(第043話)ターミナルヒューマン.3
小隊長はある決断をした、それは機械化を免れた住民から聞いた”パンドラの鉄棺”を作動させた男を探し出して抹殺することだった。この作動させた人物を、今回の作戦計画「アマノイワド作戦」では”ターミナルヒューマン”と呼称していた。他のよく似た事態発生地では、抹殺することで拡大を防げたからだ。
「ターゲットは泉里徹治38歳。職業は農業となっていますが実際はニートみたいなやつだったようです。証言によれば二週間前に廃坑で”パンドラの鉄棺”を発見。4月16日9時ごろに作動させたことで住民の機械化が始まったようです。
初めはガス状のモノが漂ったかとおもったら羽虫のような姿に変化し、そいつらに襲われて機械になったようです。そのあとの経過は隊長のご存知の事ですが、泉里はその日の18時の目撃を最後に消息不明です。最後の目撃証言によれば西洋甲冑のようなモノを羽織ったようになっていたとのことです」
”パンドラの鉄棺”破壊班の班長の報告を受け、ある指示を与えた。
「ターゲットは確認次第無警告で破壊せよ! 投降も許さない! また”パンドラの鉄棺”については、本日18時までに発見できない場合には、隠匿されていると思われる鉱山跡を爆破する。爆破部隊の派遣は既に要請済みである」
「了解! それと、町内に残る機械化されていない住民に避難勧告しますか?」
「それは不要である。相手に手の内を見せる事になるからな。そのかわり保護した住民を速やかに避難所のある紺島に移送すること、以上!」
そういって、部隊が動き始めた時、すぐ報告がなされた。”ターミナルヒューマン”らしき機械化人を補足したと。