(第104話)恐怖の鋼身化.3
纐纈の言葉は相変わらず訳の分からない内容だった。しかし目の前で起きているのは現実だった。ヒトがモノになっていくのは。三人のハダカ、同性なら直視に堪えず異性なら好奇の目で見てしまうが変貌しつつあった。
見ている者たちは自分が知っている同級生が機械になっていくのを見ていくしかなかった。二年の男子生徒・四分一悟はカプセルの中でおそらく恐怖のため顔は歪んでいたが、何故か気持ちよさそうな顔になっていた。
「おい! 四分一! どうしたんだ!」
二年の生徒の一人が聞いていた。カプセルの中にも声が聞こえたのかこんな返事がスピーカーから聞こえてきた。
「なんか、気持ちいいよ! 意味が分からんがのう・・・」
そう言った途端、四分一の身体が全身真っ黒になった。そしてまるで黒曜石でも使ったようなキラキラした彫像のような姿になった。それはまるで少年像のようでもあった。四分一はどちらかといえば貧弱で小柄な体形だったから。
一同が注視していると突然、四分一悟の身体が劇的に変貌し始めた。機械蟲が新たな材料を得たのか、彼の身体を膨らませ始めたのだ。か細い手足は膨らんでいき、まるでボディビルダーのような太さにしてその表面を滑らかな甲冑のような外骨格で覆った。
そして胴体も同じよう変えていった。贅肉はないが、筋肉など無縁だったのに胸や腹筋が筋肉質に膨張させた。そして同様に美しい曲線美をした外骨格に覆われた。彼の首から下は完全にロボットのようになってしまった。
「まだまだ、これからだけど、とりあえず注目されているようだから小僧から完成させようか」
纐纈がそういうと四分一悟の頭部の変貌が始まった。彼の顔の前にフェイスガードみたいなものが現れその中に埋もれていき、そして頭部は兜のようなモノに覆われてた。カプセルの中で鋼身が一人誕生した瞬間だった。




