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順調
『_______今日の報告は、以上です』
「ありがとう。ゆっくり休め」
『そうします』
計画が、動き出してから一年。
レインは、卒業の年になった。
集まった情報は、数知れず。
貴族による不当な取引、税金の脱税、暴力。
ひどい場合なら、人身売買も行われてるらしい。
それらの情報は、義弟の口から出てきたものによる。
(わが、義弟ながら、口が軽いな。そして、これまでのものを正しいと思ってしまうとは……)
レインは、あきれていた。
母に関する情報は、意外にも集まらなかった。
初老の母専属の侍女から聞いた、母の愛した人の名前も
何一つ、わかっていなかった。
「………………腐りきっているな。この国は」
ポツリと、溢れた言葉は、空へ吸い込まれた。
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それから10月10日後。王妃様は、立派な皇子をお産みになられました。
それが、第一皇子様で在られました。
《とある侍女の独白》