(第030話)ふたりのロボット少女.2
この日、三年生で登校していたのは九人だったが、金が谷地区の五人以外で欠席していたのは明日菜だった。彼女の今の状況を知っているのは朋美だった。朋美の周りに全員が集合していたが、校舎内には数多くの自衛隊員がウロウロしており監視しているのは間違いなかった。
だから、どうすべきかは全員わかっていた。取りあえず明日菜の事は話しないと! 結局、この日は午前中いっぱい自習ということになり解放されたのは昼過ぎだった。この時、教職員が誰一人学校に来ていなかったことに全員は驚いた。そして誰かが誘ったわけでもないのに朋美の家に集合していた。
「薬師神、自衛隊のやつらがこっちに来ていないよな」
「ああ、たぶん。でも隠れているかもしれないから油断できねえな。それにしても野村先生はどうしているのか知ってるか」
悠爾は薬師神と尾行がないことを確認してから朋美の家の母屋に入っていった。するとそこには一体の少女型ロボットが座っていた。その背格好はなんとなく誰かに似ていた!
「ま、まさかこれは・・・彩華か?」
すると奥からその彩華が出てきた。
「悪かったわね。まだロボットになりきっていませんよ! そこにいるのは明日菜よ! 昼前に完全にロボットのようになったわよ。でも、まだ機械になったことがショックなのか何もしゃべらないわ」
たしかに言われてみると明日菜のように思えた。身長は一六四センチぐらいでまだ成長途中のような少年にも見える中性的な感じがするロボットだった。
関節は蛇腹状になっていて、体表はクリーム色のプラスチック素材のようなもので覆われ、まるでソフビ人形みたいだった。また髪の毛はなく代わりに白いヘルメットのような物に覆われていた。彼女は、本当に作り物の人形のようになっていた。
さらに奥から出てきたのは広野記者だった。彼はどうやら朋美の家にずっと隠れていたらしい。
「また犠牲者が増えてしまったか・・・それにしても君たち不思議におもわないか? 仮に人間を機械に変える事が出来るにしても、その材料はどこから来たのかを?
人間の身体に存在する金属物質だけで機械になる事はできないだろう? もしかするとロボットに変えられる人間はどこかの空間を通して材料が送り込まれているのではないんじゃないかといえるぞ」
「広野さん! そんなSFのような事ができるのですか? そんんあどこかの空間だなんて?」
「君たちがそう思うのも当たり前だけど、すでに何人もの人間が機械の身体になっているんだろ? そういうことは常識だと思っている事では理解できない事が続発しているのは当然だと思わないか?」
そういって広野はロボット少女になった明日菜の背後に回った。




