(第085話)ユニット
愛奈にメッセージを送って来た天使のような存在は仮想フィールドにおけるもので、それはユニットと呼ばれる鋼身を管制するプログラムのことであった。そのユニットとはどういうものかについて泉里も知らぬことであったが、鋼身たちは逆らう事ができないというのは確かであった。
「泉里さん。あたいらってこんな山奥に来て何をするんです? 自衛隊にやられたりしないように逃げているだけなの?」
彩華はそう聞いたが、こんな事をしていても無意味ではないかとも考えたからだ。自衛隊といえば戦闘機もヘリコプターもあるはずだから、こんな徒歩で逃げても追手など簡単に差し向けられるはずだ。それに、相当数の鋼身に生まれ変わった住民を殺傷しているから、見つかれば即破壊! というのもありそうだった。
その時、ユニットからそこにいた鋼身全員に今後についてのメッセージが届いた。それによると、一時的に地球から退避せよというものだった。退避といわれほぼ全員が戸惑った。地球から脱出する方法があるのか? それにどこにいくというのか?
「ユニットの天使さん、あなたっていったいどこから来たのですか? 私たちを機械にしてなにをしようとしているのですか? それに何をさせようとしているのですか?」
愛奈は他の鋼身たちと同じ質問をした。すると電脳化されたフィールドのなかで天使のような存在はこう微笑んだ。
「皆さんには、この地球よりも進んだ社会を体験していただきます。そこで体験したことを元に今後の事を選んでください」
この地球よりも進んだ社会? それっていったいなんだろうか? 多くの者が訳が分からなくなっていた。




