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Metallic Humanity War! ~202X~  作者: ジャン・幸田
二章:解き放たれた封印
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(第046話)ターミナルヒューマン.6

 自衛隊の攻撃によって次々と機械化した住民が破壊されるので、泉里は逃げるほかなかった。なぜ、一方的に破壊しようとするのか理由がわからないままに。自衛隊の攻撃により金が谷地区の至る所から黒煙は吹き上がり爆音が響き渡っていた。なぜ、こんな事になったのかがわからないままに・・・


 逃げる間にも泉里のメタリックなボディの「進化」は進行していた。限界集落というほどではないが高齢化と過疎化が進行する地区で引きこもりのような人生を送っていたので、身体に無駄な脂肪がつくメタボ体形になっていたが、スリムで鋭角的な体形へと変化していた。


 全身、西洋甲冑のようなモノに覆われ、顔は何かのヒーローみたいにカッコよくなっていた。その姿は子供のころに見たヒーローそのものと感じていた。しかし、なぜか自衛隊に狙われていた。その理由はなんだ? と疑問に感じているとなぜか部隊の指揮官と思われるものの声が聞こえてきた。どうやら聴覚も著しく向上しているようだった。


 「ターゲットは一際大きい鋼身! そいつはターミナルヒューマンと呼称する。その理由は作戦指示書にそう書いているからだ」


 ターミナルヒューマンと聞いて戸惑っていると、機械化した身体からある意志からの伝言のようなイメージが湧いてきた。それは、この世界を救う存在からの・・・


 「汝は、この地球の知的生命体を次のステージに進化させる役割を負った一人だ。今は迫害させているが、もう少しすれば社会的に理解されるはずだ。

 いまは、迫害から逃れ、しばし隠れたまえ。そうそう、数日以内の汝が開けた鉄棺を再び封印しようとする者がやってくるだろう。それは今迫害しているものではなく、ある装置を持ってくるだろう。それが作動すれば・・・」


 そのメッセージの指示で泉里はしばし身を隠すことにした。その間も自衛隊は”鋼身”と呼ぶ機械化した住民の破壊に躍起になっていたが、その自衛隊の隊員のなかからも機械になるものが続出し、戦闘が混乱するようになっていった。そのため、金が谷地区の攻防は膠着状態になっていた。


 膠着状態になったので、金が谷地区の住民でまだ人間でいる者は燧灘町の沖合にある紺島に設置された強制避難所に次々と大型ヘリコプターで輸送されていた。その集団の中にはいままで顔見知りだった近所の老人と両親の顔を認めた。


 泉里はその顔を見て悲しくなったが、瞳から涙が出ることは無かった。鋼身になったことで、人間的な感情は電気パルスで表現は出来ても、生物的な感情を表す手段を失っていたからだ。顔はもう硬質な物質で構成されてしまい、柔軟さを失っていた。それに気づき悲しくなったが、もう元の姿に戻ることはありえなかった・・・

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