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Metallic Humanity War! ~202X~  作者: ジャン・幸田
一章:パンドラの鉄棺
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(第018話)逃げてきた彩華.3

 彩華の表情からすれば何かが金が谷地区で起きているのは容易に想像できたが、一体何が起きているのかというのは分からなかった。彼女の身体に起きていた変化は一体・・・


 「長和、一体どういう身体の変化が起きているというのか? 先生に見せてくれないか?」


 野村は毛布にくるまっている彩華に尋ねてみた。すると彩華ではなく朋美のほうがむきになって口をはさんだ。


 「先生は男だから見せれないわよ! そういえば分かるでしょ!」


 「それってなんだ?」


 「それはねえ、ホントにデリカシーがないんだから!」


 「それじゃ、分からんだろ!」


 「見せれないから、説明しずらいのよ先生! どういえば・・・」


 朋美が答えに窮していると彩華が立ち上がって自分の上衣をめくりあげてお腹を見せた。その時まさにアンダーバストが見えそうなぐらいまくり上げたので、その場にいた全員が驚いたが、それ以上に驚いたのは彩華の腹部だった。それはカニのようになっていたからだ・・・


 「長和、それはいったい?」


 「先生、言ったじゃないですか。わたしはもう人間じゃないものになりかかっているんだと。私の関節もだけどなんか蛇腹のような節が出来ていてね・・・なんていったらいいのかな。なんかロボットのようになっているみたいなのよ。

 そんな変化が金が谷の人たちに起きていてね。それで病院に行った人がいたんだけど、しばらくしてから自衛隊が大勢で押しかけてきてね。そしてまるで野生動物でも捕獲するかのようにしてから、閉じ込めたのよ! なかには抵抗して射殺された人もいたけど・・・

 でも、射殺されたと思ってもゾンビのように起き上がってね、その姿はロボットみたいだったわ」


 ロボット? 一同は驚愕した。人間が機械になってしまうなんてあり得るのだろうか? しかも自衛隊は隠蔽しようとするだなんて・・・一体なにが起きているのだろうかと。


 「長和彩華さん。あなたが言うには住民の中に機械のようになる人たちが出始めた時に自衛隊がやってきたということでいいんですか。それではいつごろはじまったのですか、そんな事が?」


 広野が本来の記者魂が戻ってきたような感じで質問した。すると彩華は何かいいにくそうだったが、意を決したように語り始めた。


 「そこにいる片山朋美さんと金曜日に喧嘩したのですが、その喧嘩の原因ですがわたしが無理に日曜日にうちにくるようにと強引に迫ったからです。

 実は私が家に来るようにと迫ったのは、隣家に住む叔父に頼まれたのです。一緒に鉱山の跡に行く女の子を連れてきてほしいと。でも、その叔父はトンデモない事を企んでいまして・・・」


 彩華の瞳にはなんともいえない感情が噴き出そうとしていた。

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