表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Metallic Humanity War! ~202X~  作者: ジャン・幸田
参章:閉鎖された大地
59/149

(第056話)変化したあとは.2

 小隊長の目の前には機械蟲によって鋼身に変化しつつある自衛隊員や警察官が並べられていた。作戦開始当初は鋼身に変化し始めた隊員が出た場合、活動停止状態になればどこかにある研究施設に輸送され、また抵抗すれば破壊措置が取られていたが、総員退去命令を出したため、そういった事はもう出来なくなった。後は自衛隊の秘密兵器重質量爆雷の餌食になるのを待つだけだった。ただし、動けるまでになれば小隊長は逃げてもらうつもりだった。いままで一緒に戦ってきた仲間が鋼身になったからといって、巻き添えにさせるのが忍びなかったからだ。


 「小隊長。本当のことをおっしゃって下さい。今回の作戦は一体なんのためだったのかご存知なかったのですか?」


 部下の男はようやく火がついたタバコで一緒に一服していた。任務中にこんなことをしていたら懲戒モノかもしれないが、どっちにしても脱出は無理だと悟っていたから。


 「それなんだが、俺も急遽派遣されてきたので分からないけど、どうやら世界各地で同様の事態が起きているようだ。しかし、どこの国も移民や難民を受け入れたくない、とにかく自分たちだけがよければそれでいいんだという排他主義者が幅を利かせているだろ? だから、そういった不利になる情報を共有してこなかったから、事態が悪化するまで何にもできなかったわけさ。

 我が国だってそうだろう? やたらと日本人が一番だから他の日本を良く思わない国と関係を断とうなんて主張する奴を政権内にいれたりするから、前に向いて話が進まんかっただろ? あの内務次官をしていた桜原という男が今回の憲法の非常事態条項適用を強硬に主張したそうだ。おかげでこんなザマだ!」


 「小隊長。そんなふうに文民を批判するのはまずいですよ! でも、もう関係なくなるでしょうけど」


 「そういうことさ! もし桜原のデブ野郎に会えたらボディーブローでもなんでも噛ましてやりたいものだ。あいつがUNTANKへの要員派遣を拒否したから、鋼身の情報が我が国に入ってくるのが遅くなったそうだ。これは知り合いの越智がいっていたから確かさ!」


 「越智って、まさか、あの防衛副大臣の?」


 「ああ、そうさ。なんでも越智の故郷なんだそうだ、この愛媛は! だからくれぐれも無茶苦茶にしないでくれといって色々と機密情報を教えてくれたけど・・・役にたたんかったな」


 「それじゃあ小隊長はどうすればよかったと思うのですか?」


 「それが分かったら苦労しなかった! ただ鋼身になったからといって殺すことはなかったとは思うさ。少なくともゾンビのように理性は失っていないようだからな」


 そういって小隊長は酒瓶まで開けようとしていた。最期の乾杯という事になりそうだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ