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最凶の存在  作者: 翔さん
第壱章*学園編
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始まる学校生活


エレナについていくと前方に、とても大きな建物が見えてきた

ちらほらと見える生徒らしき影は、大きな門をくぐり中へと入っていく

アレイル魔法学校の周りは結界が張ってある様だ


「今日は手続きがあるので早く来たんです。

本当ならもう少しゆっくりでも良いんですが…それと、他の方達はもう少し後にならないと来ませんよ?」


周りを見ていた俺にエレナが言う

だから少なかったんだな


「でも、これを渡すだけでいいんだろ?」

「はい。ですが手続き等があるのですよ」


俺はアレクが色々と事情を書いてくれた手紙を持っている

この手紙をアレイル魔法学校の理事長に渡せば、俺は生徒になることが出来る


「では、早速渡しに行きましょうか」

「あぁ」


学校の敷地内に入ると案外多くの人数が登校していた

やはりここでも注目を集める

エレナはこの国の第1王女だから仕方は無いのだが


「さぁ狂羅様、こちらですよ」


エレナの後をそのまま付いていく


校舎の中に入っていき、ある部屋の前で止まった

エレナがノックをすると中から「入りなさい」と、声がした


「失礼します」


そう言って中に入るエレナについていく


部屋に入ると一人の男が椅子に座っていた

この男が理事長なんだろう

見たところ年は三十半ばと思われ、なかなかに整った顔をしている


「エレナ君か。用件は何かな?」

「おはようございます。朝早くに申し訳ありません。お父様から手紙を預かっていますので、まずはこの手紙を呼んで頂けませんか?」


そう言ってエレナが手紙を渡す

理事長は手紙を受け取り読み始めた

しばらくすると、理事長は何処か呆れた様に溜め息を吐く


「事情は概ね理解しました。手続きはこちらで勝手にさせてもらいますが、いいですね?」

「そっちの方が楽で助かる」

「分かりました。その前に顔を確認させてもらっても宜しいでしょうか?」

「何故だ?」

「本物かどうかは顔を見れば分かると、書いてありましたので…」

「内容は?」

「女性の様な顔立ちの男性だと書いてあります」


そんな事が手紙には書かれているのか

次にあったときに仕返ししないといけなくなった


だが、理事長は関係なく、許可を貰うには仮面を外して素顔を見せるしかない

俺は仮面をとる


「少し驚きました。本当に男性かを疑ってしまいそうですね」

「もういいだろ」


見せたのですぐに仮面をつけなおす


「すみません。取り敢えずエレナさんと同じクラスに入って貰いますので、分からない事はエレナさんに聞いて下さい」

「あぁ」

「エレナさんも苦労をかけますが、色々教えてあげて下さい」

「頑張ります!!」


そう言ってギュッと拳を握るエレナだった


「ではエレナさんはそろそろ教室に向かって下さい」

「分かりました。狂羅さん、先に教室で待ってますね」


俺は軽く頷いて返す


「………それで一体貴方は何者なのですか?」


エレナに続き部屋を出ようとした俺に、突然理事長が話しかけてくる


「何故そんな事を聞く?」

「国王様からの直筆の手紙を頂くのは初めてです。それに手紙には国王の勅命であると書かれていました。失礼だとは分かっておりますが、生徒としてこの学校に入られる方の事は把握しておかないといけませんので」

「そうか。だが、教える事は何もない。それにいずれ分かるだろう」

「………分かりました。貴方の学校生活が良きものになりますように」

「あぁ」


俺は理事長室を出て外にいた別の教師と思われる男についていった





教室side~狂羅





ここは一年Dクラス

Dクラスは今とても騒がしかった


「おい!!転校生が来るんだってよ!!」

「マジかよ!?男?女?」

「分からねぇ…でもエレナさんと一緒にいたらしいぜ!!」

「ねぇエレナ~教えてよぉ~」

「男の方ですよ」


エレナの一言でクラスの女子が騒ぎ始める


「格好いいの!?」

「凄く男らしいですよ」

「きゃ~!!」

「只…少し変わった方ですが……」

「えぇ~!どんな人なの!?」


「お~い席につけ~」


騒がしいクラスに先生が入ってくる

生徒達は先生が来ると静まり、転校生を今か今かと待っていた


「知ってるとは思うが転校生が来る…早速入ってもらう。お~い入ってくれ」




先生…マルチ先生に教室から呼ばれたので入っていく

騒がしかったクラスは静かになって俺に視線が集まる

自己紹介しろとの事だ

さぁ始めようか


「俺の名前は黒志 狂羅だ。

性別は男、男だ。重要だから覚えといてくれ」

「あ~!!」


大きい声が上がる

声が上がった方を見るとシェルがいた


「なんだ、シェルか」

「な、何で?何でここにいるの?」

「あれから城に行って、おっさんに頼んできたんだ。世話になったな」


周りの皆は呆然と俺達の会話に耳を傾ける


「おっさん?」

「狂羅さん!!」

「すまない…これ以上は駄目なようだ」


エレナが止めに入る

王様を脅したとなると、騒ぎになるからだろう


「取り敢えず座ってくれ。席はエレナの隣にしてある。分からない事はエレナに聞いてくれ」

「あぁ」

「それと…その仮面は外さないのか?」


勿論外さない。

何故なら


「素顔が見たいなら外せ。その方が面白い」


こうして俺の学校生活が始まったのである



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