(第096話)狂った”ファッショ”の人体実験
纐纈の肩書は公式には「自衛隊戦術兵器研究所主任」であったが、実際は幽霊機関で秘密結社”ファッショ”の工作員だった。”ファッショ”は二十一世紀に入ってから世界各地で発生した政治的宗教的対立を影で煽った原因だった。そして危機は最高潮に達しようとしていた。もはや地球外からの干渉は免れなくなっており、その混乱に乗じて支配権を確立しようとしていた。
だが地球外勢力から「地球文明の保護」を名目に地球人類の機械化生命体への強制進化が始まろうとしていた。実際、世界各地で”鋼身”に生まれ変わる事例は続発しているし、その波を押さえるのも限界が近づいていた。
そのため”ファッショ”も世界が大混乱に陥るのを省みずに、鋼身のマガイモノといえる機械生命体化ユニットを発動しようとしていた。しかし、なぜ纐纈がここで実験しようとしていたのか?
「どうせ、今の人類がいなくなるのなら、ちょっとでも試してもいいだろう!」
そんな事を言っていたので、生徒たちは呆れていた。こいつは狂っている! そしてこんなことをさせるのを容認している政府も!
カプセルの中で三人は逃げ出そうと暴れていたが、完全に拘束されており姿勢を変える事が出来なかった。三人とも同じ生徒に下腹部などを見られ屈辱的だと感じていた。鋼身のマガイモノにされる人体実験の被験者にされることは絶望しかできなかった。




