(第094話)もうどうにも・・・
目の前にいる纐纈は自衛隊所属で憲法の非常事態条項を根拠に何をやってもいいと主張しているようだったが、人間を機械に変える権利はないはずなのに何故? 三人はそんな危ないやつの前から逃げなければならないはずだった。しかし教室の前の廊下を見ると一年と二年の生徒が作務衣を着た不気味な男に連れていかれていた。
作務衣? こいつらは自衛官ではない! しかしなぜ不当な扱いをするのだろうか? 一体全体こいつらは何者なんだ? 朋美も薬師神もそして優紀も、恐れおののいていた。逃げるのは難しそうだった。教室の出入り口は作務衣の男が付いていたから。
三人の目の前で纐纈は一人に指さしていた。
「そこのお前! 生意気な奴みたいだから改造してやるぞ! そこの村上と同じように。どうだ? カップルになれるぞ! お似合いだぞ!」
指さされた少女はその場に崩れ落ちていた。そして泣き出してしまった。
「大丈夫よ! きっと大丈夫よ!」
朋美は根拠なき励ましをしていたが、優紀は腰が抜けて全身の力が抜けたようになっていた。
「ええ、わたし変わらない・・・変わりたくないわ」
朋美はなんて理不尽だと思ったが代わりに自分がなると言う事はできなかった。こんなことならおばあさんにもっと頑張ってもらいたかったと思ったが、今更どうすることも出来なかった。
教室に入って来た作務衣の男たちに優紀は連れていかれてしまった。そして二人も連行されてしまった。この日、学校に来ていた生徒は十人であったが、どうして来てしまったのかと後悔していた。こんなことになるのなら。
纐纈とその配下の者たちは、自衛隊の秘密部隊だったのかもしれなかったが、実態はよくわからなかった。ただ、昨日金が谷地区で重質量爆雷と偽って核弾頭をセットした連中と関係あるようだった。しかし、何故ここで人体実験をするのだろうか?
生徒が連れてこられたのは校庭に設置されたテントの仲だった。そこには校長先生が手錠をかけられて座らされていた。
「校長だが、我々の指示に同意できないというので拘束させてもらたよ。こうして見ておられるから事後承諾してもらうからな。これから生徒が鋼身に対抗する戦士に生まれ変わるからよく見ておくんだな」
戦士? 纐纈の勝手な発言にその場にいた全員が怒りと恐怖の感情に支配されていた。しかし纐纈に抵抗する術はなんら持ち合わせていなかった。
優紀も含む三人は別室に連れていかれた。一年と二年も一人ずつ選ばれたようだった。そして、三人の目の前に現れた時には三人は棺桶のようなカプセルの中に入れられていた。




