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ダークメルヒェン

†吸血姫ノ嘆キ


アナタは私を綺麗だと言った。


静脈の透ける青白い肌も

獣の様な瞳も

長い尖った牙も


皆が異口同音に汚いと罵った全てを……


アナタは綺麗だと。


とても嬉しかった…。

でも悲しくなったの。


他人を信じ、愛しいと思う事は素晴らしく嬉しい事。


でも私は吸血鬼だから

愛しく思えば思うほどアナタの血が欲しくなる。


殺したくなる。


血を吸い尽くしたら

屍を豪奢に着飾らせ

硝子の匣に入れて

ずっと眺めていたい。


でも殺しちゃったらもうアナタの声も体温も、もう感じられない。


如何したら良いの?


会う度アナタはやっぱり美味しそうで…。


でも温かくて…。

やっぱり生きていて欲しいと思ってしまう。




†癲愛〜クルイ〜



貴女はわたしだけのモノ


他の誰にも渡さない



野卑な群衆に埋もれて

貴女の崇高な美貌が

色褪せて穢れてしまう前に



そうなる前に

貴女に永遠の美を

与えなくては。



如何やって?


毒薬で?

…駄目だ。貴女が穢れる


ならば鋭い短剣で

一気に喉元を裂こう


きっと真っ赤な血が

辺りに飛び散って

さぞかし綺麗だろうね


それに貴女の白い肌に赤は

よく映える。



そしたら次は腹を開いて

艶かしい臓腑を取り出して


勿論捨てたりなんかしない


愛しい貴女の一部だから


純銀の食器で美味しく

喰らおう


そしたら貴女に深紅の別珍のドレスを着せて…


鞣し革の黒薔薇を敷き詰めた黒檀の柩に寝かせて…


嗚呼…

考えるだけで胸がときめく


どんな人形よりも

どんな絵画よりも


完璧な迄の美貌を持った


素晴らしい、素晴らしい


芸術になるに違いない!



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