は2本のみになっており飛んでいるのがやっとのようだ。

キマイラのような見た目だったのか……。


俺は改めて対峙する。

エリーも隣に並ぶ。


「私だって、戦えるのよ?

多分あんたの数倍は経験積んできたんだから。」


そんな頼もしいことを言ってくれる。

誰があいつに捕まっていたんだっけな……。

思わず笑いが零れる。


「あぁ、やろう。これがこのクエスト、このダンジョンのラストバトルだ!!」

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