(第084話)変われるの?
「それはね・・・」
彩華は言葉がつまっていた。それで愛奈はがっかりしていた。女の子が変身する小さな子供向けの話では変身しても戻ることは可能だというのに、鋼身はもう戻れないんだと解釈していた。よく考えれば、変身する場合は衣装だけだが、鋼身は身体の構造も素材も変えてしまうのだから・・・
そう悲嘆に暮れようとしていた時、「ユニット」から次のメッセージを受けた。
「鋼身に生まれ変わった人類は、最初はその時点で相応する姿で過ごすしかないけど、ある一定の課程を過ごせば、意志に応じた姿に変えられるようになるわよ。それまで、精いっぱい過ごしてほしいわ」
そのメッセージに愛奈は聞き返した。
「あんたって何者よ! みんなこんな金物の身体に変えてどうするつもりなのよ! いったい何の得があるというのよ!」
愛奈は鋼身の一種の仮想フィールドの中で「ユニット」に聞き返していた。すると意識の中で優しい表情を浮かべた天使のような存在に触れたような気がした。
「それはねえ、この惑星の人たちのなかに悪い存在の人々が、悪い姿に人々を変えようとしているのよ。それを防ぐには・・・まあ毒をもって毒を制するではないけど。同じ能力を持った鋼身が必要なのよ。だから協力して」
その天使のような存在が語る意味は理解できなかったが、なぜか愛奈は従わざるを得ないと思うしかなかった。その時の事について愛奈は後にこう思ったという。私は自分のなりたい姿に変わるために隷属するしかなくなったんだと。




