106/149
(第103話)恐怖の鋼身化.2
三人の鋼身化をもはや止める者がいなかった。優紀ほか二名の体表は黒くなり始めていた。機械蟲によって皮膚の外骨格化が始まっていた。
皮膚に付着した機械蟲は大量にナノマシーンを放出し、皮膚組織を硬質なメタリック素材のセルに置き換えていった。白かった肌は競泳水着で覆われたようになっていき、不気味に黒光するようになった。その光沢を見ていた者はラバーともレザーとも表現するようなものだった。
恐怖におののいていた優紀であったが、しばらくすると不思議と安らぎを感じるようになった。ナノマシーンが真っ先に優紀の脳漿の改変作業を行っていたからだ。ナノマシーンが脳細胞ひとつひとつを読み取って電脳組織へと変換していた。
「この三人の顔は変わらないが、頭の中では鋼身として生きていけるように改造中だからな。そうそう自我は残るように設定しているからな。もちろん、”組織”の命令には接待服従してもらうようになるけどな」
纐纈の言葉に優紀の両親は気を失っていた。娘が人で無くなっていく様子を直視できなくなったからだ。
「絶対服従なんて、それじゃロボットだろ!」
生徒の一人がそう叫んだが纐纈は冷酷な目でこういった。
「鋼身はロボットじゃねえぞ! まあそういえるかもしれんけど。まあ身体は丈夫なボディに精神はプログラムになるからな」




