(第065話)鋼身の少女たち.5
朋美は彩華の心も機械のようになったような気がしたけど、それを確認する術はなかった。その頃は鋼身というものに対する情報が殆どなかったし、彩華のように鋼身になった者自身もよくわからなかった。
それはともかく、彩華の身体はメタリックな色彩を放っていた。もし顔にお面でも被ればロボットとして通用しそうだった。
「朋美、あなたは明日どうするの?」
「決まっているじゃない学校に・・・あっ。そうか今は閉校中だった。それにしても町の封鎖はいつ解除されるのだろうね」
「それだけど、私がユニットから得た情報では解除されるようだよ、でも」
「でも?」
「今度はこの四国自体が封鎖されるようよ」
「四国? なによそれ?」
「決まっているじゃないの、もう海外にいけないってことよ!」
彩華が言ったのは冗談で海を渡らないといけないところは全て海外(外国)というものだった。四国から本州や九州に行こうとすると橋か船でいくことになる事から来たものだった。それにしても、いきなり封鎖される範囲が広がりすぎだと言えた。
それでテレビをつけてみると、相変わらず今までと変わりなかった。その時はドラマの再放送をしていたと思ったら、いきなり画面が黒くなった。
「彩華、何が起きているのか知っているの?」
「ええ、知っているわ朋美。でも一度に説明しても完全に理解できないだろうから、おいおい知っていくようにすればいいわよ」
「その言い方なら知っているようだけど、あなた知っているわけ?」
「ええ、全ての情報はみんなで共有しているから。そんなふうに改造されているから私たちは。そう金が谷地区で鋼身に生まれ変わった者は。それに、仲間はどんどん増えていくわよ。いくら、この国の政府が弾圧しようとも無駄よ! もう誰にも止められないわよ」
そういって彩華はテレビの画面になんらかの方法で映像を映し出した。そこには金が谷地区の様子が映し出されていた。どうやら鋼身の誰かが見ている光景のようだった。それには自衛隊がセットした重質量爆雷がバラバラにされていく様子が映し出されていた。
「これはねえ、鋼身をこの地球上に拡大させるために敢えて行われている愚かな人間の所為のひとつよ。この爆雷は実は核弾頭なのよ! 半島の北で紛失したはずのものが日本にきたわけなのよ」
そういうように、爆雷の中から巡航ミサイルの弾頭のようなものが現われ、その中からなんだか複雑な装置が絡み合ったものが出てきた。どうもそれは核弾頭のようだった。
「なんで核兵器を自衛隊が持っているのよ!」
「これはね、北の独裁政権と日本のある勢力が結びついていたということよ」




