(第052話)解き放たれた封印.5
泉里の鋼身は進化し、まるで戦闘マシーンのようになっていた。多数の重火器による集中攻撃は無力というしかないほどダメージを与える事が出来なかった。そのため、自衛隊員たちからは困惑が広がっていた。
「こいつって何者ですか? こんなの合衆国軍も中国軍もいるはずないし、ましてや朝鮮国民軍だって・・・」
「そんなの考えている間があるなら、どんどん攻撃しろ! それにしても、終わるのかこの戦闘は?」
ここ数日。隊員たちは命令のままロボットのような連中と戦闘していたが、破壊した中には人間の内臓のような物が飛び散ったので、本当はロボットではなく半ば生身のようなモノを相手にしたとして、一種の恐慌状態になっていた。しかも、何人かの隊員が発狂したため後方送りになったうえに、攻撃している奴らと同じような姿になったのもいた。一体自分たちは何と戦っているんか?
無論、隊員は祖国のため国民のため、それらを守るために訓練してきた、はずだが、これはいったいどういうことなんだ? そんな疑問が浮かんでいた隊員が続出していた。そのせいか時間が経つにつれて攻撃力が落ちていたが、目の前の「目標」を撃破すれば終わると思うと、なんとか維持していた。
「もっと、攻撃しろ! この目標を撃破すれば全てが終わる! 帰れるんだぞ!」
そんな声が聞こえていたが、いったい撃破すればどうなるというのかは誰もわからなかった。だから重火器を闇雲に打つしかできなかった。その攻撃によって金が谷地区の家屋は崩壊し車両が砕け、木々も炎上していた。そこには破滅した世界が広がっていた。




