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(第002話)新たな支配者・鋼身

鋼身とはいったい何者?

 人類の身体を”材料”にして誕生したそいつらを人類は鋼身と呼んだ。英語では”Metallic Humanity”と呼称した。とにかく、そいつらは初期には爆発的に増えてゆき、ある程度の数。おそらくは人類の何割かが変化するまで続いた。


 最初のうちは人類側はおぞましい存在だとして恐れ隔離もしくは抹殺を意図した。そいつらはゾンビのように世界の秩序を破壊して病原菌のように害を及ぼすとみられていたからに他ならない。しかし、ゾンビと決定的に違う点があった。そいつらは人類よりも理性的だったから。


 鋼身にされた人類は、とりあえずは変化前の記憶と人格を保持しており、一定期間が過ぎれば以前のような社会生活を過ごせる事が判明したのだ。しかも鋼身になれば有機物の食物を摂る量が劇的に減少(ある程度の有機物の摂取が必要な理由はそのうち)するし、ほとんど故障など起きない身体になるので、「理想的」な機械生命体というわけだ。


 また鋼身に生まれ変われるにもいくつか条件があるようだった。概ね科学技術を享受している国家の住民で、二次性徴が終わっている(つまり成人になった)男女で極端に高齢でないこと。そして、いくつかのバクテリアなどに感染していないことなどがあった。

 

 若い男女が鋼身になっていくということは、長い目で見れば地球人類の絶滅を意味していたのだ。それを防ぐためにある種の感染症と認識した多くの国々が鋼身を弾圧していったため、大規模な抗争が繰り広げられていったが、ゆっくりと鋼身の勢力は拡大していった。


 鋼身になる原因は感染症ではなく、超高度宇宙文明の機械生命体による干渉が原因だったからだ。そのため、鋼身によって支配された国々はその機械生命体に習った体制へと変化していき、旧来の世界秩序を駆逐していったのであった。


 最初のうちは国家もしくは国連が行っていた鋼身陣営に対する抗争は、次第に従来の国家は存在を失い、やがてマイノリティーなレジスタンスによるものへとレベルダウンしていき、今は落人か落ち武者といった潜伏者のみしかいなくなりつつあった。だから今は隠れているというわけだ。


 いま隠れている廃坑には辛うじて持ち運びが出来た最小限の生活用品とわずかな太陽電池パネルしか持っていなかった。その中には外の情報を収集するための装置は一切持っていなかった。だから世界の現在の様子を知る術はほとんど持っていなかった。ただ、たしかなのは地球の支配者は鋼身達という事だ!

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